【2013年、MTB全日本選手権DHIマスターズ】それでも前を向こう

前話: 【2013年、MTB全日本選手権DHIマスターズ】ヘルメットが割れるほどの転倒

7月21日(日)

レース当日です。気持ちはまだしっかりと前に向くことは出来ませんが、準備を始めます。
まず、コースを歩いてみることにしました。攻略出来ていないステップダウンのラインを確認します。止まっていれば、素直に行けるラインが見えます。そして、もう一カ所のドロップオフも自分の脚で飛び降りてみました。この二カ所が攻落出来れば、かなりの成績を残す事ができるはずです。
車に戻ると、B.aメソッドでなるべく身体をほぐし、装備を付けていきます。
朝の試走は一時間。3本から4本は走れる時間だと思います。とりあえず、搬送の軽トラックに乗り込み、スタート地点に向かいます。
一本目、ステップダウンもドロップオフも迂回します。
二本目も攻略出来ませんでした。
二本目のゴール地点で、背中の鈍痛に耐えられずピットに戻ります。落ち着いたら、もう一本走ろうと、その時は考えて居ましたが、ピットに着いたときに、このまま決勝に向かおうと考えを改めました。背中の痛みを抑えることが先だと考えたのです。
決勝のスタートまで3時間以上有ります。すべての装備を脱ぎ、簡単な食事を取ってから少し寝ました。
思ったよりもスッキリと目覚めました。寝たおかげで気持ちも少し切り替わったようです。痛みは無くなってはいませんが、後一本走るのには耐えてくれそうです。
スタート地点に登って、自分の時間を待ちます。
なんだかいつもより自分の時間が回ってくるのが早く感じます。ギアがスタート予定の所に収まっているのを確認すると、スタート台へとバイクを押し上げます。ゴーグルをはめ、シューズをペダルに固定する金具をはめ込みます。
目の前をふさいでいたスタッフの腕がどき、クリアになりました。
スタート。
最初のシングルジャンプはしっかりと速度を落とし、なるべくそっと越えます。それでも、背骨に衝撃が入り一瞬呼吸が止まります。ですが、この後のダブル、シングルと続くジャンプでは痛みを感じませんでした。
アスファルトへ下る、高速のセクション。
続く、フラットのペダリングセクション。
この先にステップダウンがあります。少しだけ余裕を持って進入すると、歩いて下見したラインが見えます。ふわっとバックサイドに降り、バイクが加速してくれました。攻略出来ました。
そうすると、今までゆっくりしか進入していなかったテーブルトップを、勢いだけでものすごいスピードで駆け上がり、飛び出しました。この練習が出来ていなかったので、びっくりしましたがなんとか速度を殺さずに、二個目のテーブルトップに進入することが出来ました。どちらも上手く行ったとは言えませんが、今回の中では一番の出来。
そして、緩い登りのペダリングセクションを漕ぎ抜けます。
ここまでは大丈夫。漕ぎ抜けた先にドロップオフがありますが、ここはエスケープルートに逃げました。以前は得意だと思っていたセクションですが、富士見パノラマのレースで前転してしまって顔から着地して以来、まだ攻略出来ていない地形なのです。背骨に入る衝撃も不安だったので、今回は諦めました。次は、必ず攻略します。
舗装路の脇を漕ぎ抜け、タイミングを合わせて斜面を駆け下ります。若いライダー達はここをジャンプのように飛んでいきます。同じ地形にどんなルートをイメージすることが出来るのか、を問われるのです。
最後のシングルトラックセクション。少しオーバースピードながらもコントロール出来、最近ようやくこなせるようになった川越えのキャニオンジャンプを飛んでゴール。
結果は40代のクラスで10位。会場入りするまでは表彰台に上がること、あわよくば1位を狙っていたことから考えると、さんざんな結果ですが、今の僕自身にとって無理なことと可能性がハッキリしてきたのは、収穫だったと思います。
もし、またここでレースがあるのならもっと上位に入れます。
来年のマスターズ世界選手権出場を目指して、より自分を知り尽くしたいと思います。
追伸:背骨のレントゲンは問題有りませんでした。

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