主婦がいきなりラーメン店を開業する話 それも内装から新商品まで手作りで その6

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著者: Saitou Shouko

ラーメン完成まで


私がこの20年間してきたのは、子供たちになるべく素材から手作りの料理を作り続けてきたことで。
べつに料理が上手いわけではないんですけど、肉や野菜や魚の素材から料理をして、米は玄米を自宅の精米機で五分づきに、大晦日の蕎麦も蕎麦粉を買ってきて二八蕎麦に、夏はうどんも打ってました。
青森県は野菜の産地ですし、魚も美味しい。作ろうと思えば近隣でたいていの材料調達ができる。
そしてラーメンも手作りで作っていました。
ラーメン店で修業したわけでもなんでもなく、それでも家族からは好評で。
食品添加物など関係ない、全ての食材の産地を言える料理。できるかぎりそんな食事を作っていて、そういう、自分の子供に食べさせたい料理を提供したい。
そして食材はなるべく近くで生産されたものだけを使って。
ラーメンの麺は小麦粉とカンスイでできています。
小麦の多くは輸入ですが、出来るだけ近くで生産されている小麦を探しました。
青森県内では見つけられなかったけれど、隣の岩手県の盛岡周辺で栽培されている「南部地粉」があって、小麦粉は決まりました。
カンスイは麺をアルカリにして、独特の黄色っぽい色と香りを持たせます。
でも青森県でカンスイの代わりになる物はありました。陸奥湾ホタテ貝の貝殻を焼成したカルシウム粉末です。
カルシウム添加剤としても使われているので、栄養の面でもプラスになる。
栄養を考えて南部地粉の全粒粉も配合することにしました。
自宅で作っていたように、すべて手打ちで作った麺はコシが強い。
スープは八戸産煮干し、チャーシューの代わりに三沢市で販売されているパイカ肉。
パイカとは胸の軟骨部分の肉で、煮込むことで軟骨まで食べられます。軟骨ですからコラーゲンも含んでいて。
シナチクをどうするかで悩みました。
ほぼ全量が輸入のため、ここで折れて使うのか。それとも何か別の似たような食感のものを探すか。
たどりついたのが階上町産の茎ワカメでした。
ワカメの葉を採った残りで、価格も安い。ちょっとコリコリした食感もラーメンに合う。
ラーメン完成です。

食後にコーヒーも出したい。
でもコーヒーもほぼ全量が輸入です。国産コーヒーは高くて無理。
コーヒーの代用として飲まれているというチコリコーヒーをまねて、三沢市で生産されているゴボウを使ったゴボウコーヒーを作る事にしました。
でも商品として成り立つのかどうか。


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