第3話 絶対見てはいけないもの。【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
絶対見てはいけないもの。
心が違和感を感じてるのに、外ばかりに答えを求めて、そんなの正解にたどり着くわけなかった。
自分と向き合おうとせず猛進していたんだ。努力とはカッコいい言葉だけど、
心を大切にする努力が人生で一番大事なはずだった。
それをすっかり忘れていた。
結局学校で服の勉強をしていてもいつも違和感がつきまとった。
学校はデザインの根本を教えてくれるとてもいい学校だったと思う。
だけどなぜ服のデザインをしたいのか、、と深掘りして行くと、
たどり着いた答えは
"本当の豊かさを知りたい"
だった。
もう服じゃなくてもいいのでは?
この決意が絶対できなかった。
だって7年もかけてやってきたことだもん。
親にはなんて言えばいい?友達の皆には?
それにそれがなくったら私には何も残らない....。
そんな気持ちでいっぱいだった。
どうやって他の仕事をしていくのか、お金を稼ぐのか、ご飯を食べ生活するのか、それも分からなかった。
だから"もう服じゃなくてもいいんじゃないか""本当の豊かさは、本当のやりたいことは他にあるんじゃないか"
という心の声は絶対聞いちゃいけないことになってた。
今までの苦労や、私の証明が全部なくなってしまうから。
私には何の価値も無くなってしまうから。
だから本当の気持ちは全部心の奥の壷に入れたんだ。何十も蓋をして。
絶対見てはいけないもの、それは自分の本音だった。
人生の角度を大きく変えた出会い。
そしてその出会いの日はやってくる。この出会いのおかげで、私の人生は沢山の大事なことを思い出すことになる。
ネジを巻いたコイルを一気に放すように。ぐんぐんと元に戻って行く。
その出会いの序章は東京のある電気屋さんに立ち寄ったことから始まった。
__________________
このストーリーは2015年に書籍化となり、
2019年にベストセラーとなりました。
このストーリーは2015年に書籍化となり、
2019年にベストセラーとなりました。
彼女たちは『あーす・じぷしー』という名前で活動中!
著者のShono Mahoさんに人生相談を申込む
著者のShono Mahoさんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます