もう粉々に、音もなく堕ちていったバカ

著者: Okagawa Kohei
優希は前職場で出会った結子に連絡していた。

この前はありがとう。
よかったら飲みにいこっか。

簡潔なライン。
というのもハーブを吸った寝起きで、
酒で言う二日酔い状態ならぬ二日ハーブ酔いになっていて頭がまわらなかった。

返信がくる。

やっと返信きた!
いつがいい?♡

あーダメだ頭まわらない。
この日は休みなので頭回らないまま、
またハーブに火をつけた。

来週の日曜日にしよっか。
都合どう?

わかったぁー♪楽しみー♡

と結子。

優希はそのまま
パイプ片手に眠りに落ちていた。
飲みに行った矢先でハーブのお陰で
ぶっ倒れたことも忘れて。

目が覚めると17時。
寝過ぎた....と思いながら携帯を確認すると祐介から着信が。
電話してみた。

祐介『おー久しぶり。今なにしてんの?』

優希『休みでさっきまで寝てた』

祐介『そかそか。久しぶりに遊ぼうや』

祐介は優希のアパートとにくるとのことだった。祐介は同級生でたまに遊んでいる友人だ。結婚し、子供が嫁さんのお腹の中にできたかもしれないと噂で聞いていた。

それから30分後。インターホンが鳴る。

おー久しぶり

祐介が家に上がる。
リビングにお互い座ると、
祐介が口頭一番

祐介『優希さあ、ハーブ知ってる?』

優希『おん。持ってるよ』

祐介『おー!!俺も持ってるし吸おうぜ!!』

祐介は、前から薬物など絶対にしない。
俺はハマるのわかってるから。
と言っていたが優希は何も言わなかった。

2人でハーブ吸ってると大智から電話が。

ごめんちょっと悪い。

そう言って優希は席を外した。

優希『もしもし?』

大智『あのさー祐介っているじゃん?』

優希『うん。今うちに来てるよ。』

大智『え、マジか』

優希『ん?どしたの?』

大智『お前アイツには気をつけろよ?あいつハーブ買いたいが為にいろんな人から金借りてるから』

優希『えっ』

大智『もうね、人から金を借りる為ならどんな嘘でもついてるみたいだよ。』

優希『そ、そうか...ありがと』

優希は電話を切りリビングへ戻った。

祐介『お、どした女か?』

優希『いやいやちょっと仕事のことで』

優希は自宅にいながら居心地が悪くなった。
目の前にハーブに狂った男が一人。
ハーブを吸うためなら手段を選ばない。


そんな男が優希の目の前にいる。

それから優希は祐介に対して嫌悪感しか抱かなかった。

優希は嘘をつくことにした。

『ごめん急用で店に行かなきゃ。またゆっくり遊ぼうよ』

『マジかー...しょうがねえな。』

と祐介は家を出て行った。

それと同時に優希は祐介を着信拒否にした。その心理の裏には、俺はアイツと同じなんかじゃない。というエゴや変なプライドがあった。

優希は気分的に落ちていた。
なんなんだよアイツ....引くわ....

そう思いながらパイプにハーブを詰めていた。そしてハーブを一服するとそんな感情を忘れて、いつのまにかまた眠りに落ちた。



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