第四十六話ありがとうございましたは、俺のセリフだよ 岡山県大阪府編(8月25日)~偶然は神様がくれたボール 運命は女神とのキャッチボール~全国47都道府県ツアーから得たこと
「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。無事に旅を完遂させてください」
固い握手をして、悔しさと絶対次は、満員にして魅了させてやるという想いをもって、
岡山から大阪へ向かった。
≪大阪府高槻市 ある公園≫
8月25日 PM9:20
8月15日に父の話をしたが、知人・友人も身よりもない父の葬儀・通夜に来る人もほとん
どいない中、シバタさんは、一家で通夜に来ていただいた。
前々から、常に気にかけていただき、そんな義理と人情の人生の先輩。
どうしても、お礼とご報告がしたくて、町内のお祭りで忙しい中お伺いさせていただいた。
嬉しいことにシバタさんの娘さんは、俺に写真を撮られたいと楽しみにしていたという。
そして、シバタさんに再会した。
「王子お疲れな。わざわざ遠くまでありがとうな」
『いえいえ。すいませんこんな遅くに』
「写真撮ってもらうのを、娘がたのしみにしとんねん」
『えっ、そうなんですか』
嬉しかった。
『えっ、そうなんですか』
嬉しかった。
そして、シバタさんとお祭り会場の公園へ出かけて行った。
「こんばんわ」とシバタさんの娘さんが、笑顔で挨拶してくれた。
『こんばんわ。元気にしてましたか』
「はい。とっても元気にしてました」
『よろしい。そしたらおっちゃんが、みんなを撮ってあげるわ』
娘さんのいとこや娘さんのお友達を一人一人撮る。
『よっしゃ次は、自分やで。ハイチーズ』
お父さんのシバタさんが、笑みを浮かべる。
『お父さんも一緒に入って』
「まじかよ。」
笑みと照れの二面を持ったシバタパパを煽る
『このカメラは、すごいねんで。親子で撮ったら、家内安全、健康祈願、幸せイッパイ
ときたもんだ』
娘さんは、それを聴いて
「すごーい」
と言ってくれる。なんてイイ子や。
『ハイチーズ』
『ありがとうございました』
「王子わざわざ遠いところありがとうな。気を付けてな」
娘さんも、
「ありがとうございました。またよろしくお願いします」
と言ってくれた。
帰り道、途中までシバタさんに送ってもらい、
「ここが、正念場やで」
と熱いエールをいただいた。
≪大阪府高槻市 阪急高槻市駅≫
8月25日 PM22:40
阪急電車に乗って、梅田まで移動しよう。
阪急高槻市駅そばの路上で、一人の高校生と話す機会があった。
「受験勉強をバッチリしようと思ったのに、ツレが来て出来なかった」
その女の子は、俺にそんな事を言ってくれた。
俺も
『就活セミナーを全国でやろうと思ったけど、全然出来なかった』
と言った。
その女の子は、
「今から、私にやったらどうなん?」
と言ってくれた。
『マジか。ほいじゃ、どういう夢があるねん。良かったら聴かせてくださいな』
そこから、≪セミナー≫は始まった。
1時間近く、夢・行きたい大学・活躍したい場所・人間関係色んな事を聴いた。
「先生、これって立派な≪セミナー≫やで。こんなに親身になってくれへんもん」
『今なんて言ってくれた?』
「先生。ヒダカ先生」
『おおきに。ありがとう。』
頭を思いっきり下げた。
「先生、いつかまた、いつか教えて。頑張ってください」
『おう、お前は立派な教え子や。』
いつしか、『また会おう』の言葉は、俺からじゃなくて、出会った人から言われるよう
になっていた。
「ほな、先生気を付けて、旅を続けてください」
『写真撮らせてもらうで』
「もちろんやん」
阿吽の呼吸になっていた。
ありがとうを言うのは、こちらだよ。
旅も残り5日、全力で走ったら、こんなことになっていた。
『ありがとう本当にありがとう。もうちょっとやってみるよ。』
声なき声で、頭を下げ握手した。
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