六甲山の観光資源にもう一度光を!神戸の2企業が、安藤忠雄氏建築のチャペルウェディングを蘇らせるまで
かつて六甲オリエンタルホテルの挙式場として、多くの新郎新婦の誓いを見守った安藤忠雄氏建築の「風の教会」。
2007年に同ホテルの営業が終了したあと、長らく六甲山にひっそりと佇んでいたこの教会が、2020年11月、神戸の2つの企業の連携よって13年ぶりに結婚式の受付を再開しました。
<風の教会>
復活させたのは、神戸でウェディング事業を展開する株式会社ナノヒューマンプロモーションと、風の教会を運営する株式会社六甲スカイヴィラ(建隆マネジメントグループ内)。風化した風の教会を復活させ、結婚式を再開させた経緯と、2社の担当者の想いをご紹介します。
風の教会の歴史
風の教会は、六甲山の中腹で運営していた六甲オリエンタルホテルの結婚式場として、1986年に安藤忠雄氏の設計で建てられました。周辺の観光地にも近く美しい神戸夜景が人気で、営業中はたくさんの宿泊客が訪れ、風の教会でも多数の結婚式が執り行われていました。
しかし、2007年に同ホテルは営業を終了。教会も閉鎖されて一般の立ち入りが禁止になりました。
六甲山上の貴重な観光資源を守り育てたい神戸企業の想い
閉鎖から10年が経過した2017年、不動産事業を展開する建隆マネジメントグループが、ホテルおよび風の教会の買い取りを申し出ました。
同グループは六甲山上のホテル「六甲スカイヴィラ」を運営しており、六甲山上の厳しい経営環境を痛感していました。
「それでも風の教会を取得したのは、六甲山上の貴重な観光資源である風の教会を活かすことは、地域の活性化、および同施設を将来にわたって守り続けることにも繋がるはずであるという、代表の想いでした」(建隆マネジメントグループ 渡部さん)
<建隆マネジメントグループ 渡部陽一さん>
取得後、まず風化していたホテル部分を解体。コケが生え一部のコンクリートが崩れていた教会は2年かけて修復し、2020年にようやく貸会場として一般向けの運営を開始しました。
<修復前の風の教会>
<修復中>
<修復後の風の教会>
風の教会修復までのドキュメンタリー映像はこちら
「特別な日を特別な場所で」‐ウェディングプランナーの想い
風の教会が一般の貸し会場となった、というリリースを見つけて、すぐ連絡を入れたのが、ナノヒューマンプロモーションのウェディングプランナー、小柴友美恵でした。
<ナノヒューマンプロモーション 小柴友美恵>
小柴は、「1人の人間として、またひとりのウェディングプランナーとしても風の教会に興味があった」と振り返ります。
「安藤氏の教会建築であるにも関わらず、一般利用できないことがとても勿体ないと感じていました。閉ざされていた期間があるからこそ、再開出来ればそれも価値の1つとなります。結婚式という人生の節目の折に、都会の日常から離れた場所に足を運び、非日常感を味わうことにも意味があるのではないでしょうか。」(小柴)
教会があるだけでは挙式はできない
建隆マネジメントグループでは、風の教会を多くの方に様々な使途で活用いただきたいと考えていました。婚礼はその一つのテーマであったと渡部さんは言います。
しかし、挙式の再開には様々な理由で躊躇していました。
風の教会はホテルの付帯施設として建てられた生い立ちから、チャペルのみでは、控室、食事会場等、婚礼に必要な基本機能が不足していました。この状態で新郎新婦やゲストをお迎えし、快適な空間やご満足のいくセレモニーを提供できるだろうかという不安があったそうです。
両社でさまざまな検討や議論を重ね、具体化していきました。
「当時、打診を受けたブライダルの事業者は他にもいましたが、この制約の多い環境下で婚礼を具現化させるアイデアとノウハウがあり、地域との繋がりや価値創出のビジョンに賛同する、ナノヒューマンプロモーションとの連携で実現の可能性が出てきました。」(渡部さん)
六甲山の魅力と課題
渡部さんとの話の中で、小柴は六甲山の観光事業の厳しさ、例えば宿泊せずに日帰りする方が大変多くホテルが苦しい立場にある、というような実情を知りました。そこで、実際の状況を見るために渡部さんと一緒に六甲山の施設を訪問させていただきました。
六甲山は都心からの距離は近いのですが、アクセスが大変よいとは言えない場所です。しかし、六甲山を愛し事業に関わる人々と話をし、美しい景色や有数の夜景を体験する中で、気持ちが固まっていきました。
<旧六甲山カンツリーハウス>
※2021年4月3日より「六甲山アスレチックパークGREENIA」として
リニューアルオープン
<六甲ガーデンテラス 展望>
<自然体感展望台 六甲枝垂れ>
風の教会の歴史を紡ぐことはもちろん、この神戸の六甲山という場所を、「風の教会」「結婚式」を起点に、山上の他施設と共に新たな価値を生み出し、地域活性化に貢献したい。
そんな両社の担当の想いが合致し、結婚式の受付再開に向けた準備を進め始めました。
13年ぶりの挙式
挙式再開の準備を進めていた2019年7月、風の教会のWebサイトを通じて、結婚式のお問合せをいただきました。
その年の9月、お二人が東京から現地見学にお越しいただきました。お二人は関西にゆかりはなく、エリアよりも建築にこだわり、挙式が出来る場所を探されていました。
「安藤忠雄氏の建築」というブランド力を感じました。
小柴は、まだ式場としての準備が整っておらずお客様にもご協力いただく必要があること、1から一緒に作ることになること、そして小柴の風の教会に対する想いをお伝えしました。
お二人は、挙式再開の1組目になることや、1から作りあげることに魅力を感じてくださいました。そして、2020年4月の挙式に向けて、一緒に結婚式の準備をさせていただけることになりました。
準備で何度も教会に足を運び、装飾やカメラマンなどのスタッフに教会や六甲山を見ていただくうちに、たくさんの可能性を見出すことができました。また、天候や時間によって表情が異なる教会を見るのは、小柴の喜びでもありました。
しかしまた壁が立ちふさがります。準備を進める間に、全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大したのです。
新郎新婦様も大変悩まれ、私たちブライダル業界も、初めての対応に大きな戸惑いがありました。様々な案を検討し、規模を縮小してご家族のみで行うことが1ヶ月前に決定。2020年4月4日、結婚式を迎えることが出来ました。
来られなかったゲストの方々からの贈り物、当日のお二人の表情、そして13年ぶりでも色褪せない神聖な教会での結婚式を見て、小柴は、教会の歴史をこれからも紡いでいきたいと強く実感しました。
六甲山の自然や夜景を活かした挙式プラン
風の教会での挙式プランは、六甲山という地を活かして、壮大な景色やここでしかできない体験を満喫できるような過ごし方を考えています。
例えば、1日1組なので、好きなお時間での挙式をお選びいただけます。挙式の前の時間を使って、六甲山の自然やロケーションを活かした写真撮影をしたり、ゲストの皆様と六甲山の絶景となる夜景をご覧いただきながら楽しんでいただくこともできます。
挙式時の音楽には六甲オルゴールミュージアムの協力により、100年前のアンティークオルゴールを使用することもできます。
近隣にある六甲スカイヴィラの施設を使用して滞在型ウェディングも実現。結婚式の翌日には家族で有馬温泉に行くなど、神戸を満喫する過ごし方もご提案出来ればと思います。
また、コロナ禍のニューノーマルプランとして、風の教会の貸会場という特徴を活かしたホームパーティスタイル「私たち結婚しましたプロジェクト」の提供も開始しました。
◆私たち結婚しましたプロジェクトプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000069395.html
私たちはこれからも風の教会の歴史を紡ぎつつ、雄大な六甲山の魅力を伝え、皆様の節目を一緒に形作っていきたいと考えています。
お問い合わせ
風の教会の結婚式に対するお問い合わせは、以下までご連絡ください。
お問い合わせフォーム:https://kazenokyoukai-wedding.com/contact_us/
メールでのお問い合わせ:info@kazenokyoukai-wedding.com
お電話でのお問い合わせ:050-8880-9382(午前11時〜午後7時)
発表者
株式会社ナノヒューマンプロモーション
ブライダル(婚礼、宴会)サービス請負、ウェディングプランナー婚礼代行、ウェディングプロデュース等を展開する、関西ウェディング業界におけるブライダルアライアンスのリーディングカンパニー。
代表者 :代表取締役 堂本真吾
所在地 :神戸市中央区元町通4丁目6-21 ジュネスビル3階-1
設立 : 2017年8月15日
株式会社六甲スカイヴィラ
六甲山上にある風の教会、およびGRANDHOTEL六甲スカイヴィラの運営等の事業を展開。
代表者:代表取締役 頴川欽和
所在地:本 店:神戸市灘区六甲山町西谷山1878-86
営業本部:神戸市中央区海岸通6番地 建隆ビル2階
設 立:1970年2月2日
資本金:1,000万円
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ