朝、目が覚めると密室でした。 ファイナル

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前話: 朝、目が覚めると密室でした。 後編
どうしようか...
と考え考え
はっと思い出す。
入居日にデカくて邪魔で私をイライラさせた
避難はしごが部屋にあるのだ
ドアノブ開かないのは立派な避難だろう。
ドアノブ地震雷火事親父
クローゼットをあけ、O型の血液型通りの
素直に散らかった荷物を蹴散らし
デカい避難はしごを取り出した
あんなに邪魔でイライラした避難はしごが
キラキラと黄金色に光って見えるのはなぜだろう。
宝箱にみえてしょうがない
早速蓋を開ける
中にはアルミ製の避難はしごと
簡易の説明書があった。
この避難はしご、エスカーラという名前だった
私の心境としてはエスカーラさん、いやエスカーラ様である。
この帝国主義の世界から私を連れ出してくれるのは
エスカーラ様なのだから。
時間がない。いつの時代も
革命が起きるときに鍵を握るのは時間だ
遅ければ私は犬になり、間に合えば自由が手に入るのだ。
エスカーラを窓の手摺にかけ、ロックピンをはずすと
エスカーラはけたたましい金属音を立てながら地上へおりていった
近所迷惑にもほどがある
朝6時過ぎにこの金属音である
ドアノブが外れて避難はしごをおろし
脱出を試みるマンションの住民などこの世にいるのだろうか

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