【教壇から見た世界】カンニングシークレットマニュアル。生徒がカンニングしたとき、僕はどう対処したか。【発見編】

カンニングしていた。
僕は見つけた。
はじめに沸き上がる感情は、
怒りに近いものだった。
何か悔しかった。
「こいつが試験監督ならいけるぜ!」
そんなふうにこの男子生徒は思ったのではないか。
僕はなめられたのではないか。
そういう思いが先行した。
でも、僕は間違ってる。
僕は自分だけの感情を問題にしている。
まず文脈を考えないといけない。
重要なのは、
「なぜ、この男子生徒はカンニングしているのか」
          
ということだ。
悪いのはこの生徒ではない。
この男子生徒がカンニングに至るまでの背景を問題視すべきなのだ。
僕:「まずこの場を対応しなきゃ。。。」
  「っていうーか、何より事実確認をしないと。。。」
なぜ僕は、カンニングに気づいたか。
なぜ、その生徒だけカンニングしているとわかったのか。
それは、
その生徒だけ僕を見ていた、
からだ。
これは試験を受ける側はあまり気付かないことだが、
教壇からクラスを一望すると、
皆、
同じ姿勢で、
同じ視線で、
同じ動作をしている。
つまり、
皆、
答案用紙と格闘し、
教師の方に気を取られることは無いのだ、
本来は。
だが、
その男子生徒は僕を見ていた。
ずっと僕の方を見ていた。
まるで初恋になったかのように僕を凝視していた。
まるでタイマンが始まるかのように僕にメンチ切っていた。
当然僕も見る。
だって皆、下を見ているのに、
その男子生徒だけ僕の方をみるから。
人ごみの中で見つめ合う二人。
頭の中で東京ラブストーリーの音楽が流れる。

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