こういう色んな人たちの優しさが、当時の僕には大きな支えになっていました。
一人じゃない。不登校の僕をみんなが応援してくれているのです。
彼らのためにも何としても合格したいと思い、より勉強に力が入ったのです。
いよいよ本番!!
丸坊主にした真夏、
中学一年生のドリルから始め、勉強に没頭した秋、
時が過ぎ12月。季節は冬へと変わりました。
髪の毛もすっかり伸びてしまいました。
鏡を見て、「二度と坊主にはしない」と思いました。
試験本番がやってきたのです。
行きの電車で「合格したらこの通学路なのか」と考えながら単語帳を見ていました。
不思議なことに僕は自信しかありませんでした。
落ちるという未来の想像ができません。
ちなみに落ちた場合は、高校の再受験にシフトチェンジし、
一個下の子たちと一緒に2月に高校受験を受ける予定でした。
そんな状況であるのに、僕にあるのは自信のみ。心配はありませんでした。
それだけ努力してきたからです。
合格発表は試験後すぐにあり、合格の場合そのまま手続きがあるといわれ
両親も朝から高校の近くでスタンバイしておりました。
僕よりも緊張していたと思います。(笑)
通されたのはとある教室。
広い教室に僕一人だけが座ります。
一年前の僕は、この姿が想像できたでしょうか。
強豪校でバスケで活躍している未来を考えていました。
現実は、なんと不登校になり都立高校の編入試験を受けようとしています。
人生何が起きるか本当にわかりません。
でもこの決断が必ず正しかったと僕は証明したかったのです。
「始め!」
・
・
・
・
「やめ!」
試験の手応えはありませんでした。
でもこれまでやり切ってきた結果です。後は自分を信じるのみ。
その後僕は面接会場に向かい、面接を行いました
「なぜ転校するのか」「前の学校で何があったか」「どんな人柄か」
色んなことを聞かれました。
短い時間でしたが、少しでも僕の事を知ってもらうよう必死に話しました。
そして再度試験を受けた会場に戻り、
「採点をしていますので、少々お待ちください。」
と言われ、教室で待機していました。
少々お待ちください?何分経ったのでしょうか。
この時間があまりにも長く感じました。
校庭からは部活中の生徒の声が聞こえます。
試験が終わった僕はやることが無く、ただただ部屋をうろうろしたり、
校庭を眺めていました。
1時間程度でしょうか、、、
それほどの時間がたち、扉が開きました。
「合否を一階のロビーに掲載しておりますので、ご確認ください。」
「え?」
「合格の場合は、掲示板に受験番号が記載されております。その場合は手続きがありますので、受付へお越しください。そうでない場合は受験番号が記載されておりません。そのままお帰り頂いて大丈夫です。」
僕は荷物を持ち、1階へと降りていきます。