高木教育センターのありふれた日々(12)

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6、 大安中学校 (いなべ市)      4     2

7、東員第二中 (員弁郡)        1    1
  北勢中学校(いなべ市)        1    1 

 

 

第百十四章

「アドルフ・ヒトラー」

  彼に全ての戦争責任を負わせて第二次世界大戦を終結させたドイツ。でも、本当にそうなのだろうか。多くの歴史学者が検証している。ヒトラーは少なくとも合法的な方法を用いて総統になっている。当時の市民の大多数は熱狂的に彼を支持した。彼1人の責任にするのはムリがある。

  ヒトラーがいなければ、600万人のユダヤ人が犠牲になったホロコーストは起きていなかった。だから、SFの世界では過去に遡ってヒトラーを暗殺するストーリーを聞いたことがある。これは、昔も今も存在する考え方だ。

  死刑囚は、

「この人がいたら多くの犠牲者が出る」

  ということで、抹殺するわけだ。社会には、いつの時代も、どの国でも、一定数の抹殺すべき人間が生まれる。これは、多くの人が同意する事実だ。今日も、どこかで極悪人が重犯罪をおかしている。それを警察が逮捕に向かう。

  もちろん、中学生や高校生の世界も同じ現実がある。一定数の生徒は、いてもらっては困る。イジメの加害者になり、少年法の廃止を主張する人が増えるほどの残虐な犯罪も引き起こす。

成人年齢、少年法適用年齢も引き下げ 自民部会方針

自民党は24日、選挙権年齢の引き下げに伴う成人年齢引き下げなどを検討する特命委員会(委員長・今津寛衆院議員)を党本部で開き、民法が定める成人年齢を「18歳以上」に引き下げるよう求める提言を8月中にまとめる方針を確認した。

 民法の成人年齢については、平成21年に法相の諮問機関である法制審議会が「18歳に引き下げるのが適当」と答申しており、提言では速やかな法改正を求める方針だ。

 これに併せて、少年法の適用年齢についても現行の「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げを求める考え。これまでの特命委の議論でも、ほとんど異論はなかった。

 

  20歳をすぎたら容赦なく逮捕し、極刑もある。しかし、それまでは少年法で守られる。ここ「いなべ市」では中学生は、

「すべての生徒には輝かしい未来が待っている」

 と、綺麗ごとを言い、

「愛と絆が大切だ。みんなで助け合え」

 と、指導する。

 ところが、高校に入ったとたんに激烈な受験競争に放り込まれる。社会に出たら、犯罪をおかすと逮捕される。

 

「人間は、中学生までは無限の可能性を秘めた天使で、高校からは悪魔か?」

 

 そんなわけはない。中学生にも悪魔はいる。ヒトラーに負けないくらいの極悪人はいる。頭が壊れた子もいる。過激思想の子もいる。逆に、大人になっても天使に近い善人の人はいるわけだ。年齢で決めるのはおかしい。

 塾や予備校業界で生きていると、これは「考え方の違い」ではない切実な現実なのだ。なにしろ、天使と悪魔を

「助け合え」

 という指導を受けた生徒が塾に来てくれる。私は、地元中学とは異なるポリシーで指導を行っている。だから、

「何をやっても許される」

 と思ってきた生徒は面食らう。私は現実の謝意亜と同じ原則で授業を行うからだ。素行不良の生徒の指導はしない。一定の「塾則」をやぶると塾をやめてもらっている。

今年は、四高国際科、四高普通科、桑高普通科、川越国際文理、川越普通科、合格

今年は、 京大「経済」、京大「総人」、阪大「外国」、「東京医科歯科」、「東工大」、名市大「薬学」、に合格

 当塾の高い合格率は、嫌われても構わずに勉強熱心な子たちを守っているからだ。

 

第百十五章

「私は『京大ラッキーセブン』」

  私が四日市高校に合格できたのは、両親が平和な家庭生活を与えてくれたからだ。名古屋大学は、さすがに5日前に入院したから受験中に倒れると思った。しかし、その年は教育学部のボーダーが低かったし最後まで倒れずにすんだ。

  英検1級も通訳ガイドの国家試験も、バブルで塾がうまくいってネイティブの指導を受けるお金も時間の余裕があったから合格できた。今ならムリだ。A子ちゃんが来てくれなかったら京大を受けようなんて思わなかった。文系なのに数学Ⅲを勉強しようと思わなかった。

  アメリカでタイプを習って帰国したら、ちょうどパソコンの普及が始まった。キーボードを打てる私はラッキーだった。バブルでなかったら銀行から融資を受けて完済することは出来なかっただろう。

  そして、何より健康で還暦を迎えられそうだ。子供たちも健康で、離婚してもグレもせずまっとうに仕事をしている。本当に運がいい。子供の頃は、日本は高度経済成長のど真ん中。仕事を始めたら、バブルのど真ん中だった。

  アメリカで出会った人たちも、本当に良くしてくれて良い人たちばかりだった。信じられないような幸運だったと思う。これだけ多くの人に支えられたからこそ、

「子供たちをまっとうに生きれるように支えてやりたい」

 と思えたのだろう。私個人の努力などわずかなもの。ほとんどは、時代の波に乗せてもらった気がする。

 

第百十六章

「成績を上げるメカニズムは複雑怪奇」

  世の中には成績を上げる指南書があふれている。和田秀樹さんの「新・受験技法」はすぐれた本だと思う。しかし、それを読んだところで東大や京大に合格できるわけではない。

  私の塾では毎年「京大」合格者が出る。しかし、私の塾に来れば必ず難関校に合格できるわけでもない。勉強ができるか否かは、遺伝子、幼少期の育て方、学校での学習環境だけでなく、経験値も影響する。

 しかも、その一つひとつは解明ができないほど複雑だ。遺伝子の配列がどうなると知能が上がるのかは分かっていない。分かっても操作できるのか、操作して良いのか超えるべきハードルは複雑だ。

 理想的な教育環境といっても、同じ教育環境から異なる成果が生まれる。環境が全てではない。

 それに、勉強ができることに意味を見出さない人も多い。金に人生をかける人もいるだろうし、芸術、スポーツに人生をかける人もいるだろう。

 だから、私は

「医者や弁護士、研究職など知的な仕事に就きたい才能と素行に問題のない子」

 だけを指導することにしている。それだけ条件を揃えても、必ず合格できるとはいえないほどに競争は激しい。

  私、叩かれるんですよ。

「アホは切り捨てるのか!」

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