抗菌剤メーカーの矜持──この時代にこそ社会に果たせる役目がある
シナネンホールディングスグループは、煉炭・豆炭という固形燃料の製造業から歴史が始まりました。創業から90年以上の歩みのなかで、その時代に合わせてエネルギー事業を軸に、業容を拡大し、現在は、エネルギー・住まい・暮らしの総合サービス事業を展開しています。
その中で、皆さんの身近なところで活躍している製品をつくっている会社があります。
愛知県名古屋市に本社を構える株式会社シナネンゼオミック(以下、シナネンゼオミック)です。1984年に創業し、銀系無機抗菌剤「ゼオミックⓇ」を製造・販売しています。
「ゼオミックⓇ」は抗菌作用を持つ銀イオンと、菌を吸着するゼオライトを組み合わせた抗菌剤で、シナネンゼオミックが世界で初めて製品化に成功しました。
「ゼオミックⓇ」の仕組み図
抗菌剤と言うと、除菌液・殺菌液のように“液体”をイメージされる方がいるかもしれませんが、「ゼオミックⓇ」は“粉体”です。
そのため液体に混ぜたり、固めて練りこんだりと、加工がしやすいことが特徴で、様々な製品に適用されています。
粉体状の「ゼオミックⓇ」
用途の一例としては、家電製品、まな板や包丁といった調理器具、壁紙や手すりなどの建材・インテリア用品、衣類、日用雑貨品、化粧品、医療用具などが挙げられます。皆さんの普段の暮らしの中にも、実は「ゼオミックⓇ」が使用されているものがあるかもしれません。
シナネンゼオミックは国内外を問わず、抗菌作用を必要とする製品を販売するメーカーや、様々な素材を取り扱う商社・販売代理店を中心に、用途に応じて抗菌剤を提供しています。現在では無機系抗菌剤の専業メーカーとして国内トップクラスのポジションを確立しています。
■抗菌剤を少しでも多くの人へ。社会的使命を胸に戦う製造現場
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、その感染防止策として抗菌機能への注目度が一気に高まりました。シナネンゼオミックにも2020年の年明け以降、国内に留まらず、海外からも引合いが殺到しています。自社Webサイト経由での問い合わせ、メール、電話が止む日は一日もありません。中には、代理店からマスクの繊維に「ゼオミックⓇ」を使用したいと、大量の発注もありました。
できる限りご要望に応じようと、製造現場はフル稼働を続けています。その生産量はかつてない規模で、2020年度の年間売上目標を第1四半期の3カ月間で達成してしまったほどです。
シナネンゼオミックで20年以上にわたり抗菌剤の製造に携わってきた製造部 部長の烏山 欣也は、多忙を極める現場のなかで“社会的使命”を胸に、ものづくりに取り組んでいます。
「これだけ短期間で多くの引合いをいただいているのは初めてのことです。忙しさもかつてないほどですが、当社の抗菌剤を少しでも多く流通することができれば、その分、感染の抑止力につながるかもしれないと思うと、今こそ頑張らなければと気力が湧いてきます。自分たちが作る製品が、困っている人のためになり、社会の役に立つという実感がありますね」(烏山)
製造部のメンバー。前列一番左が烏山
より多くの生産ができるよう、製造ラインを稼働しながら設備の補強も実施しています。来年には、補強前と比べて約2倍の生産能力になる予定です。
スピードと量が求められるなかでも、品質には一切の妥協はありません。そこには抗菌剤メーカーとしての自負があります。
「『ゼオミックⓇ』は繊細なんです。用途や必要量によって、原料の配分や各工程での作業時間も変える必要があります。その微妙な調整の技術に、私たちが培ってきたノウハウがあります。どんなに引き合いが増えても、求められる抗菌作用を発揮できるよう、責任を持って、徹底した品質管理をしています」(烏山)
■自分の持ち場で抗菌事業を生かして社会貢献を
抗菌剤メーカーとして、今、社会のためにできることを実行しようと管理部門も動きました。全国で「STAY HOME」が続くなか、シナネンホールディングスと連携し、自宅でも抗菌について学べるWebコンテンツを公開しました。オリジナルのキャラクター「抗菌戦隊メタリックゼオ」が案内役として、お子様にも分かりやすく抗菌の仕組みを伝えます。
Webサイト:https://sinanengroup.co.jp/sustainability/download/zeomic.html
抗菌戦隊メタリックゼオ
さらに、夏休み期間の2020年8月には、株式会社毎日新聞社が主催する「毎日メディアカフェ夏休み出前授業」にて、小学生を対象に出前授業を実施しました。抗菌の仕組みを解説するとともに、手洗いや消臭をテーマにした実験を通じて、抗菌の大切さを伝えました。
出張授業の様子
出前授業で講師を務めた研究担当の梶浦 義浩は、抗菌の大切さを伝えるのも抗菌剤メーカーとして重要な使命だと強調します。
「多くの人の前で、しかもお子様向けに講師をするのは初めての経験でした。でも、お子さまはもちろん、付き添いのご家族の方からも『勉強になった』という声をいただいて、やって良かったと思いました。私のキャリアの大半は抗菌剤の研究です。これまで培ってきた抗菌に関する知識をお伝えするのも、自分だからできる社会貢献かもしれないと考えています」(梶浦)
プロジェクト担当
梶浦 義浩
子ども向けの施策の運営を担った経営企画部の加納 美貴も、事業を生かして、より多くの人の役に立ちたいという思いを強めています。
「年齢を問わず、多くの方が抗菌について関心を持たれていることに改めて気づきました。抗菌について正しい知識を持っていただくことが、自分の身を守ることにもつながります。こういう時代に、当社にこそできることがあるはずです。事業そのものに限らず、社会の役に立てることがあるなら積極的に取り組んでいきます」(加納)
経営企画部
加納 美貴
今なお、新型コロナウイルスの終息は見通せない状況が続いています。抗菌剤メーカーとして、シナネンゼオミックは、社員がそれぞれの持ち場で、自分なりの価値を社会に提供しようと試みています。その歩みは止まることはありません。抗菌剤メーカーとしてのプライドを持ち、抗菌事業を通じて社会に貢献していきます。
■株式会社シナネンゼオミックについて
シナネンホールディングス株式会社の100%子会社で、抗菌剤「ゼオミック」などの製造・販売事業を手掛けています。1984年に品川燃料株式会社(現・シナネンホールディングス)が株式会社シナネンニューセラミックを設立。銀と抗菌性ゼオライトによる抗菌剤の研究開発を続け、幾多の特許を取得。無機系抗菌剤のメーカーとしての礎を築き、1991年に株式会社シナネンゼオミックを設立。無機系抗菌剤のパイオニアとして、世界のトップメーカーへの道を歩んでいます。
■シナネンホールディングス株式会社について
シナネンホールディングス株式会社は、1927年に創業したエネルギー・住まい・暮らしの総合サービス事業を展開する企業グループの持株会社です。グループのミッションとして、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を掲げ、消費者向けのエネルギー卸・小売周辺事業、法人向けのエネルギーソリューション事業、非エネルギー事業(自転車・シェアサイクル事業、環境・リサイクル事業、システム開発事業、抗菌事業、建物維持管理事業等)を提供しています。
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