とあるゲーム業界のブラック会社で夢の代償に僕が失った物。(終章)

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前話: とあるゲーム業界のブラック会社で夢の代償に僕が失った物。第3夜

もやし編(意識朦朧として455日経過)


プロジェクトも終わり、ソフトのサポート作業を細々続けている作業が続きますが、

軍曹もある日、ひっそりと居なくなり(現場が変わったらしいと風の噂で)

体力、精神共に一人では限界なので、本社の営業の方に電話しました。

もやし「営業の坪さんお願いします!」


受付
中条さん?今写真名簿を確認しますね。


もやし「あ、はいお願いします。」

(小さい会社だったのに、自分の名前すら憶えて貰えてないなんて…)

受付
中条さん?坪は随分前に退職してるのでお繋ぎできません、それでは。ガチャ


もやし「え、ちょっと待って!(ツーツー)」

会社の為に頑張ろうと思っていた糸が、完全にプッツンしました。

再度電話して、社長に電話をお願いします。


しゃっちょ
ん?中条?あ、ああ久しぶりだな



もやし「月の残業が200時間を超えて、1年程休日もほぼありません。

もう限界です…現場を変えてください。助けてください社長」


しゃっちょ
大変そうだなぁ、ちょっくら契約確認するわ



(1分後)


しゃっちょ
中条か?
今お前の契約だと後三年は出向だ。

若いんだし頑張れよ。
あと今のネガティブ発言は減給対象だから、
次回から給料の3割を減らすからな。ガチャリ

もやし「しゃ、しゃちょ(プープー)」



その日の定時が過ぎて深夜過ぎ、僕は机を綺麗にし、

誰も居ない派遣先の会社を出ました。


季節は冬、田舎に帰る為、一人始発を待つホームで

僕はTシャツとGパンで飲み物を買って待って雪を眺めながら…

自分の夢、ゲームを作ってエンディングに載せる事は叶った。

でも夢のかわりに僕は何を得たのか。

夢とはなんなんだろうか、今でもふと考えるのです。

僕はこの先も夢を叶え続ける情熱があるのか。

こうして僕は、この業界を去っていきました。


あとがき


自分は働き続けられる程、強くありませんでしたが、

きっと今もこの業界はそのような人が集まってコンテンツや、ゲームが出来ていると思います。

ただ、労働にも最低限のルールがあってしかるべきです。


若者の夢を簡単に、お金にしようと考える経営者は世の中多いと思います。

僕の月の平均労働時間は300-400時間,給料は税金、交通費を引いて6万程度です。


時給で言うと200円。


自分の労働はお金の価値は全然無いと言うことなんでしょうか。


プロジェクトが終わり、一番に報告したかった軍曹は、実は行方不明となっていて、

最後に見つかったのは静岡の湖の近くの車の中でした。


お葬式でご家族の方、残された奥さんや子供を見て、なんの為に僕は仕事を頑張っていたのか解らなくなりました。


人が1人死んでいるのに、会社の人、プロジェクトにまだ参加している人は参列せず。

心が痛みました、同時に夢を叶える為に犠牲にしていいことなんて一つも無いことに僕は初めて気が付きました。


家族、時間、恋人、友人、生活、すべて大事でそれを投げ打ってまで叶えて何を掴むのか。

自分の自尊心と、傲慢なプライド、満たされたのは、自分の中でのルールに過ぎず。

とあるブラック業界のゲーム会社で夢の代わりに僕が失ったもの。


本当にそれは沢山ありすぎて。


そういえば、エンディングに一つ細工があって誰が書いたか解らないのですが、


/*

END OF FILE

疲れた心が癒えたら、きっと笑い話、ただ2度とここには戻ってくるなよ!

END OF STORY

*/

この物語は、ほぼ実話ですが多少人物と発言、名前は、解らないようにしてます。

当時居た方が見たらバレそうですが、そこはご愛嬌で。

それでは御読了ありがとうございました。



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