ネットからの初恋そのさん

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著者: Auau Huhihi
仮にその人を森さんと名付けましょう。
森さんはどういうわけか私を気に入ったようでちょくちょく話に来るようになった。
なんか個人的な感想としてはどうにも女々しいというか。繊細を通り越して面倒くさいなこの人!と思いながらお話をしていた気がする。
その過程でその青年が前回話しをしていた彼女の元恋人という要らない情報などをゲットする。あの人何が良くて付き合ったんだろう、とは素直な疑問でした。
そもそもチャットで元恋人と話にくるってどうなの?と今では思う。

そんなこんなのネット内での人間関係を形成しつつも、私は自分の家の中にいることにふつふつとしたフラストレーションをためこんでいて、就職の時期にぽぽーんと上京してやろう。となんのためらいもなく決めた。
んで、上京するよ―。というのをチャットでもぼちぼち言ってたんだが、その折にやたらこの森さんが喜んでいたのが印象的だった。

そしていざ上京。となった時に案内してあげようか?と森さんから声をかけられる。
そのときは今よりずっと世間知らずだったしうぶだったのですが、田舎者だったので都会は不安!
行為に甘えて、まあ、サシでのオフ。みたいなのをやることになったわけです。
ちなみに上京してからしばらくは突発オフに嵌って暇を見つけちゃあオフ会に参加して板なんてのは余談です。
まあとにかく、空港であった森さんは23にしては老けこんでるなあ、と思わせるが人のいい笑顔をした青年だった。

おとこはおおかみなのよ、きをつけなさい。とはよく言ったものだよなあ。
なんて。
約一年後、この森さんは、誰かを好きになったり好きになられたりなんて無縁でそんな対象になることすら無いと思っていた私の初恋の人、となるのである。

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