不足の事態 危険がいっぱい

著者: Eguchi Hiroshima
    無意識に歩く事が出来るのは、なんと素敵な事だろう。                          
 右脚が義足になってか、常に「歩いている」と意識していなければならない。うっかり忘れると、転倒が待っている。       
      街は危険に満ち満ちている。歩道が無い道はもとより、歩道自体も危ない。看板、鉢植え、荷物などなどが行くてを遮る。道の傾斜も怖い。上り下りに加え、左右にも傾きがある。水捌けのためだが、傾斜は一定ではない。義足側が高くなると、身体全体が左に大きく傾き、足元がふらつき、恐ろしい。
     水たまり、嘔吐物、犬の糞、舗装の剥がれ、言い出せばきりが無い。しかし何と 言っても、危険ナンバーワンは歩道を走る自転車だ。
      「若い人は、無茶苦茶走るから、ほんまあぶないわ」とヤングを責める人は多いが、これは正しくない。中年も子供も、パパもヤンママも走る走る走る。ときには爺さんも婆ちゃんも負けてはいない。
         もっとマナーを守ろう!                     
       ところで   このマナー、考えを変える必要がある。それは我々日本人は、マナーを守るのは他人のために行う物とおもっている。だから、「ええかっこしい」のイメージがある。そう思われるのが嫌で、守らないと言う心理が働いていないだろうか。若い人はそんな思いが強いように思う。
       だが、この考えはもはや通用しない。マナーを守るのは他人のためでは無い。自分のためなのだ。もし人にぶち当たって怪我でもさせれば、治療費はもとより、休業補償、後遺症補償、精神的慰謝料といくら費用がかかるかわからない。そのようなことで、一生が台無しになるかもしれない。昔のように、菓子折りひとつでは終わらない時代なのだ。この事をしっかり認識しなければならない。特に子供には教えきかさねばならない。つまらない行動によって自分の人生を棒にふるなんて、あほうの標本だ!カッコ悪いこと、この上ない。
       外国旅行をする時、保険に入ることを勧められる。自分ではなく、他人に損害を与えたときの補償のための保険だ。日本も同じようになって来た事をしっかり知らなければと思う。
       ショッピングセンターやカフェにもボツボツ行けるようになってきたが、まだいつどこで転ぶかもしれない。そのとき商品を壊したり、他人をつかんで転倒させてしまうかもしれない。人様用損害保険に入ることを真剣に考え始めている。

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