元気になるんだゾウ

著者: S S.Y

ママは心配でなりません…。 

赤ちゃんの肝臓に重い病気が見つかり、移植することになりました…。 

紹介されたのは東京世田谷にある「成育医療研究センター」、 

日本一の小児移植チームの先生がいる病院です。 


病院の玄関前に、大きなゾウさんと、小さなゾウさんがいました。 


赤ちゃんが入院している間、ママは毎日病院に入る時、 

このゾウさん親子を見ていました…。 


ゾウさんは、まるでママに 

「大丈夫だよ、きっと元気になるゾウ」 

と話しかけているように見えました。 


赤ちゃんは肝臓を移植しました。 
丸一日かかった大手術でした。

手術が終わっても、薬の調整などで赤ちゃんはずっとICUにいました。

ICUでは先生方・看護師さん達が、

赤ちゃんを元気にしようと日夜問わずに一生懸命治療・看護をしました。 


数カ月後…、パパとママは元気になった赤ちゃんを抱っこして退院しました。 


月日が流れ…、

赤ちゃんはハイハイが出来るようになり、タッチが出来るようになり、 

歩けるようになりました。 


外来で呼ばれるのを待っている間、赤ちゃんは元気に中庭を走り回っていました。 

そしてやって来たのは、親子のゾウさん。 


ゾウさんは相変わらず優しい瞳でした。 


「元気になったね」 


ママはふっと思い、赤ちゃんを抱き上げ、ゾウさんに乗せました。 

赤ちゃんは大喜びです。

それを見た他の移植っ子もかわるがわるゾウさんに乗りました。 

ゾウさんも優しい瞳で親子を見つめていました。


ちびゾウさんは、移植っ子ママ達の間で「元気になったゾウ」という名前が付けられました。 


これからも、日本一の小児移植チームを頼って、
全国から子どもが成育にやってきます。 

ゾウさん親子はきっと変わらぬ優しい瞳でパパ・ママに話しかけるでしょう。 


「元気になるんだゾウ」


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