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「万引き家族」を観た!!(ネタバレ無し)

「万引き家族」を観た!!(ネタバレ無し)


先月は「アベンジャーズ」を始めとする大作映画を立て続けに鑑賞し、お腹いっぱい状態。


やっとそれが落ち着いた矢先、あるニュースが世界中を駆け巡った。
 

それが「是枝監督、パルム・ドール受賞」である。
 

僕がそのニュースを聞いた時に、真っ先に思ったのが「あれ?まだ取ってなかったんだ」であった。
 

是枝監督といえば海外の映画祭では常連の監督で、これまでに様々な賞を受賞している実力派。
 

過去に取ったよな?とネットで調べると、それは2013年「そして父になる」での審査員賞受賞であり、今回のカンヌ国際映画祭で最高賞となるパルム・ドールは初受賞であった。
 

さらに日本人の受賞は今村昌平監督による「うなぎ」以来21年ぶりとのこと。
 

そりゃマスコミも騒ぐわけである。
 

そんな「パルム・ドール」効果もあり現在も劇場で大ヒット中。
 

こうなるとどんな映画なのか確認したくなり先週劇場に行ってきた。
 

この映画の印象を僕流に言わせてもらうと、それはずばり「是枝版アベンジャーズ」である。
 

それぞれの特殊能力を備えたヒーローが一致団結し、巨悪と戦うのがハリウッドのアベンジャーズだが、是枝監督のアベンジャーズ、題して「万引き家族」は、各々が悲しい過去、体と心の傷を背負い、互いが一つの家族になることで「幸せ」を目指す、それが彼らの目的である。

 

この映画に出てくる彼らにとっての「巨悪」は「万引き」、ではなく、それをさせる社会そのもの。
 

貧困、非正規、派遣、不登校、育児放棄、解雇、もはやこの日本では当たり前に聞くものばかりだ。
 

映画を観た自分自身の人生において、これらは割と身近な事ばかりで、他人事でないだけに、観ていてとても重苦しく、ひどく切ない気持ちになっていた。
 

おそらくほとんど方は「幸せになりたい」と願い日々生きていると思う。 
 

逆にわざわざ不幸になるための努力をしている人はいないであろう。
 

誰もが幸せになる方法を探している。時にたとえそれが真っ当なモノでなくてもだ。
 

この映画の家族は「幸せ」になる彼らなりの手段として「犯罪」を行っているだけなのだ。
 

しかし物語の中盤でこの手段に疑問を持ったある一人の人物により、この家族は崩壊していく。
 

この映画は大作映画のように、ラストに明確な答えはポンとは出てはこない。もしかしたら幸せな結末なのかもしれないし、そうでないかも知れない。
 

一般のメジャー大作映画が、用意されてる答えを最後に教えてくれる「クイズ」であるならば、パルム・ドール受賞のこの映画は、いわば監督からの「公開質問状」。
 

自分が思ったことが、そのまま答えになる。
 

ラストカット、登場人物が見つめるもの。僕はそれが「希望」であってほしいと強く思った。
皆さんはどう感じられるだろうか?
 

今回そんな「万引き家族」がヒットしている事は、映画の見方が広がるという意味でも非常に嬉しいことだと思う。
 

今の日本の歪みを描いた映画「万引き家族」。
この映画を鑑賞して、この家族の生き方に全く共感出来ない方は、皮肉でなく現状とても幸せな方なのかもしれない。
 

自分の幸せ度が気になる方はぜひ劇場で御覧ください。
 

追記
ネットでこの映画が「犯罪を肯定している」という意見をいくつかみた。
そんな方々はぜひ「シン・ゴジラ」を観て「動物虐待を肯定している」とか言っていただきたい。


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大学&中高で働くコストパフォーマンスに優れたハイブリット職員。映画とB’zとエヴァと筋少、そしてサントラを愛する自称映像クリエーターの自称インチキクリスチャン。

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