『ペ●スノート』:Page 8「哀歌」

2 / 2 ページ

前話: 『ペ●スノート』:Page 7「緊迫」
次話: 『ペ●スノート』:Page 9「怒気」



「・・・・見た感じ、わかりたくもないって顔してるけど・・・・まぁ別にわからなくてもいいよ。予想外の奇想天外エレクトリカル・パレードだもん。すぐ理解しろって方が無理ある。」




虹空は、一度ナイフを水洗し、布巾でナイフを丁寧に拭き始めた。虹空の眼が徐々に鋭さを増してゆく。その姿に、ヌークは恐れをなし、すぐさま死神の背後に隠れた。




そして、虹空は娘撫の脚にナイフの刃物部分を当てた。






「・・・・心配すんなって。悪いようにはしねェよ。・・・・でも、これはオレ達だけの秘密だぜ?」






そう言い放った後、虹空はナイフを振り降ろしたのだった。








#








部屋に戻されてから67分31秒経ち、剣は一先ず正気を戻していた。しかし、妹:娘撫の死への哀しみ、その責任に対する不安と恐怖が和らぐことはなかった。




「これから・・・・どうなるんだろう。」、そのような意味合いの台詞を北陸もしくはガンボジアあたりの訛りを含んだイントネーションで、小3の時に某友人宅へ訪れた際にその友人母が海老がプリントされたTシャツを着ていたのを思い出し、やけに海老のデザインがリアルで気持ちが悪かったなぁという回想を込めるように心の中で呟こうとしたその時である。








「こーんこんこんっ!こんこんこん!あヤベっ、手じゃなくて口でノックしてもうた(笑)」






人が悲哀に暮れている時によくもまぁ狙おうとしてだだスベりしてるネタを披露しようと思ったなコンにゃろうと剣が感じた束の間、扉は勢いよく開かれたのだった。




扉を開けた主は、上野(かみの)君の知り合いの三輪(みのわ)君だった。








「よーっすナイト!元気そうじゃないね!まぁ見りゃわかっか(大爆笑)」




「・・・・なんだよ三輪。挑発してんだったら、キレるぞ・・・・。」




「まぁーまぁーまぁー!別にぼかぁナイトを煽りにキタわけちゃうんすよ。居間で虹空さんが作った料理パーティ開いてっからよ!ナイトも来いよ!」




「・・・・パーティに出たい気分じゃないんだ。(ていうかこんな時にパーティ開くだなんてマジで信じられんねぇ・・・・)」






さすがの三輪君も困惑してきたその時である。








「いや、むしろ今だからこそパーティに出るべきなんじゃないか?」




「あ・・・・神谷(かみや)先輩。・・・・こんばんは。」




神谷(かみや)は、剣がかつて所属していたテニス部の2個上の先輩にあたる。神谷はテニスに関してはそこまで上手くはなかったが、後輩の面倒見はよかった。だが、後輩からの評判は最低であり、事実として、剣がテニス部を辞めた理由の3割は神谷にある。






「おいおいおい、学校外だからって、センパイにそんなぶてぶてしい態度を取るのはよろしくないぞ?もっとシャキッと!ハッキリと!」






場違いな人物の登場が連続し、剣もさすがに堪忍袋の緒が切れそうになったその時である。








「ハハッ、僕もナイトくんにパーティに来てほしいなァ!」




何だか聞いたことある声。そして奥から何処かで見たことのあるシルエット・・・・そう、彼こそが、皆のリーダー:ミツキーマウスだ。




彼の登場と共に、彼のテーマソングが流れてくる。・・・・どこから流してんだ?






「ハハッ、僕ミツキー!今日はナイトくんに元気を出して欲しいから、光の魔法をかけておいたよ!」




「ヤベぇよ!ミツキーマウスが来るとかまじサプライズぱねぇって!!ナイトん家いま夢と魔法の王国状態じゃねえか!!!」




「ミツキーマウスさん以外にもスペシャルなゲストを呼んだんだ。ここはゲストの方たちへの感謝も込めて、パーティに出るべきなんじゃいか?」










全員はっ倒してやろうかと剣は思ったが、拒否をすればする程、喧しい連中が集ってくる状況を何とかして止めたかった。




なので、ついに気が折れた剣は、彼らの要求をのみ、自室からパーティ会場であるリビングへと向かった。

続きのストーリーはこちら!

『ペ●スノート』:Page 9「怒気」

著者の黙考する 『叫』さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。