3.11のきおく

著者: 佐藤 みつひろ

わたしたちは忘れない

3月10日
私は東京にいた。打ち合わせを終え翌日帰宅することもできたが、最終に近い便で飛行機に乗り帰ったことを覚えている。
いつもと同じ朝が来た。
しかしなにか違う気配を感じる。
大きな揺れが長く、そして様々な思いが押し寄せる。
TVでは繰り返し放送局内の揺れ映像が流れる。
生放送でとにかくたくさんの情報を流そうという動きが見え始める。
何がおかしくなり、何がダメなのか、いま何が起こってるか。
画面が切り替わり大量の津波が押し寄せてくる。
それはあまりにも人間が小さく見えるほど生々しく
すべての手を止めTV画面に祈りを込め始めた。
私たちは神だかなんだかわからないものに、時々祈りを込める。
そしてその時も、今も同じく祈りを込める。
世界中から日本へPRAY FOR JAPANが届く。
悲しみの別れすらわかちあおうとする人間の絆
その思いもその行為も事実もすべて忘れないでいようと思う。
いつか子供に話す時がきたら、しっかりと伝えたい。それが僕に出来るストーリーだとおもう。
震災がおきてすぐのTVでビートたけしさんが言っていたセリフが今も脳裏にある。
2万人が死んだ んじゃない。それじゃ1つだろ。
「1人が死んだ事件が2万件あった」
後になんかのインタビューで、新聞とかの見出しは2万人が死んだとか毎日死者数の報告ばかり。現地では妻が娘がと個々の話が流れている。残酷な言い方をすれば、自分の大事な人が生きていれば、10万人死んでも100万人死んでもいいと思ってしまうのが人間なんだよ。
なんて言っていた。
そうなんだよな。人間なんだよ。
だからこそ考え方をもっと共有したいと思う。

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