あなたは、何がやりたいの?

著者: 山崎 理恵みりえ

『おおかみこどもの雨と雪』


を見た。


想像していたのとは違って、とてもリアルな物語だった。


これはまさしく、

シングルマザーの物語。

いや、女性の物語だ。


19歳の大学生花が、ある男性と恋に落ちる。

そして結婚、出産する。

2番目の子が、まだ赤ん坊の時に、夫が亡くなってしまう。


花が恋した男性は、おおかみ男だったけれど

『暗い過去、事情を背負った男性』

と見れば、リアルな世界で、いくらでもある。


そして、生まれてきた子ども達は、

おおかみ男との混血なわけだけれど、

これまた、

個性の強すぎる子

と見れば、リアルな世界だ。


花は、国立大学生だった。

奨学金とバイトだけでやっていたから、

花の家も、裕福ではなかったろう。

でも、国立大学生なのだ。


花の夢は、なんだったんだろう。

花は、何を勉強したかったんだろう。


感動的なお話なんだけれど、私は今一つ、納得できないのだ。


大好きなドラマ『アグリーベティ』のベティは、

色々恋をするけれど、

それと同時に、ちゃんとキャリアアップしていく。


シーズン4の最後には、ロンドンの有名出版社から、

一緒に雑誌を創ろう

とオファーを受けるまでになるのだ。


花は、何をしたかったんだろう。

花は、何を勉強したかったんだろう。


そんなに急いで、結婚しなくてもよかったのでは。

大学を卒業し、就職したって、よかったのでは。


そして、夫が亡くなって、個性的すぎる子供たちを育てる花は、

追いつめられていく。


これはとってもリアル。

2013年12月11日(水)の「あさイチ」で

「女性の貧困、追いつめられる母親」をやっていた。


親などを頼りにできないシングルマザーの多くが、

追いつめられて、性産業にたどりつく。


私はこれを見て、思ったのだ。


全国にある過疎化した村なんかで

優遇措置をもうけて、

こうしたシングル家族を受け入れたらどうか

と。


そしたら、

花は子ども達を連れて、過疎化した村に行く。


そこで助けてもらいながら、なんとか生きていく。


ほら、こういうこと、できるじゃないって思った。


人に来てもらいたい村。

助けてもらいたいシングル家族。

誰かが、うまくつないであげられたら、いいね。


で、

男の子の雨は10歳になって、自立して、山に去ってしまう。


女の子の雪の自立は、どうなんだろうなあ。

なんだか、人に合わせることを、主眼にしているような気がする。


ていうか

私は、もっと花に羽ばたいてもらいたいのだ。


山からの雨の遠吠えなんか聞いてないで、

なにかやろうよ。

やりたいこと、あったでしょ?

まだ若いじゃん。

って言いたい。


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