子会社を作ることになった2006年秋

前話: 社会的信用と世の中的なロン毛と金髪のイメージの話
有限から株式会社に変更し、資本金もどどーんと積んだ。資本金が増えたのでWebサイトの資本金欄を書き換えたところ、いろんなオトナの方々からご連絡を頂くようになりました。前述の某信金からは未だに信用されなかったものの、世の中的には認知度、信頼度が上がっていってる事を実感しました。


その頃、会社は事業を拡大すべく、人員の拡充に力を入れていました。そして、元々は取引先の担当者であった営業の某氏が入社する運びとなった。某氏は前職に勤務中に上場を体験し、その過程で有益だったと感じた事などを僕達に伝えようとしていた。会社はそれまでの「クリエイター集団」から「会社」に変わりゆく途中であり、そういった考えは新鮮であった。

営業の人が入った事によって、僕達は一つのサービスを事業化することにした。巷でニーズが高まっていたSEO対策のサービス。

その頃、「SEO」と検索すると不動の1位にいたサイトを保有していたが、事業化はしていなかった。創業以来コンシューマ向けサービスに特化して、そしてこだわってやってきました。しかし、取引先などから「SEO」をやってくれという要望が数多くくるようになり、試しに1件受けてみたらお客様より非常に感謝された。感謝されるのは嬉しいもの。それなら真剣に事業化しようか、という事になった。法人様が基本ターゲットとなるこの事業を某氏にやってもらうことにした。

1,2ヶ月経ち、社長が「やっぱりサムライはコンシューマーに特化し、SEOは子会社化した方がいいような気がする」と言った。僕は基本的にそれに賛同した。「顧客は誰か?」じゃないけど、自分が見ている方向を集中することにはメリットがあると感じた。子会社設立に向けて動き出した。

いざ子会社を作るに当たって代表者をどうしようかという議論になった。前述の営業の某氏に任せるという選択肢が一番現実的ではあった。事業を既に担ってもらっているし、BtoBの経験も僕達より豊富である。しかし、最終的に僕が代表者になることになった。自ら手を挙げた。

会社としては僕が代表になることによるメリットとして「子会社といえ、サムライのビジョンを共有しないといけない。それができそう。」であったり「施策担当者、技術者が代表になることによるブランディング」などなどあったと思う。そういうのもあるだろう。しかし、どちらかというと新会社代表に挙手した動機は他にあった。


これまでずっと取締役として社長のサポートを主にやってきた。会社が小さいうちはこれで良いかもしれない。しかし、これから会社が大きくなっていく中で、取締役はそれぞれ独り立ちしていかないといけないと思った。社長に依存した形では会社がスケールしない。ここらへんで僕ももう一段上に上がる必要がある。そう強く思っていて、新会社代表に挙手した。本体社長には「新会社の役員には入らないでほしい」と伝え、了承された。



96年9月に子会社は無事に設立されたが、営業某氏は子会社設立から1ヶ月ほどで会社を去っていった。そのため、子会社には事実上僕と本体から移籍してきた女性のアシスタント二人となった。忙しかったが、売上も上がり、充実した時間を過ごせた。もっともその数ヶ月後に僕は子会社代表を辞して、本体に再び戻ることとなったのだが・・・。



最後に、この時期に嬉しかった思い出を一つ。

子会社に所属していた僕以外のもう一人である女性社員。彼女は7月にウチの会社に転職してきた。彼女の前職の上司がウチに転職するのに伴って、巻き込まれた感じで転職してきた。その女性は新卒で前職に入社し、その数ヶ月後にウチに転職してきた。そして、最初はユーザーサポートなどをやってもらっていたが、子会社設立に伴い営業アシスタントとして移籍してもらった。

「安定したキャリアを歩ませてあげたいんだけど、振り回してしまった悪いなぁ・・・」という気持ちを彼女に抱いていた。とは言え、几帳面な性格な女性なので、大雑把な僕との補完性を考えて引っ張ってしまった。

ある日、業務の合間に「ウチに転職してきて、数ヶ月。いろいろ部署が変わってしまってるけど、どう?転職して良かった?」って聞いてみた。そしたら彼女は「本当に良かったです!!」と満面の笑みで答えてくれた。何だか背負っていた何かが軽くなった気がした。みんなが働いてて幸せな環境を作る事ができていることに嬉しい気持ちになった。

それから約7年が経つ今でも彼女はウチでバリバリと働いています。当時と業務は違うけど、今の業務は彼女に合ってると思う。


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