トライビート、B-R サーティワン アイスクリームのレガシーシステムをクラウドネイティブにリビルド、AWS移行を支援
企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービスを展開する株式会社トライビート(以下:トライビート)は、2019年末、B-R サーティワン アイスクリーム株式会社(以下:BR31アイス社)のフランチャイジー向け情報共有プラットフォーム『Web営業連絡書システム』のフル・リニューアルプロジェクトに参画、2020年10月に新システムをローンチしました。
このシステムは店舗運営に関する通達、キャンペーン情報など、本部からの情報を1,100店舗超のフランチャイジーに共有するツール で、2005年、オンプレミス環境でオリジナルシステムとして開発され、15年もの間稼働してきたものです。フロントエンドに当時全盛であったFlashを採用していたことから、2020年末のFlashのサービス停止に伴い、今回のシステム刷新の契機となりました。
トライビートが持つ数多くのクラウドマイグレーションの実績のなかでも、今回のような既存システムのリニューアル事案で、システムの根幹からドラスティックにモダナイズした事例は少なく、クラウドネイティブなデザインにすることで得られるメリットの大きさを体感したモデルケースとも言えるプロジェクトとなりました。
技術論はもちろんのことですが、それ以上に、関係者のマインドやコミュニケーション、信頼関係が成否の鍵であることを実感したプロジェクトでもあり、このストーリーはそれを綴ったものです。
〜スタートライン〜
ここ数年、BR31アイス社では、オンプレミス環境における老朽化したハードウェア、ネットワークの切り替えのタイミングで既存システムのクラウドへの移行を進めてきましたが、これらの移行はリホスト形式で行われ、ハードウェア、ネットワーク層の所有・管理コスト・運用負荷軽減という点での効果に留まってきました。
今回のプロジェクトは、「今までの移行の枠組みに囚われず "Something New" を提供してほしい」という、同社執行役員 情報システム室長 札川様の言葉から始まりました。
〜バックグラウンドストーリー〜
札川様は、1990年代のISDNが広まりつつあった当時、業務システムのアーキテクチャの主流がローカルネットワークベースのクライアント/サーバー(C/S)モデルあった中、インターネット接続をベースにWEBブラウザで動作するアプリケーションによる業務プラットフォーム構想を推進するなど、安定が求められる業務システムに、新しい技術を積極的に取り込むことを厭わない姿勢でBR31アイス社の情報システムを担ってきました。
「当時の取引先メーカーやシステム会社からの提案はC/Sシステムをベースにしたものばかりでした。私はもっとスマートでシンプルなシステムデザインにできないものか、という思いがあり、また、当社の多店舗展開志向のビジネスにおいて、各店舗に専用線を引き、端末を設置するという大規模かつ非効率な投資は避けるべき、という考えもありました。インターネット接続とWebブラウザをベースにした業務システム構築のアイデアの実現性、有効性には確信がありましたが、当時の回線やブラウザ(IEやNetscape Navigator)の制約は多く、そういったアーキテクチャを志向している開発会社やエンジニアも当時は少なく、たいへんチャレンジングな取り組みだったことが思い出されます。
システム構築には創造性や感性、加えて情熱とぶれない姿勢が必要といつも感じます。そしてストレス耐性や体力も。バスケットボールで例えるならセンター、東西南北に目配せしなければならない背番号4のリーダーといったところでしょうか(笑)。
ご存知でしょうか、"Something New"はビートルズのアルバム名からの引用です。前期の生演奏スタイルから後期スタジオ制作に変化していく中間時期のもので、悩みもがきながら新しいステージに向かおうとする姿勢が感じられる作品です。
良質なユーザビリティを越え、気持ちの良いユーザーエクスペリエンスを生み出そうとする取り組みにぴったりのフレーズではないでしょうか。」
(執行役員 情報システム室長 札川様)
〜キーファクター〜
「クラウド」、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が乱舞する昨今、システムをマネージする上での考え方や手法は、それこそ用語レベルまで激しく様変わりしてしまっています。旧来の手法で「今」を作ってきた人々にとっては、エンジニアリング実践の場でどのような変化が起きているかを掴みとることが難しい状況と言えます。
ホストするサーバーが実機からEC2に変わっただけ、といったクラウド移行がたくさん行われてしまう所以がそこにあると思います。
ソフトウェアスタックや、アプリケーションの構造に手を加えることや、固定化されていたシステム予算に対して従量で変動する利用料など、そのリスクをどう評価し、どう対峙してよいか分からないことが数々表面化し、ベンダーは担当者に、担当者は決裁権者に、相手に通じる言葉で説得力をもって伝えなければならないし、ある時には、決裁権者の考え方そのものの変容を促す必要すらあるかもしれません。
クラウド化のメリットを最大化し、トランスフォーメーションするための道具を手に入れるには、そういったコミュニケーションやリスクテイクの上で「やってみないと分からないこと」を受け入れる意思決定が必要ということだと思います。
今回のプロジェクトでトライビートが構想したリアーキテクトのアプローチも、その文脈の中で進められたものです。信頼をいただくまでの間のヒリヒリするようなコミュニケーションや紆余曲折、いろいろとありました。
最終的に目指す形"Something New"を形にすることができた要因は、その好奇心やチャレンジスピリット、洞察や概念的理解のもと、我々の構想に全面的な共感をいただけたところにあると思います。
〜BR31アイス社 札川様からのコメント〜
「保守的な提案を受けることが多いなか、今回のトライビート社との取り組みはたいへん刺激になりました。クラウドネイティブな設計によるシステムのモダナイズは、TCO削減、ビジネスの変容や成長に対する柔軟性・順応性の確保、問題が発生した際のレジリエンス向上など、メリットが圧倒的に大きいということを実感しました。今後も積極的にクラウドネイティブな設計によるシステムのモダナイズを実施していきたいと考えています。コロナ禍における消費者のマインドや行動が変容するなか、創る側目線、使う側目線、ビジネス目線を常に意識し、"Something New"を考える視野と姿勢と情熱をもってシステムの進化に努めていきたい。」
執行役員 情報システム室長 札川様
〜プロジェクトの概要・成果〜
プラットフォームにAmazon Web Services (以下、AWS) を採用し、クラウドネイティブな設計へ転換、さらに保守・運用プロセスの自動化を指向し、モニタリングツール Datadog、インシデント/通知管理ツール PagerDutyを合わせて採用し、システム開発〜保守、運用サイクル全般のモダナイズを実現しました。
- AWSフルマネージドサービス、サーバーレス技術の積極採用を行い、運用負荷を大幅に軽減
- UI / UXデザインの刷新
- Amazon Cognitoを採用、サーバーレス / マネージドの共通基盤を構築
- Amazon ECSを採用、コンテナオーケストレーション機構によりシステムの可用性、拡張性を確保
- AWS CodePipelineで本番適用プロセスを構成、完全自動化
- モニタリングツール Datadog、インシデント管理ツール PagerDutyを採用、自動復旧も含めた監視・運用の省力化、一部無人化、合理化
これらのアプローチにより、システムの柔軟性、拡張性、可用性、保守性を格段に向上させ、一方で運用負荷・コストを大幅に削減、加えて、共通認証基盤構築やシステム運用の一部無人化など、BR31アイス社の業務システム全体への波及効果も見込める成果を得ることができました。
〜DXへの想い〜
「デジタルトランスフォーメーション」を標榜する事業会社、開発ベンダーが急増していますが、ツール論や技術論、メソドロジー(=ハード面)に視野狭窄しているケースが多く見うけられます。それらは確かに必要な要素ですが、ある意味、簡単に手に入れることができるものとも言えます。むしろ、創発を生む組織組成や組織間の関係性、未知のものに対する洞察や概念的理解、リスクテイクと探索、共創といった要素(=ソフト面)を様々な枠組みを越えて携えられるかがポイントだと考えす。
トライビート 取締役CTO 高桑克幸
トライビートについて
トライビートでは、レガシーなシステムがビジネスの変容や成長の足枷になり、硬直化してしまっているようなケースにおいて、DXや新規事業展開における推進体制サポート及び、リアーキテクト形式でのシステム移行、リビルド、モダナイズまでを一貫して支援いたします。
その他、Datalake、DMPなどのデータ基盤、デジタルマーケティング基盤、顧客サービス基盤の構築、JAMStackによる静的サービスホスティングへの転換などで実績があります。
株式会社トライビート
代表取締役社長:佐藤隆弘
所在地:
〒106-0032 東京都港区六本木3-16-26
ハリファックスビル2F
TEL:03-6441-2058
FAX:03-6441-2059
URL:https://tribeat.com/
B-R サーティワン アイスクリーム株式会社
代表取締役会長兼CEO:ジョン キム
所在地:
〒141-0021 東京都品川区上大崎3-1-1
目黒セントラルスクエア16階
TEL:03-3449-0334
FAX:03-3449-8534
URL:https://www.31ice.co.jp/
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