僕のパチスロ理論が破綻した!神の手を持つ男の話

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プロローグ

世の中には、確率や理論では説明できない事柄がある。

決して、数字では表すことが出来ず、そして科学的な根拠もないもの。

それが"運の強さ”だ。

僕はこれでも論理的な思考を持って生活しているつもりだ。

物事にはすべて、それを巻き起こしただけの理由がありきっかけがある。

そして、それはすべて、数字や確率で解明できるものだと思っていた。

そう、思っていたのだ。


ある人物に出会うまでは・・・


藤沢君との出会い


僕は三田サンジ。
元パチプロだ。

2年間パチスロだけで生活していた経歴を持つ。
知らない方はこちらをどうぞ↓↓

http://storys.jp/story/7677



今は自分のやりたい事を見つけたので、色々な仕事をしている。

彼女がいない人の為に、彼女を作る手伝いをしてあげたり、
ギャンブルが勝てない人の為に、勝ち方をレクチャーしたり、
人生の生き方に迷っている人に、アドバイスなんかもしている。

パチスロをする事はもうほとんどなくなった。

それでも元々ゲーム好きという事もあり、友人の付き合いで行く事はある。
僕の周りにも結構パチンコやパチスロが好きなやつがいる。
だから、たまに誘われていったりするのだ。

僕が現役の時と比べて、パチンコもスロットもかなり進化している。
システムが少し複雑なものも出てきたし、なにより、液晶画面が綺麗になった。
これは時代の進化と言えるだろう。

それでも、基本となる部分は変わらず、昔のまま残っている。
だから、現役を離れた今でも少し打てば打ち方はわかるし、内部システムもすぐ理解出来る。

これは、2年間毎日スロットを続けていた時の名残だろう。
そのおかげで、趣味とはいえ、未だにスロットで勝つ事はよくある。

もちろん、師匠の教えに従い、周りの友人にもパチプロのレクチャーをして、
彼らもまた勝てるように育って行った…


パチプロをやめたあと、僕は地元を離れた。

そして、新しい場所で生活を始めた。

そこで、最初に仲良くなったのが、藤沢君だった。

藤沢君は僕よりも2つ程年下で、そのわりにはしっかりしていて、
最初に会った時も、まさか年下とは思えなかった。

彼と最初に出会ったのは、僕がよく行くお寿司屋さんだった。
僕は客、藤沢君は寿司を握っていた。
何がきっかけで話し始めたのかは、詳しく覚えていないが、
とにかく藤沢君は人当たりが良く、接客が素晴らしい職人さんだった。

何度も通っているうちに仲良くなり、
ついにプライベートで食事をするまでの仲になった。

すると、意外なことがわかった。

藤沢君は某大手飲食店グループの社長の息子だったのだ。

ではなぜ藤沢君が自分の会社ではなく、この寿司屋で働いているのか?

僕は訪ねてみた。

藤沢君は、父親の会社には入らないの?
継がないの?
藤沢君
いや、いずれ継ぐ事になります。

だけど、今は父親に
"色んな経験してこい"
って言われてるんで!
そうなんだ。やっぱりいずれ継ぐんだね。
大変そう。
藤沢君
まぁ、大変だとは思いますけど、やりがいはありますよ!

お客さんに美味しいものを提供して喜んでもらえると、頑張ろうっていう気になるんです!


藤沢君はこういう若者だった。

現代の若者達の鏡になるような存在だった。

だんだんと藤沢君と会う機会も多くなり、お互いの話もするようになった。

その中で僕は、元パチプロである事を告げた時に、藤沢君の目の色が変わった。

藤沢君
パチプロだったんですか?そりゃすごい!

そんな人本当にいたんですね!
2年ぐらいね!
もう最近の機種はあんまりわかんない(笑)
藤沢君
へぇ〜すごいなぁ〜

俺パチンコとかスロットとかした事ないから、すごく興味があるんですよ!今度連れて行ってくださいよ1
連れて行くのは全然構わないけど、あんまりオススメはしないよ。
パチンコで人生狂わされた人もいるから...
藤沢君
生きてるうちに一度くらい経験しておきたいんですよ。ほら、人生経験ってやつだと思って!
わかったわかった!じゃあ今度行こう!

ってな感じで、僕は藤沢君と一緒にパチスロに行く事になってしまったのだ。

そして、パチンコに行く当日。

時刻17:00。夕方だ。

当然今日は”労働"ではなく”娯楽”として来たのだ。


娯楽でパチスロに来たのだから、
朝から並ぶ必要もなければ、
詳しいデータ分析をする必要もない。

やっぱりギャンブルは娯楽でやるもんだなぁとそう思った。

この店は意外と稼働率が良い。

駅からは少し離れているが、大型の駐車場があり、
遠方からもお客さんがきているからだ。
僕がたまにパチンコやパチスロをする時には、この店を使う。


店内に入った僕らは、一通り台を見渡した。

藤沢君
パチンコ店内って意外とキレイなんですね!
いや、それは店によって違うけど(笑)
藤沢君
そうなんですか?

じゃあこの店はキレイな方ですね!
そうかもね!

それにここら辺で打つならこの店しかないしね!
藤沢君
で、俺らは何を打つんですか?

今のパチスロ機の主流はARTというタイプのものだ。
これは少し初心者には複雑かもしれない。

そこで、僕はまずAタイプの台に絞った。
Aタイプで初心者向けといえば、これしかない。

“ジャグラー”だ。

ジャグラーのゲームシステムは単純だ。

リールを回し、GoGo!ランプが点灯すると当たりだ。

ただそれだけ。

ランプが光れば、内部的に当たりが確定するので、
あとは、”7”か”BAR”を狙うだけ。

“7”が揃えば大当たり。
“BAR”が揃えば小当たりだ。

“7”や”BAR”が揃えば、ボーナスゲームが始まり、コインが出てくるのだ。

簡単なシステムなので、比較的高年齢の方や、初心者の方には人気がある機種だ。


ジャグラーを打とうとしたが、空き台が1台しかない。
しかもデータを見ると明らかに設定1ぐらいの確率しかない。

(これは困ったな…)

そう思っていると急に藤沢君がその1台しかない空き台に座りはじめたのだ。

僕はすぐに藤沢君に辞めるように言った。
初めてのパチスロで負けて欲しくなかったからだ。
せっかくやるなら勝って欲しかった。

だから、急いで僕は藤沢君を、止めにいったのだ。

藤沢君、その台ダメだよ!
出ないよ!
藤沢君
えっ?ダメなんですか?
設定悪そうなんだよそれ。それ打ったら負けるよ!
藤沢君
そうなんですか?

でも空き台これしかないんで。
良いですよ負けても(笑)


藤沢君はいつもこうだ。
ちょっと普通の人より金銭感覚がずれているのだ。

藤沢君曰く、実家はお金持ちではないそうだが、僕からみると十分お金持ちに見える。
美味しいものを食べる為には、金額を気にしないし、入った給料はすぐに全部使い切るし。
何でも、給料の8割は食費で消えているらしい。それほど、食べることが好きなのだ。

『将来の為に、色んな食べ物を食べておかないといけない』
と本人は言っているが、

『いくらなんでも食費にお金を使い過ぎだ』
と僕はいつも思っていた。

そんなわけで、藤沢君はお金に対して、あまり執着がないのだ。

どうせやるなら、勝った方が良くない?
藤沢君
別にどっちでもいいんですよ!第一待つのは面倒だし。

とにかく今日は一度"パチスロ"というものを経験しておきたいんですよ!

藤沢君のあまりの情熱に負け、僕はしょうがなく藤沢君に打つ事を許してしまうのだった。

わかったよ(渋々)

じゃあ5千円だけやってみたら?

ジャグラーという台は、比較的すぐに当たる台だ。
設定1であっても、"ヒキ"が強い時には、すぐにひいてしまえるのだ。

以前、僕は閉店間際にパチンコ店に行き、明らかに高設定である台だけを狙い、
"千円だけ打つ”という遊びをしていた時期がある。
千円でひけてしまう事もよくあるのが、ジャグラーの醍醐味だ。

藤沢君が打ち始めてしまったので、
店内をフラフラしようかなぁと思って歩き始めると、
後ろから肩を叩かれた。

藤沢君だ。

その表情は笑顔に満ちている。

藤沢君
GOGOランプ光りましたよ!
えっ、嘘(笑)もう?


僕は急いで藤沢君が打っていた台を見に行った。

すると、確かにGOGOランプが点灯している。

何回転で光った?
藤沢君
打ち始めて3回転ですね!やりました!
3回転とか(笑)

ビギナーズラックってやつか(笑)
藤沢君
そうかもしれませんね!

それでこれはどうしたらいいんですか?
7を狙えばいいんだよ!
藤沢君
最初はわかんないんでやってもらっていいですか?

全然見えないですし(笑)
わかった!


そして、僕は目押しをしてあげた。

“7”が止まった。

藤沢君は3回転でBIGをひいてしまった。
その時間およそ、1分も立ってない。
1分で、彼は6千円も勝ってしまったのだ。

結局この日、BIGをひいた後、少し回してからすぐやめて、5千円勝ちという結果になった。

もちろん、この5千円はその日のうちに藤沢君の食費に消えるのだった。

まぁでもこういった事はジャグラーではよくあることだ。
座った瞬間に当たった話はよく聞く。
実際に僕も何度も経験がある。

だから別に気にしてなかったんだ。

藤沢君に特別な力がある事に、僕はまだ気づいてなかった。


あれ、何かがおかしい...藤沢君のヒキの強さ

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