第七章 小さい子を連れて海外でアート制作できるのか~100人の親をもつ子どもについて考える
2017年1月11日から地球2周めアートの旅に出ています。
(6の上海編がないまま7のデンマークを書いています)
2018年6月現在、
2017年
1月 ロサンゼルス
2月 ニューヨーク
3~5月 フィンランド(トゥルク)
4~6月 ルーマニア
9、10月 フィンランド(マンッタ)
11~翌年5月 上海
2018
5~6月 デンマーク
6~7月 フランス →イマココ
8~10月 韓国
海外のアートプログラム、アーティスト・イン・レジデンスに参加して、各国を転々としているアーティストのOumaです、こんにちは。
私が応募しているのは無料滞在できるレジデンスなので、3週間~最大6ヶ月の間、現地ではタダで宿泊しています。さらに専用アトリエ付き。
レジデンスのプログラムは条件もさまざまですが、基本的にアーティストの裁量に任されているので、滞在中に違う国に旅行に行ってしまうことも可能です(もちろん不可のところもある)。
まとまった期間滞在することになるので、「旅行」というよりは、「暮らす」に近い旅ができます。現地の人のおうちに遊びに行ったり、仕事を手伝ったり。
何歳になっても、たまにはこういう生活をし続けられるといいなって思いますが、現実問題として、子どもができても継続できるものでしょうか。
レジデンスによっては、数は少ないですがパートナーや家族(子どもも可能)が一緒に滞在することができる場所もあります。しかし、実際に小さい子どもがいた場合、制作しながら子どもの面倒もみるなんてことが、本当に可能なんでしょうか。
なんと、デンマークで実際にそういう生活をしているアーティストさんに出会いました。
彼女はデンマークのプログラムに3か月間参加しているアーティストで、アメリカ在住。
プログラムには2~3歳くらいの子どもを連れて参加していて、彼女が制作している間は継母さんがお子さんの面倒を見ていました。
3人のアーティストが1軒家に住むようなスタイルのレジデンスで、部屋は割と広かったです。その1部屋に継母さんと子どもと彼女が一緒に住んでた感じ。
私たちは彼女たちと同居することになるので、一緒に生活する上で不便な点などあったかというと、さほど気になるほどではなく。もちろん、人数が多いので、キッチンを使うタイミングをずらさないといけないとか、シャワールームを使えるまで待つ時間が長いとか、時間が被って待つ必要がある時はありました。
しかし、お互いの生活時間が分かると自然に自分たちで時間調整をするようになります。また、人数が多い分、継母さんが気を使って共有スペースをきれいにしたり、ゴミ出しをしてくれたり。レジデンスは掃除の人がいるところや、トイレットペーパーなど共用のものをレジデンス側が負担してくれるところなどがありますが、ここはアーティスト負担だったのです。アーティストの裁量に任されているレジデンスの場合、起こりやすい問題は「みんなが使うトイレットペーパーをあの子だけ買わない」「使った後にちゃんと掃除しない」。シェアハウスでありがちな問題と同じです笑。
でもこの時は継母さんたちが主に掃除や共用品の購入をしてくれていたので、自分たちの負担はほとんどなかったです。それに、帰ってから小さな子どもが笑顔で迎えてくれるというのもなかなかいいもの。一階でごはんを食べてると「うあー」って言いながらニコニコ寄ってきてくれたりして。
子どもが夜泣きすることもありましたが、私はどんな状況でも割と寝られる方なのでそれもあまり気にならず。そしてレジデンスは長くてもせいぜい3か月(私のデンマーク滞在は3週間)。1年つづくとなるとイライラしてしまうところもあるかもしれないですが、もともと短期で終わりが分かっているので、自分にストレスはあまりかからないのです。
結婚したから、子どもができたから、違う仕事に就いたから。
理由はいろいろあれど、自分がやりたかったことを何かの理由のために先延ばしにするのは残念ですよね。特に子どもは数か月で育て終わるわけじゃないですから。
お世話はありますが、継母さんもこれを機に違う国でしばらく暮らせて、生活も楽しんでいたよう。(もともとの自分の家はAirbnbで貸し出してたみたいですし)
彼女の場合は、身内に手伝ってくれる人がいました。
でも、もしも両親も兄弟も親せきもなく、頼れる身内やパートナーがいない場合、やはり諦めざるを得ないものでしょうか。
そこでちょっと考えたのです。
世の中に、1ヵ月だけ、あるいは1週間だけ子どもの世話をしたいなっていう人いないかなと。
同じくらいの子どもがいるから、一緒に預かるよとか。
子どもが大きくなってすでに手離れしたけど、もう一度小さい子を育ててみたいとか。
一度も子どもを育てたことないけど、一度そういう経験をしてみたいとか。
あるいは保育士さんを目指している学生さんとか。
子どもを産むか悩んでいる人で、実際に育てる体験をしてみたいとか。
子どもが小学校高学年とか中学生とかそこそこ大きくなってて、しばらく留守にもできる旅好きのママとか。
もちろん、信頼できる人でないと預けられないけど、「血の繋がり」のない人、友だちでも恋人でもない人のご縁で、子どもに血の繋がりのない親兄弟をつくる。
子どもは100人の親と100人の兄弟ができる。
親は100人の子どもの親になる。
物理的に離れてたとしても、今はネットがあれば顔を見てリアルタイムに会話もできますし。直接触れることはできないけど、「触れる」感覚をリアルに再現する技術はすでにあります。
▼遠くのあの子にも触れちゃう!?「触覚」をリアルに伝える革命的技術
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52456?page=2
(これ、さらに技術が発展したら、売春ゼロにできるんじゃないかな。「リアルな感覚」を合法的に安く安全に得られるということで(V)o¥o(V)
みんなでちょっとずつ育て合うようなゆるやかな家族ってつくれないだろうかって。
育っていく子の人生を両親だけで全部抱えるのってすごくプレッシャーでもあると思うのです。
私は怖いです。
自分の子どもが人を傷つけたりしないかなとか、なんかの犯罪に巻き込まれたりしないかなとか。
それを想像するだけでも、今、「親」をやっている人はすごいなって思うのです。
私の子どもを、自分の子どものように思ってくれる人が99人いることが実感できたら、それだけで気持ちが少し軽くなるような気がします。
とはいえ、私はまだ子どもを育てたことはないので笑。
どうなんでしょう、自分の子どもは自分だけで育てたい!と思うものでしょうか。
子どものことだけでなく、いきなり事故に遭うとか病気になるとか、家族の介護が必要になったとか。自分以外の環境が激変した場合、今までやってきたことを諦めずに、別の形で実現する方法があるといいですよね。
そうなった時、自分が世の中にちょっとだけ貢献できることってなんだろう。
今はまず、世界の誰かをほんのちょっぴり喜ばすことをつづけています。
▼Oumaの旅暮らしはみじんこブログで
▼活動を応援してくれる奇特な方はこちらのみじんこショップをチェック
http://mijinco.base.ec/
世界の空気をほんのり味わえます^^。
著者の小俣 智子さんに人生相談を申込む
著者の小俣 智子さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます