もう粉々に、音もなく堕ちていったバカ 5

著者: Okagawa Kohei
優希が仕事から戻るとネットで購入した合法ハーブが届いていた。

優希ワクワクしながら開封。
お気に入りの録画したバラエティを選択しパイプにハーブを詰めて着火した。

おっ.....確かにキマる...
ただ大麻とは違う.....頭重たくなるな..

違和感を覚えたがバラエティ見るとシラフで見るより面白くて面白くて爆笑していた。

これはいいモノ見つけたな...

そう思った優希は毎日のようにハーブを吸った。
2週間が経ち、優希は身体に違和感を覚える。物覚えが悪くなった。この前まで普通に記憶できたこと、お客のオーダーや次しなくてはいけないこと、できなくなっていた。

次第に優希は仕事中も吸いたいと思うようになる。ただ接客もあるし、ハーブは臭いがキツいので吸うことはなかった。ただその分帰ってからいつもより多くハーブを吸うようになった。

そう。依存の悪循環のサイクルにどっぷり浸かっていた。

そして朝起きると11時。
出勤時間は10時だ。時間の管理までできなくなっていた。

とりあえず出勤し、マスターから説教をいただき、仕事終わって久々に大智と飲むことに。
大智もハーブを知っていたみたいだった。店に入る前にお互いハーブを大きく吸った。

生二つお願い

そう言いながらカウンターに着席した。
がー

その瞬間優希は痙攣しはじめた。
カウンターのイスからぶっ倒れた。
でも起き上がれない。

もう、死ぬのか......と思った。

大智もビックリしている。

おい!しっかりしろ!

ビンタを5発ほど貰った。

でも起き上がれない。
痙攣が止まらない。
口から泡を吹き出した。

その店の店主が救急車を呼んだ。
優希は
ダメだ救急車なんかダメだ。
ハーブで救急車で搬送なんてありえない
と思っていた。

大智がしっかり優希を見てくれていたお陰で救急車が到着する前に優希は落ち着いた。

店に迷惑かけたので二人は店主に謝って店を出た。
この時一瞬優希は思う。
そう。『一瞬』

ハーブやめなきゃ.....

そう思ったこともなかったことにするぐらい、すでに優希は合法ハーブに依存し、身体を蝕まれていた。

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