母がアルコール依存症だと気づいてから10日間地獄を見た話。初日。
スーパーに行きたいというので一緒に行くことにした。
スーパーでの奇行
スーパーに入ると真っ先にお酒コーナーに行く母がいた。
そしていつもは飲まないウイスキーを買ってきたので私はびっくりした。
母はだいたい日本酒とビールが主で、ウイスキーを飲む姿は見たことがなかったからだ。
それから食材を買おうとしても、もう帰ると言う。
あんたのだけ買いなさい。
早く帰って血圧の薬を飲ませようと思った。
きっと体調が悪いんだろうと思っていた。
自分が食べるためのお惣菜を選んでいると、母がまたいなくなった。
母は喫煙者だったので、タバコを吸いに行ったのかもしれないと思った。
会計を済ませ、母を探すがいない。
散々スーパーを探しまわったあげく、またお酒コーナーにいた。
ビールを買うと言う。
わたしは本当にお金がなかった。
ビールを買えば明日からの食事に困ることになるからだ。
急に家に来たかと思えば薬が無いだのビールを買えだの何なんだ、
とイライラした。
体調悪いんやないんかいな?
早く家に帰ろうね。
とさっきまで心配していたのが無駄やったなと思ってアホらしくなった。
詳しいことは何も言わないし、変な動きするから周囲の目が恥ずかしくて、
そういうのがうっとうしくてずっとイラついていた。
冷静に物事が見れなくなっていた。
今思えば母は十分おかしかった。
なのに私はとにかく早く実家に帰らせようとばかりを考えていた。
そしてまた居なくなった
スーパーから帰るとウイスキーをちびちび飲んではまたベランダに出ていた。
蚊が入るからベランダに出るのはやめてもらった。
不服そうだった。
ご飯を食べてから私は勉強した。
母は私の背後でウイスキーを飲んでいた。
何も食べない。
ただ飲む。
血圧の薬を飲んだからか、落ち着いているように見えた。
しかし本当は酒を飲んだから落ち着いていただけだった。
今夜はパイプベットに二人で寝るしかないなあ…狭いな。
床で寝るか…。
と考えたりしていたら、母がベットでぐうぐう寝ていた。
数時間すると突然起きた。
気づけば日付が変わろうとしていた。
母はまたウイスキーを座って飲み出した。
座った母の背後にあるベットに横になりながら、
しばらくとりとめのない話をしていると私は眠くなっていつの間にか寝てしまっていた。
数時間後、4時頃だったと思う。
ふと目が覚めると、母が居なくなっていた。
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