Two feelings 2章[蒼い希望]
「中々やるわね」
「当たり前だ。これでも一応副団長をやっているんでな」
新屋田は力強く地面を右足で蹴り、女との距離を一気に縮める。
「β1、鉄質!」
するとレイピアが灰色へと変色する。
「もう、終わりにしましょう。」
「同感だ!」
女はフェアリーハートを3連射する。ハート型の弾丸が新屋田へと向かっていく。
「こんな物は効かん!」
新屋田は弾丸を肩のスレスレで避け、レイピアを回転させながら振るう。
ハート型の弾丸は真っ二つに割れ、減速して地面に落ちる。
「ま、まずいわ」
女はキョロキョロし始める。なにかを探しているのか。
「どこをよそ見している。諦めたのか!」
新屋田は素早く女の後ろに周り込み、レイピアで背中の真ん中辺りを突く。
見事に命中。女の背中を貫通する。
女は地面に伏し、笑みをこぼしながら。
「ここでやられても、まだたくさんいるから。私は・・・お先に失礼させてもらいます。ミララ様。」
女は目を閉じ、動かなくなった。新屋田はレイピアを収め、くるりと回る。
「さぁ、帰るか。」
「待って下さい。」
僕たちA班は戦闘を終えた新屋田に駆け寄る。
「ん、任務場所が近かったのか?」
「そうですね」
「ふん。生意気な。でもな。戦場ではいつも危険がつきまとう。油断だけは絶対するなよ」
「当たり前だ。」
ギリナは表情を緩め、口元がにやける。
(新屋田ってこんなに強かったんだ)
僕は少し新屋田のことを見直した。最初に会った時はお姫様だっこされてびっくりした。ただの変態だと思ってた。
ラキが新屋田に話かける。
「今回の任務は楽勝だったぜ」
「ラキには楽勝だったろうな」
ザッ。
「では、蒼の防衛団基地に帰還する。」
「「はい!」」
新屋田とA班は蒼の防衛団基地へと向かっていった。
ドアをノックする。
「新屋田です。」
「ギリナです。」
「入れ。」
ガチャン。
無事に任務を終えたA班と新屋田は、フェルア団長に戦闘の末を報告した。
「ご苦労様。こんな任務は楽勝だったでしょう。」
新屋田は。
「少し手こずりましたが勝てました。」
「はい。同じくA班も勝てました。」
僕はラキの後ろで話を聞いている。
「今日は疲れたでしょう。休んで下さい。」
「お言葉に甘えされていただきます。フェルア様」
「ありがとうございます。」
新屋田とギリナは頭を下げる。
そのあと、A班と新屋田は部屋を出て、一言交わした後に別れた。
Two feelings
2章 終
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