世界47カ国女子バックパッカーができるまで(6)
決意
ある晴れた秋晴れの土曜日、大阪中の島のとある商業ビルの中でその無料説明会は行われた。
エレベーターを降りて会議室前にゆき、おそるおそる周りを見渡すと参加者は年代も様々。初老の男性もいればまだ茶髪で若い高校生のような女子もいる。中には親を同伴している女の子もいた。
私はなんだか、ほっとしたような気持になった。ここにいる皆は、皆が皆何か新しいことを始めたいと思ってやってきている、少なくとも今の自分を変えたいと思っている。自分の仲間が目の前にいるということに安心したのだった。
スーツを着た司会の男性が話を始め、皆が一斉に彼に注目した。
ふっと会議室の照明が暗くなり、一番前のスクリーンに映像が映りだす。それは海外の学校や景色の中で子供と触れ合う一般の女性の姿や若い男性の姿で、皆子供たちに囲まれて笑顔になっている姿だった。
数分間のビデオであったけれども、明るい曲とともに流されたその映像はそこに座っていた参加者が憧れや夢のような気持ちを持つには十分だった。
その後は司会者の流れで、
実際にそのプログラムを使ってボランティア教師をしてきたという女性と男性の体験談を聞いた。彼らはわざわざ私達のためにこうして体験談を語りに来てくれたのだ。私は、話を聞きながらどこか自分もこうして彼らの側に立って話たいというふうに思っていた。
最後に渡航プログラムの費用について説明があり、提示された金額は200万円。さらに現地での語学学校代は別に150万円かかるのだそうだ。
『世界で日本の文化を教える』表立っては聞こえいいけれども、単純には名目を変えた私費留学だ。
、ふと気が付いて、私は少し考えた。自分にはこんな大金はない。
でも、そうだったのに会場を出るときに決意だけはもうしている自分がいた。
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