フツーの女子大生だった私の転落の始まりと波乱に満ちた半生の記録 第14話

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「おい、なんだよ。アンタ。いるなら言ってくれよ」


「何、してるの。ミホはどこにいるの?」



大野は、ふっと疲れたように笑い私から目を逸らした。



「あんたのことでミホがアキナと揉めて店追い出されたの

 知ってるよね?」


「あ、それ俺休みだったから、ダチから聞いたよ。

アイツ派手にやったらしいね」


まるで他人事のように言ってのける大野を私は睨みつけた。


「今夜のことは知ってるでしょ?アキナに何があったのか」


「ああ、すごかったよな。なんか化粧水の中に硫酸が混入されてたんだって!?

でさ、俺、恐いからこれ以上関わりたくないんだわ。奴らに」


「はあ!?」



私は呆れと怒りの表情で大野を見た。



「そんな恐い顔しないでよ。なんで俺がアンタから

恨みを買わないといけないわけ?」


「ことの発端はあんたが二股かけてたからでしょう?

ミホと暮らしてるくせにアキナとも付き合ってたんでしょ?!」


「あのな、アンタだって気がついてたんじゃねえの?

ここに泊まりに来てたろ?そん時俺が誰と何してるかくらい

そーゆうこと、ミホと話したりしなかったわけ?」



私は、言葉が出てこなかった。


言われてみれば私が泊まる日この男がどこにいるか


考えたこともなかった。



「だってミホ…すごく幸せそうにアンタの話してたから…」



私の言葉にも大野は、我関せずといったふうに


部屋内の私物を探してはバッグに放り込んでいる。



私は、そのそっけない大野の態度を呆然と眺めながら思った。


もしかして



ミホは気がついていたのかもしれない。


この男の裏切りを。


でも信じていたいから


私にいい想い出だけ話すことで


それを見て見ぬフリしたかったのかもしれない。



でもアキナに暴露されて


ミホの中で何かがぶっ壊れちゃったんだ…


きっと…そうだ。



ぼうっと突っ立っている私をよそに


大野は荷物をまとめ終え



「じゃ、俺もう行くから」


と眠たそうな声で言った。

そしてヒョイとバッグを持ち上げると


玄関に降りた。


「ちょっと待って」


私の声は少しかすれていた。


「あ?まだなんかあんの?」


大野が露骨に迷惑そうな顔で振り返った。



「ミホのこともアキナのことも両方遊びだったの?」


「さあね。遊びか本気かなんてさ、いちいち

分けて付き合ったりしないだろう」


確かにそれはそうかもしれない。


でもこの男の顔を見れば一目瞭然だった。


こいつの目は誰かを愛している目じゃなかった。


人に恋い焦がれる目、



そうだった。

ミホの目はいつも私にそう語っていたっけ。



「とにかくさ、昨夜のことがマジであいつがやったんなら

俺みたいな店クビになるどころの話じゃねえ、

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