『ペ●スノート』:Page 6「憤怒」
剣と虹空の間に、大きな衝撃が走った。プライドや精神をズタズタにされた今、もはや死神は失う物など何もない、狂気に満ちた遂行者(サイコ・キラー)と化していた。
「馬鹿なっ・・・・!無駄なマネはよせ!そんなことすると、お前、死ぬぞ!」
虹空もこればかりは焦っているみたいだ。でも、死神がペ●スノート使っても、何も問題なくね?別に寿命に差し掛かろうとした相手を救うために原因となる相手を殺すって訳でもあるまいし。・・・・あ、これはあくまでも喩えだよ。喩え話。決して実例があったからとかそういう訳ではないからね。ていうか、ペ●スノートはそもそも人を殺すことはできないからね。
「うるせェ!!!ペ●スノートでおめェらに呪いをかけてッ、んでっ、オレも死ぬッ!!!!!」
ん、やっぱり死神がペ●スノート使うと死ぬのかな?まぁその話はおいておくとして、さすがに剣も自分のペ●スが大きくなることは避けたかった。
「いや、あの、やめましょうよ・・・・。たぶん良いこと起きないですよ・・・・。」
とりあえず優しく諭してみたが、死神には何の効果もなかった。
「うるせェ!!!オレは生前も死神になった後も良いことなんか何一つ起こりやしなかった!!!!!生まれたばかりの赤ん坊だったってのに桃に入れられて川に流されてよォ!!!でオレのこと拾ったゲイカップルから空手チョップくらって脳挫傷ていうクッッソだっせぇ原因で死んでよォ!!!そのあとに『ほもたろう』って墓に書かれたせいで死神に転生した後のオレの名前しばらく『ほもたろう』だったんだぞ??!?!?!ふっざっけんなよォ!!!!!どんだけ色んな神たちにバカにされたと思ってんだよォ!!!!!!!!オレだってリ●ークとかレ●とかかっけぇ名前で転生したかったぞクソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
冷静さを失ったついでに、さりげなく色々なことをカミングアウトしている死神。勿論、虹空は聞き逃さなかった。
「こんだけ『ほもたろう』のお話とリンクしてるってことは・・・・やっぱあなた"ほもたろう"本人じゃん!ヤベェ!ものまね歌合戦でよもやの御本人登場で感激な気分みたいだよ!!」
こんな切羽詰まった(?)状況でも煽り続けるスタンスを貫く虹空。お前ちょっとだまれ。
「ぬっせぇ!!!!!!もうおめェらの煽りを受けるのはまっぴらなんだよォォォォ!!!!!!」
いや、あの僕は決して貴方のことを煽ってなんかいないんですが・・・・と剣は言おうとしたが、怒り狂っている相手に何を言っても、焼き石に水を灌ぐのと同じ。いや、最悪の場合は火に油を注ぐことになるかもしれないので、そっと心の内に留めておくことにした。
「今からおめェらの名前をこのペ●スノートに・・・・!!!」
と、死神が行動を移そうとしたその時である。
「こらーっ!」
何か小さな物体が死神の頭まで跳ね上がり、おもちゃのハンマーらしきモノで頭をPON☆したのである。
「オゥアィエェェ!?!?!?!?!?」
死神は膝をつき、おもちゃのハンマーでたたかれた頭を抱え、疼き声を上げた。あのおもちゃで叩かれてもそこまで痛いとは思えないのだが。
そして、死神が床をゴロゴロしながら痛みに絶句しているときに、ついに死神の頭の叩いた小さい物体の正体が露わになった。何だろう、なんか体中、というか全身がモジャモジャに覆われている。なんかモフモフしてそう。冬場にモフモフしたら何とも良さげな体をしておる。しかもサイズも程よく小さいし。身長に換算するとだいたい40cmくらいだろうか。ともあれ、寒い時にはアレを抱いてぬくぬくとしてたいなぁ。
おもちゃのハンマーを片手に持った全身モフモフな小さな物体は、こう言った。
「死神が勝手に疫病神の道具を使っちゃいけないんだぞー!」
死神は頭を抱えながら、その小さなモフモフBOYに視線を移した。
「ぅぅ・・・・ご、ごめんよぅ。ヌーク・・・・・。」
どうやらこのチビもふもふちゃんは"ヌーク"という名前であるみたいだ。はたして、この"ヌーク"と呼ばれるもふもふっ子ちゃんは何者なのか?そして、死神と"ヌーク"に一体何の関係があるのか!?
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一方同じ頃、三日月の夜空の下で、既に入口を閉めた郵便局の壁に、一人の奇妙な女性が項垂れていた。
「める・・・・める・・・・・めるめるめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
謎の鳴き声を上げながら、この異常女は壁にへばりついたままでいた。
今宵はどこか、CrazySadisticMoonlightFakeShow????
……意味わかんないすよね。
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