Two feelings 2章[蒼い希望]
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「ほら、新入りを紹介する!一旦集まれ。」
蒼き防衛団の基地内。新屋田の声が響き、作業などを行っている人が手を止め集まってくる。
「ほら自己紹介しろ。」
「え?意味がわからないよ。」
「名前と意気込みを言うだけだ。簡単だろう」
「そっちじゃない!」
反論は虚しく、新屋田に無視された。蒼き防衛団の人たちが全員集まり、静かになる。
(これ、もう逃げられないよね)
「え、え〜と。その、椎名 遥です。よろしくお願いします」
すると蒼き防衛団の人たちが一斉に拍手する。
「おう!よろしくなー」
「ちびすけ。しっかりやれよ!」
(ちびじゃないし!)
そして新屋田は僕の右肩をポンと叩き、こう言う。
「あとは彼奴らに任せる。わからないことあったら聞いておけ。」
(無責任なッ!)
と思ってしまう僕だが、仕方ない。しぶしぶとその場から離れた。
すると、前方から蒼き防衛団の人が3人僕に近づいてきた。
眼鏡を掛け、歳が60くらいの人。蒼き防衛団の制服は着ていない。
もう1人は、制服の上に白衣を着用している40歳くらいの人。右目が蒼い。
「博士のティナだ。よろしくな」
「医師のルイです。よく会うと思うのでよろしく。」
3人目。どこからどうみても蒼き防衛団の人。20歳くらい。
「蒼き防衛団A班の部隊長、ギリナだ。どこの班に行くかは知らんがよろしく。」
「あの、すいません。御手洗いはどこに?」
「ギリナ。連れてってやれ。」
「ちっ。ティナがそう言うなら仕方ない。ほら、新人。来い。」
「じゃあ私は、患者の治療が残ってるので失礼しますね」
ルイは先早に去っていった。
「ティナさんはこれからどうする?」
「ほう。とりあえず重要書類の見直しですかな。」
「成る程。では頑張って下さい。」
「あの、御手洗いに」
「新人。黙れ。」
(酷い)
ティナも何処かに行き、ギリナと僕だけになる。
「御手洗いに連れてってやる。感謝しろ。そして覚えろ。」
「は、はい」
僕はギリナの後ろをついて行くように歩いた。
「ほら、念願の御手洗いだ」
「ありがとう。じゃあ行ってきます。」
僕は素早くトイレに駆け込んだ。
「助かったー」
その後、用を足した僕はギリナがいる場所へと行った。すると、真剣な顔つきでギリナは話し始める。
「お前の配属だが、フェルア様から先程ご連絡があった。A班の所属だ。足手まといになったら見捨てるから覚悟しておけ」
「そんな無茶言わないで。新人だよ?」
僕はギリナに寂しそうな目で見つめる。
「クズか。お前は」
ガーン。
「ごめんなさい」
「お前の寝るところはA班の宿舎だ。先に行け。」
「わかりません!」
「これだから新人は嫌なんだ」
右後方から新屋田が歩いてきた。口角が上がった優しい表情で。
「ギリナ。椎名とは上手くいきそうか?」
「いらない。」
「ま〜た。また。嘘をつくな。これはいい物だぞ。」
「物ならここに置いておくな。邪魔だ。」
「ギリナ。椎名が泣きそうだ。やめてやれ。」
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