フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第6話

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前編: フツーの女子大生だった私の転落と波乱に満ちた半生の記録 第5話
後編: フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第7話

堕ちていく

《これまでのあらすじ》  初めて読む方へ

大学生の篠田桃子は携帯と財布を失くしてから人生が狂い始める。携帯のみ拾ったという佐々木という柄に悪い男とその恋人、玲子からお金を借り、彼女たちの勧めもあってショーパブ「パテオ」で働くことになった。でも初日から、ダンスレッスンについていけないは、客にセクハラまがいのことをされるはでショックの桃子だったが、全て割り切ろうと思い直すのであった。


昨夜も私は『パテオ』へ行った。

レッスンにはやっぱりついていけず、ダンス講師に幾度も名指しで注意された。


「杏さん、足上がってない。ちゃんと音聴いて」


女の子たちの何人かは既に私をお荷物扱いするようになった。

音楽が止まるたびに

「またかよー」「進まないじゃん」と

聞えよがしに文句を言った。


接客の方は意外と早く慣れた。

口下手はどうしようもないが

まず、客の呼吸に合わせることを学んだ。

いいところで目を見開いて大げさに頷いてみたり

さも可笑しそうに笑ってみたり

そんな私の下手な芝居に単純な男達は大喜びしていた。

もちろん私の本音は嬉しくもおかしくもなかった。

次はどんなリアクションをしてやろうかだけ考えていた。

実際は聞きもしないのに勝手に自慢話する客が多いので

だいぶ助かった。

初日のような露骨なお触りはなかったが

肩を組まれたり、顔を近づけてきたり

やたらと下ネタを連発して女の子の反応を面白がる客もいた。

一緒についていた女の子たちはキャ〜キャ〜手を叩いて喜んでいた。

ホラね、慣れれば大したことじゃない。

私はいつもそう思うようにしていた。





今夜は最後の居酒屋でのバイトに行った。

閉店まであとわずかとあって

ホール内の客は既にまばらだ。

私はテーブルの上のグラスや皿を片付けていた。

「手伝います」と言って

先月入ったばかりの永沢という女の子が台布巾を持ってやってきた。

確か同じ大学の1年生だ。

みんなの読んで良かった!