(思想の話5)上司のマネジメントがアホすぎると面談で言っていた話

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~人を動かす力のない人間は、コトが動かない原因を他者に求めざるを得ない~

という事実に本当の意味で気づいたのは、つい最近のことだ。


「僕の成果が出ないのはSさんのマネジメントのせいです」

本当に、何度も何度もそう言っていた。

評価面談で評価者(当のSさん)に言ってたくらいだから本気だったのだが、よくもまあ自分の実力を差し置いてこんなことが言えたものだと今でも思う。唯一の救いは、社長も含めその点に関しては同意している雰囲気があったことだ。


リーダーになった僕は最大10名程度のメンバーの進捗管理と教育を任せて頂いていた。当時の上司Sさんは創業者で役員で事業部長で、一応僕のマネジャーを兼任していた。リーダーになってから1年間は、過去の(負の)遺産が爆発して様々なトラブルが発生していた時期だったのだが、そんな中でも当然メンバー育成も業務推進も全うするのがリーダーの役割だ。


やっている、つもりだった。

が、実際には「この状況でその成長の仕方はあり得ないでしょ。」と思っていた。冷静に考えれば僕は正しかったと思うのだが、ベンチャー企業で成長しませんなんていう目標が立つわけもなく、当時の僕の実力では成し得ない目標を追うという苦しい時期が続いていた。


これは完全に相性の問題だったのだが、Sさんは僕の本音を引き出すことに失敗していた。そういう場合に生じるあるあるネタだとは思うが、「(どうでもいい)タスクの詳細な進捗管理をされ、遅れについて全て詰められる(スケジュール要件が間違ってるんだって)」「メンバー育成状況をスキル獲得のみで判断し、やる気の低下しているメンバーのスキルが伸びないことで詰められる(そりゃ伸びないよ)」「何が不満なのか言ってよと言われる(心開いてませんからw)」みたいな一連の経験を積み、僕は病んだ。


で、会社を辞めようと思った。こんなアホな上司がいる会社で働けるかと。


市場価値が低すぎる

多分誰も知らないのだが、1.5年くらい働いた時にエージェントに転職相談をしていた。SEOの知識と業務を回すスキルはある程度身に付いていたので、成果を出せる環境に移動したいと考えていたのだ。


しかし、当時の僕の市場価値は、0に近かった。


まじかよ。


僕の市場価値って0なのかよ、と思ったが、よく考えればそりゃそうだ。1年ちょっとで身につくスキルと、1年ちょっとで会社を辞める人間性を考慮すれば誰も欲しくないでしょ。しかもSEOとか汎用性のないスキルだし。


救世主現る

そんなこんなで完全にオワコン状態だった僕を救ってくれたのは、社長だった。


「ちょっとご飯行きましょうか。」


と言われ飲みに行ったら案の定辞めたい雰囲気を察してくれていた。上に書いたような文句をひと通り話した後、社長は言った。


「菅野くんの言うとおりです。Sさんが悪い。本当にごめんなさい。」


「で、どうしましょうか。」


実際には転職する機会を逸していたのだが、その時その選択肢があっても同じことを言っただろう。


「僕が変わります。やります。」


いや、役員から変わろうよ、とかいうツッコミは今でもあるのだが、そしてそのあたりのわだかまりが原因で結局退職したのだが、会社において誰かに必要とされている、それも社長から必要とされているという事実はとても嬉しかったのを覚えている。


それからの僕は、少しだけ会社の組織を変えるレベルの人材に成長することが出来たと思う。


結構えげつないやり方で。

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