【知られざる原宿Cawaiiの闇】元ショップ店員が語る、パワハラや低賃金に怯えたブラックな記憶

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とある卸屋へと足を運ぶ機会があった。


・丸襟のカットソー

・アンティーク調ワンピ

・アリス風のスカート


などなど”原宿cawaii”の要素が詰まったアイテムをどんどん購入する

体は小さいけど、とっても心強い店長。。


『店長ならマネージャーにパワハラのこと・・どうにかしてくれないかな・・』


そんな事を思ったわたしは店長へすがる思いで訪ねた。

わたし
あのー、マネージャーの・・きつい口調っていつもなんですか?


店長
あー・・そのこと?

いつもの店長の笑顔が突然引きつったように感じた。

店長
わたしもねー社員になる前に4〜5年くらい色々言われたよ〜。
店長
ほんと変わってるよねえ。気にしなくていいよ!


やはり、最初に聞いた情報と同じ『変わり物』で済ませる店長・・


店長を含め、長年勤めている人は誰もマネージャーのことを

悪く言う人は誰一人いない。


そう、誰も”あの事”に関しては口を開かないのだ。



そして問題はこれだけではない。



本店は限定商品として、質の良い布を使用したオリジナル商品を

多く揃えていることから

商品の値段も、以前在籍していた店舗より何倍も高かった。



イコール、全身お店の服を着用というルールを設けられた

わたしたちスタッフの家計にも響くというわけだ。



お店の売り上げが悪い日は自ら貢献しなければならないし、

何より”全身着用”とルールは安月給の私たちにとってかなり痛手である。



おにぎり1日1個生活やキャベツだけでほぼ1週間過ごす等

地獄のような日々が続いた。


何より自分が働くSHOPの周りには

ビンテージ物のアメコミフィギュアを扱う雑貨屋、

トレンドアイテムを揃えたブランド店・・


一駅先の渋谷へ足を運べば女子が好きそうなコスメSHOP

などなど


とにかく誘惑の多い東京生活の中で過ごす”プチ貧困生活は”

元田舎娘のわたしにとって拷問のほか何者でもなかった。


金銭的な辛さもそうだが、まだまだ続くマネージャーの過度すぎるパワハラ

に精神的苦痛がなりやまない。


『もう嫌だ・・・』

と帰り道、原宿駅のホーム内のベンチでスタッフと一緒に泣いた事もあった。


結局、わたしの同僚は一気に2人辞めてしまい

わたし自身も”原宿アパレル販売員”という生き方に徐々に疑問を持ち始めたのであった。。

わたしが見つけた”本当の幸せ”と輝かしき第二の人生。




仲良しの同僚が辞めてからも

なかなか新しいスタッフも入ってこず

人数はギリギリの状態で休みなくシフトを回し続けていた。


マネージャーのスタッフへの態度は相変わらずで

なんなら同僚が辞めたことに”清々した”と言わんばかりの言動をも

度々耳に挟むことがあった。


もちろん、”海外を飛び回るバイヤー”という重要役、

”原宿のショップを支える”ということは

誰でも簡単には出来ないことである。


仕事ぶりは素晴らしいマネージャーだったが

私を含め、スタッフへのやまないパワハラには

絶対に納得いけなかった。。


わたし自身、徐々に大好きなお洋服への愛情よりも


・いつ起こるかわからないパワハラへの恐怖


・低すぎる給料


そう、これらに対する

”ストレス”や”怒り”という感情が大きく勝るようになってきたのだ。


変わらない現状と自分の感情に対し、

強い”限界”を感じてきたある日のこと・・。


わたし自身、自分の胸に手を当てて問いかけてみた。


『わたしが求めていた原宿LIFEは本当にこれだったの?』、と。


”赤い自転車でシアトル系カフェのカップ片手に原宿中をサイクリング”

”仕事帰りにおいしいアメリカンハンバーガーショップに立ち寄る”


などなど子供の頃から読んでいた、読者モデルの原宿LIFE。


実際に原宿ショップ店員になってみて、

そんな優雅な生活を行うための余裕なんて正直1度もなかった。


そして大人になった今考えると・・


きっと読者モデルらも

実は裏側ではわたしと同じく過酷な生活を送っていたのかもしれない。


そう、雑誌の世界とは極めて非現実的であり、

どこか闇を抱えるこの日本に

”心の癒し”や”夢を与えるべく”存在しているのだから。


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