コミュニケーション下手な私が演劇部を立ち上げるまで・2
「 ど う せ 無 理 」
幼い頃からこの思考が
ずーーーーっと頭の中を占拠していた。
しかし、それに反発しようとする自分も出てくるようになった。
「 い や 、私 は で き る 」
このふたつ(2人)がいつもせめぎ合い、私の脳内はいつも賑やかだった。
それとは逆に、人間関係の方は寂れていった。
そして小学校5年生になった私は、
いつしかいじめられるようになっていた。
(原因ははっきりとは分からないが、やっぱり私の人格がちょっとおかしかった(今でもおかしいが)せいであろうと思われる。自分が周囲から浮いていることを、全く自覚できていなかった/笑)
この頃から、2次元に逃避することを覚え始めた。
小さい頃は、アニメで流れてくるセリフをただ口にしていただけだったのが、この頃になると、芝居を真似るようになったのである。
(芝居だけでなく、アニメや映画の世界にどっぷり浸かって妄想に耽っていた)
録画したアニメ(映画)の音を消して、
自分で声をアテてみる(演じる)。
そうすることで、自分以外の誰かになれるという感覚が得られた。
「 自 分 以 外 の 誰 か に な れ る 」
これは、私にとってとても気持ちの良いことだった。
(この時点ですでに声優になりたいと思っていた)
その感覚はやがてどんどん大きくなっていき、
いつしか、本格的に芝居をやりたいと思うようになっていた。
私が初めて舞台演劇というものをちゃんと観たのは、
NHKの劇場中継「ベルサイユのばら」(宝塚/月組)。
どぎついメイクに一瞬引いたものの(笑)、
舞台の豪華さ、役者の華やかさ、そしてエネルギーに満ちあふれた素晴らしい空間に、終始釘付け。
素直に感動した。
大いに感動した。
宝塚に入りたいとちょっと思った。
(実際この頃から嫌いだった牛乳をガブガブ飲み始めたw)
アニメだけでなく、舞台にも感心を持つようになった私は、一度でいいから舞台に立って芝居をしてみたいと、切実に思うようになったのである。
その頃、まだいじめは続いていたが、
私の頭の中は、将来の夢(妄想)でいっぱいだった。
〜続く〜
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