創造性をくすぐろう。

著者: Watanabe Naoki
10月頃からstudio-Lの仕事で「地域参画型による公園づくり」という現場でも仕事をしているのですが、なかなか面白いです。公園づくりというよりは、そこにいる人達の様子が面白い。国営や大阪府営の大型公園予定地で、開園前から地域の人々にボランティアによる協力を求め、その人達の手によって散策路や企画をどんどん作っていったいただくというもの。参加者は時間・お金共に少し余裕のある50代以上が多いけど、この方々は「自分たちで公園を作りたい」という純粋な動機に基づいて集まってくるので、そのパワーは若者を凌ぐ勢いを持っています。(僕からはそう見えます。)僕はこの人達がうまく活動していけるよう、組織の在り方や活動環境を整えたり、参画者の多様性も加味しながら仲間を募っていく、という役割を担っている。
昨日は泉佐野丘陵緑地という府営公園予定地でボランティアの活動支援でした。調査活動(景観づくりのための調査活動までボランティアが自発的にやってます)の記録を手伝っていたのですが、皆さん公園づくりが好きなんでしょうね、「ここでホタルが見れたら子供たちはきっと喜ぶ」「ここで演奏会ができたら盛り上がるよね」とアイデアが次々と出てきます。そして公園の図面にアイデアを書き込んでいきます。(これを僕は不慣れなイラストレーターでデータ化しなければならず、これはこれで大変なんですけどね…。)実際、このようにして昨年も幾つもの企画や整備計画がボランティアの手によって実現してきました。
自分の好きなこと、自分のアイデアが形になり、誰かに喜んでもらえること。そして好きなことという以前に、「自分で何かを創ってみたい」という創作意欲。それは絵を描いたりモノを作ったりということだけではなく、イベントを作ったりブログを書いたりということも含まれると思います。「マズローの欲求の5段階」では自己実現欲にあたるのかもしれませんが、やはり皆、心の奥底にこの欲求を秘めているんだなぁと思うことが最近多い。昨日は、公園から駅までボランティアの方に車で送っていただいた時に「これまでも公園づくりや設計・建築のような仕事をされてたんですか?」と聞いてみたら、「いや全くやったことないよ。自分たちで作れるってのが面白そうでね、参加したよ。」と仰ってました。そう、公園づくりが好きという以前に、「何かを創ることが好き」というのがあるよなぁと、改めて思わされた瞬間です。
僕もやはり、思い当たる記憶は多々あります。しかし初めてこの感覚を得たのは遅くて、大学2年生の時でした。アイセックという学生NPOで活動していましたが、教育系の新しい海外インターンを創ってみたいと思い、その欲求に突き動かされるかのように色んな教育機関を回っていました。(結果的に、幼稚園で実現。)別に海外インターンが好きなわけではなかったですけど、「こんなことができるんじゃないか」というのが頭の中で浮かんだとき、活動への意欲が芽生えたことを覚えています。
創作意欲。僕はこれ、年齢を問わず人を突き動かす大きなエネルギーだと思うのですね。こいつをくすぐる仕掛けをどんどん作っていけると、楽しいですよね〜。エネルギー溢れるところにいると、心地よいし。
てなことを考えながら、今から企画書づくりに取りかかりたいと思います…。

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