歩いて九州を一周してみよう、って普通思う?「旅立ち」

次話: 歩いて九州を一周してみよう、って普通思う?「つまずき」

☆歩いて九州一周?☆

「旅立ち」

基本的に歩道を車両が通行することはできない。もちろん自転車もしかりである。歩道として整備されている山道も、厳密な解釈をするとこれが適用されるはずだ。もっとも、実際には街中でも歩道を走るように指示があったりと、有形無実化しているのも事実なのだが。

九州自然歩道と言うものが有る。北九州市の皿倉山を起点に九州を一周している歩道だ。なぜか突然一周してみたくなった。総延長が2000kmにもなる徒歩の旅だ。

当時、僕は郵便局をた辞めたばかりだった。20歳の時に外務員として就職して5年間働いた。オートバイにかぶれていた僕はパリ・ダカールラリーに行きたかった。砂漠を駆け抜けてみたかった。しかし、すでにパリダカは高価なものとなっていた。1000万円ものお金を工面する事は現実的ではなかった。そんな時、オーストラリアでレースが始まった。これは一桁金額が安かった。

「これなら行けるかもしれない」

そう思った僕は郵便局を辞めることを決意した。
世の中はバブル経済真っ只中だった。日に1万も稼げるようなアルバイトがたくさんあった。これならすぐにオーストラリアに行けるかもしれない、そう思うのも無理はなかった。
今思えば、カッコ良い所を見せたかったのかもしれない。俺は、違うんだよ、と言いたかったのかもしれない。誰にともなく、僕は意地を張っていたのかも知れない。
このために60リットルも入るバックパックを購入し、水や食料、テントなどを詰め込み、僕は福岡県古賀市にある自宅を、出発した。

続きのストーリーはこちら!

歩いて九州を一周してみよう、って普通思う?「つまずき」

著者の館 正訓さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。