20代チャレンジ社長が作る再エネの未来 ―太陽光0円設置の『未来発電』誕生秘話
未来発電は、一般の住宅に0円で太陽光発電設備を設置し、月々の電気代として料金をお支払いいただく、第三者所有モデルとかPPA(電力購入契約: Power Purchase Agreement)と呼ばれるサービスです。お客様の費用負担0円で設置ができ、都市部での太陽光発電普及促進につながるサービスとして期待されています。
2020年3月現在、株式会社Looop(本社:東京都台東区、代表取締役:中村創一郎)は、東京電力エリアと中部電力エリアで、未来発電のサービスを展開しています。2019年9月の未来発電の立ち上げから、チャレンジ社長として事業をけん引する嘉山準が、事業立ち上げを通じた成長ストーリーを語ります。
嘉山準プロフィール
2016年新卒で株式会社Looopに入社した27歳(2021年4月現在)。一般住宅向け太陽光0円設置の「未来発電」のチャレンジ社長。小学生の頃に地球温暖化がテーマの映画「デイ・アフター・トゥモロー」を見て強烈な印象を受けて以来、資源の無駄遣いを減らそうとしたり、ごみの分別を意識するように。学生時代は環境分野を中心に学ぶ。2019年、「20代のうちに事業を立ち上げる経験を積みたかった」というキャリアプランの通りに、未来発電のチャレンジ社長として事業立ち上げ。現在は事業拡大に邁進している。電力事業本部イノベーション創造部。
「0円設置」の仕組み
未来発電は、0円でお客様の住宅に太陽光発電設備を置かせていただいているのですが、その仕組みは太陽光発電設備と三つの矢印で説明できます。
まず、太陽光発電設備を設置するのはLooopです。この設備の所有者はLooopになります。お客様は、設備で発電した②の電力を自家消費していただきます。余った④の電力は、Looopが地域の電力会社に売電します。夜間、太陽光が発電しない時間帯はLooopが③の電力を共有します。お客様からいただく②と③の電気代と、④の売電収入でLooopは投資費用を回収します。このとき、②と③の電気代を地域の電力会社より安く設定しているので、お客様にとってもメリットが出るという仕組みです。
さらに、ご契約期間の10年が過ぎると、太陽光発電設備はお客様のものとなります。この設備はだいたい25年保証なので、残り15年間は②の電気代は0円に、④の売電収入はお客様のものになり、さらにお客様のメリットは大きくなります。
ところが、この仕組みをご説明して、お客様に腹落ちしていただくのが毎回ひと苦労。僕たちは最初のころ、「太陽光発電設備が0円でつけられる」という点を前面に押し出していましたが、それだと太陽光の仕組みのほうへ話が行ってしまったりして、成約しない。今は、Looopの電力小売事業「Looopでんき」の電力プランの一つとして、「太陽光発電設備もついてくる電気料金プラン」という位置づけにしています。そのほうが後の説明に納得しやすいのではないかと思っています。
20代のうちに事業を立ち上げたい
僕がPPA事業に初めて出会ったのは、入社後2年目に、長野支店で営業をやっていたころのことです。何か新しいチャレンジをしたいと思うようになったころ、Looop代表の中村に「新しい事業を立ち上げることが僕の入社当時からの目標だ」と話しました。「じゃあ、やれよ」と言って勧められたのが、未来発電のチャレンジ社長の社内公募でした。
迷わず手をあげたものの、いざやってみると、当たり前ですが苦労しました。今思うと、自分に判断の軸が無かったことが一番の原因だったように思います。未来発電は、自分が課題を見つけて構想した事業というよりは、代表の中村のアイデアに僕が共感してやろうとしたことです。事業を作り上げていく段階で、社長や役員にもいろんなことを言われます。最初のころは、それらを全て聞いてしまい、右往左往していました。
立ち上げから2年が経ち、今は未来発電はこうあるべきとか、こうしたいという思いが出来ています。ぶれない軸が出来、自分の考えや行動から新しいサービスが出来て、Looopや再エネの未来にとって未来発電は重要だという信念も確立しています。そうすると、未来発電にはそぐわないと思うことは、ありがたいご意見ではあるけど「あえて聞かない」という判断もできるようになりました。どこかで、その取捨選択ができるようになるタイミングがあったように思います。
相棒と一緒に事業拡大へ
2019年の未来発電の事業開始から、相棒として一緒にやってくれているのが松浦裕帆です。彼は僕の大学の同期で、大学院へ進んだ後、僕の2年遅れでLooopに入社しました。未来発電のウェブサイトを作ったり、チラシのポスティングをしたり、お客様のお家に現地調査にも行き、なんでも二人でやりました。事業開始直後は、2人が回れる東京都内限定でスタートして、2020年3月からは東京電力エリア全域に拡大。さらに2021年の1月からは、中部電力エリアでのサービスを開始しました。
2021年は未来発電を拡大する絶好のチャンスだと捉えています。2050年カーボンニュートラルが国の目標として掲げられ、地方自治体の助成金も増えています。また、Looopは新しいサービスをどんどん市場に投下し、未来発電との組み合わせで色んな選択肢を提供できるようになりました。例えば、非化石証書などを使って実質的に再生可能エネルギーとみなす「eneco(エネコ)」と、未来発電を両方契約していただくと、24時間100%再生可能エネルギーで生活することが個人のお客様でも可能になります。EVを所有されるお客様であれば、EV割などの電気代割引も提供できるし、自治体からの補助金も出る。未来発電をやらない理由がみつからないぐらいのお勧めのサービスになります。
課題は経済性です。未来発電には、屋根の大きさ・向き・形、住宅の築年数や構造にも制約があります。設置コストが下がれば、より多くの人に未来発電を使っていただけるようになるので、それをいかに実現していくかを考えています。
一人の百歩より百人の一歩
環境問題はなんでもそうですが、誰か一人が大きいことをするより、一人一人が実行できるようなことを考えないと、解決しないと思っています。未来発電は、普通の住宅に太陽光発電を設備費用0円で導入していただくもので、まさに百人の一歩ができるサービスです。
そのために、今後はとにかく提供エリアを広げたいと思っています。日本海側での実験的な取り組みも始めました。個人的には、事業をゼロからイチにすることはできたと思っていて、次はイチを十や百にすることをやりたいです。百人の一歩を実現することがゴールなので、しっかり大きくしないといけないと思っています。百人と言わず、何千軒、何万軒と増やしていきたいです。
<未来発電プレスリリース>
月額6,480円の電気代定額制サービス提供開始 太陽光0円設置住宅「IKI」限定
https://looop.co.jp/info/2247_20210308
太陽光設備が0円の電気料金プラン「未来発電」が中電エリアへ拡大
https://looop.co.jp/info/2135_20210119
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