Two feelings 2章[蒼い希望]
「泣かないよ。てか物扱いしないでよ。一応人間ですし」
新屋田はギリナにひそひそと話しをする。
「フェルア様がお呼びだ」
「了解。では、新屋田副団長は?」
「これから任務だ」
「成る程。頑張って下さい。」
新屋田は頷くと、何処かに消えていった。
「あの、なんの話ですか?」
「丁度いい。お前も一緒に連れていく。」
ギリナはそう言って僕の腕を掴む。
「どこに?」
「団長のところだ」
その場から3分程の距離を移動。ドアを軽く3回叩く。
「フェルア団長。ギリナです」
「入れ」
ドアノブを回し、部屋の中へと入る。部屋の中は、本棚。紅葉の木が描かれた絵。机と椅子。
(フェルア?もしかして)
そして僕の思ったとおり、屋敷で会ったあの人がいた。
「ギリナの隣にいるのは誰かな?」
「はい。今日からA班に配属された新人です。ほら、団長に挨拶しろ」
「えーと。フェルアさん。お屋敷にいたはずでは?」
するとフェルアは苦笑いしつつ僕を見る。
「あー。そういえばお屋敷で会ってたね。制服着てたからわからなかったよ」
ギリナが僕の横で。
「ちっ。」
「ギリナさん。なにかありますか?」
「団長に失礼だ。気安く話すな」
「まぁまぁ。ギリナ。新人なら許してやれ。」
「団長がそう言うなら」
フェルアは椅子から立ち上がり、僕とギリナの前に移動する。
「A班に任務を与えたい。やる事は簡単。蒼い星に進入した者の捕獲すること」
「はい。わかりました。一応ついでにお聞きしますが新屋田副団長については?」
「新屋田はSクラスの進入者と対峙して追い返す任務だ。」
「やはりか。副団長でもSクラスの女は辛くないですかね?」
「戦えるのが新屋田くらいだから仕方ない。」
そう言ってフェルアは軽い咳払いをした。ギリナは口を閉じる。僕は頭にハテナマークが一杯だ。
「場所はここからすぐの草原だ。早めに向かってくれ。」
「新人はどうすれば良いでしょうか?」
「連れてってやれ。実戦あるのみ」
「ちょっと待って下さい。女の子と戦うんですか?」
「そうだ。新人は無茶するなよ」
ギリナの一言で僕はわかった。戦う相手が。
「嫌です。」
「うーん。そうきたか。では、戦わなかったらこの星が滅ぶ、と言ったらどうする?」
「それは・・・」
「新人、言い分は後にしろ。行くぞ」
僕は半端無理やり任務に参加する形になった。
「失礼しました。」
ドアを開閉。
「僕、女となんて戦いたくない。」
「ならどうしたいんだ?」
「一緒に平和を目指せば・・・」
「それは出来ない。」
コトコト
「ギリナ部隊長。待っていました。」
「早く行こうぜ。」
僕の前に現れた2人の男。
「よし。揃ったな。ちなみに紹介しておく。隣にいるのは今日からこの部隊に配属された新人だ。」
「おぉ。新人か。懐かしいなぁ。で、俺の名前はラキ。隣の真面目野郎はタヌキだ」
「タヌキではありません。」
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