世界一過酷なサハラ砂漠240kmマラソンで、5km走って息切れするモヤシ男を完走に導いた、心が震えるたった一言の応援メッセージ

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なんと、チェックポイントと思っていた場所は、現地民族の住処だったのです。


コースマップに書かれている距離からすると、もう到着してもよい頃だったのですが、どうやら方角を間違えてしまったようです。

しかも二人のペースはとても遅いので、前にも後ろにも人がいない状況でした。


普通のマラソンと違って砂漠には道がありません。

だから遭難する人もいるだろうと思っていましたが、まさか初日から僕が遭難してしまうとは夢にも思っていませんでした。


砂漠で水が無くなる恐怖


あげくの果てに、僕もオトシさんもメインタンクの水が尽きてしまいました。

残りはウエストバッグに入っているわずかな水のみ。

恐怖が二人を襲いました。


とりあえず、元来た道を戻すことにしました。

すでに疲労は限界を越えていましたが、一刻も早く安心したいという気持ちから、身体は焦って小走りで進みました。


砂漠が道を教えてくれた!


しばらく来た道を戻ると、遠くに女性らしき人影が見えました。

大声で呼びかけても聞こえなかったので、

レースの必須装備品として持参していた笛を吹いて自分たちの存在を知らせました。


すると女性は笛の音に気づいて立ち止まり、

持っていたストックで進むべき道を指し示してくれました。

女性の元へ走り、ストックの先を見ると、そこには先を進んだ約1,000人の選手たちの足跡が刻まれていました。


彼女はこの足跡から、正しい道がここだと判断したのです。


「助かったーーー!!!!!!」


しばらく進むと、ついに本当のチェックポイントに辿り着きました。


「これを乗り切ったんだから、もう完走できたも同然だなw」


絶体絶命のピンチを乗り越えた僕とオトシさんは、ちょっとテンションが上がっていました。


調子に乗ってすいませんでした。


ほっと安心したのもつかの間、僕は時計を見て今の状況を整理しました。

今日のレースは、全長34kmで、制限時間は10時間。

僕が今いるのは、15km地点ですでに5時間半が経過している。



「・・・・うん、やばいね、これは。」



僕とオトシさんは、急いで水を補給して、チェックポイントを飛び出しました。


制限時間30分前に衝撃の事実が伝えられる




太陽は地平線に隠れ始め、空はだんだん暗くなっていきました。

進んでも進んでもゴール地点はまだ現れません。

そして、コースの途中にいた大会スタッフが、信じられない事実を伝えてきました。

なんと、制限時間が1時間延長され、20時がタイムリミットになったとのこと。


それを聞いた時、僕は少し気持ちが軽くなりました。


しかし、オトシさんは信用できない可能性があると、ひとりペースをあげて進んでいきました。

息切れしていた僕は、追いていくことができず、ここでオトシさんと別れて、独りで進むことになりました。


不安な気持ちでどれくらい一人で砂漠を進んだだろう?

もうヘッドライト使わないと前が見えづらいくらい、空は暗くなっていました。


そして、タイムアップ・・・


レーススタッフが立っているのが見えたので、僕は急いで走り寄りました。


今何時ですか?
スタッフ
(ポケットから携帯電話を出して時間を確認し)「19時59分だよ。」
・・・え?ウソですよね?本当ですか?
スタッフ
ほら。これを見てごらん。(携帯の画面を見せてくれる。そこには「19:59」とはっきり書かれている。)
つまり・・・残りあと1分ということですか?
スタッフ
そうだよ。
・・・わかりました。ありがとうございます。



「終わった・・・。」



僕の頭は真っ白になりました。

先に行ったオトシさんは無事ゴールできただろうか?

せめてオトシさんだけでもゴールに間に合っていて欲しい。


時間切れでも何でも、とにかくゴール地点まで行くしか選択肢はない。

前に進むしか道はない。

僕は気持ちを切り替え、ヘッドライトをつけて再び夜の砂丘を進みました。


ついにゴール地点へ


そして10分後、ついにゴール地点に辿り着きました。

そこには、日本人の仲間達が笑顔で待っていてくれていました。

僕はもう明日からのレースには参加することはできない・・。


僕は彼らの顔をまともに見ることができませんでした。

しかし、うつむいている僕に、なんと制限時間内にゴールしていることを仲間のひとりが教えてくれました。

先ほど時間を教えてくれたスタッフの時計はどうやら間違っていたようです。


僕は、間に合ったんだ・・・・、ステージ1をクリアしたんだ・・・。

呆然と立ち尽くす僕の前に、先にゴールしていたオトシさんが現れて言いました。


「間に合って本当によかったよ。俺たちは、ふたりでひとりだからね。」


僕は帽子で顔を隠して、心の中で泣きました。



その後も過酷なレースは続く


2日目以降も過酷なレースは続きました。


ロープをつたって山を登ったり


岩壁を登ったり

僕が想像していたよりはるかに過酷なレースは続きました。


口からよだれを垂らしながら砂丘を登る

レース3日目。

コースの大半が砂丘や起伏の大きい地形でとても過酷なコースでした。

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