スイスへ嫁ぎ、遠くで思う父と母が教えてくれたこと

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と言う友達からの問いに、意気込んで臨み、


「キツネ」

「フォックス!」


「靴下」

「ソックス!」


「数字の6

「シックス!」


「じゃあアレは?」(エロいトーンで)

「セックス!」

「ブッブー!“ザット”でした。」


と言われた時ぐらいの、こっ恥ずかしさはあるでしょう。

幼稚園児といえども侮れない!

まんまと罠にはまってしまったアラ古希のばあばなのでした。


********************

ついつい手を抜いて適当にあしらってしまう子供からのなぞなぞ。

そんな空気を読んでか、出題側の子供も問題を作ることに段々喜びを見つけられなくなり、知恵を絞った出題をしなくなってきます。

ばあばの本気の戦いに、ペマコも知恵を絞ってばあばをワナにかけたのでしょう。

対応する側の大人が小さなことにも力を抜かないことが、子供の力や創造力を伸ばすという事を学んだのでした。

・・・マシンガンのような下ネタアンサーは、聞いている周りの大人がビックリでしたが。


【9.強くなるという事を教えてくれた母】

暑い夏の風物詩といえば、幽霊やお化け。

幼いながらもお化けの怖さを知っているらしく、何かにつけてお化けをコワがる我が子達。

夏に滞在してい私の実家でも、何の話の繋がりからか、お化けの話になり、


「コワイ!コワイ!」


と騒ぎまくる子供達。

そこで、ばあばこと私の母が


「お化けなんて怖くないよ!」 


と一言。

「なんで?なんで?」期のペマコ。

早速ばあばに、


「なんで?なんで怖くないの?」


と質問をぶつけます。

対するばあば、


:「ばあば、強いから」


:「おじいさんやおばあさんは強くないでしょっ!どうしてばあばは強いの?」


日本を支えてきたお年寄りになんて事言うんだ、ペマコ!

そんなペマコに、ばあばからのアンサーは。。。


「お迎えが近いから」


!!


なんなんだ!

この、間違ってるんだか間違ってないんだか分かんないけど、妙に説得力がある回答は!

しかし、ペマコには難しすぎるようで、煙に巻かれた状態にて終了。

近い将来、ペマコが強い人間に育ち、その強さの源をから問われた時に、


「お迎えが近いからね!」


などと、ウインクをかましながら答えなければいいのですが。。。

子供達の日本語学習の難しさを日々体感している私には、ちょっと心配になった、ばあばとペマコの舌戦なのでした。


*******************

『お迎えが近いから強い』

という母の言葉。

これはお化けに対して強くなれるという事なのでしょうが。。。

その時期が近い・遠いにかかわらず、いつかは皆お迎えが来るんです。

多少のイヤなことがあってもいつかお迎えが来て、しかるべき場所に行ったらきっと忘れているんだろうな。

そう思うと、限りある人生、イヤなことに意識を向けるよりも楽しいことに意識を向け、メンタルを強くして生きていこう。
そう思った母の言葉なのでした。


【10.おわりに】

普段、滅多に泣かない母。

それは、私が一時滞在を終えて日本からスイスに帰る時でも。

父は私達がスイスに帰る数日前から泣いているので、それを見て母と私の二人で笑うのが我が家のお決まりの風景なんです。(鬼)

しかし、ここ数年、私が日本からスイスに帰る時になると母大号泣。

絞り出すように、


「してあげたかった事、何もしてあげられなかった。ごめんね。」

「作ってあげたかった料理もちゃんと作れなかった。」


と、しゃくりあげながら言う母

私からしてみれば、毎日私の好きな食事を作ってくれたり、一緒にお買い物に付き合ってくれたり、子供達の面倒を見てくれたりと、毎度十分過ぎるほどの事をしてくれ母。

そんな母の言葉を聞くと、私も涙が止まりません。

数年前、妹から


「両親も70歳近いから、10年後はいないかもしれない事を覚悟しておかないといけないよ」


と言われたんです。

それは私も遠く離れた地に嫁いでから、帰省する度に、


「次回もみんな元気で会えるかな」

「あと生きてるうちに、何回父や母と会えるだろう」


と、うっすらと考えている事。

まだ「あと○年」といった具体的な事など考えたくない。

そのことに関しては自分の中で蓋をしていたところもあった私。

妹からの言葉は、自分が思っていた以上にショックが強く。。

この数年は、日本の帰省からスイスに到着すると両親の事を考え、眠れない私。

夜中にすすり泣く私の鼻水の音に、寝ていた家族全員が起床することも。

長旅で疲れてるハズの、幼いペマコやタマオに「大丈夫?」と心配される始末。

いい歳こいて、完全なるホームシックです。

家族は近くにいると当たり前に感じ、遠く離れてそのありがたみを知るものなのかもしれません。

両親と私の時間

子供達と私の時間

ダンナ様と私の時間

あと、どれぐらい残されているのかは誰にも分からないこと。

特別な事がなくても、家族と笑顔で一緒に過ごせる時間があるという事は、この上なく幸せな事なのかもしれません。

そう思うと、


「何でもないような事が幸せだったと思う」 


という虎舞竜の『ロード』も、今ならI got itな気分で受け入れる事ができそう。

5章まであるのは、ちょっとやり過ぎな気もしますが。。。

日々の「なんでもないような事」に感謝しつつ、丁寧に生きていきたい。

そして、父や母が私に与えてくれた愛情・教えを大切に、今度は自分の子供たちにその愛を受け継いでいきたいと思います。

20193


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