広島の中小めっき会社からスローガン〝FACTORYからWACTORYへ〟が生まれた理由
広島の中小めっき会社が立てたスローガン〝FACTORYからWACTORYへ〟とは何なのか。
その理由と想いを同社代表取締役の新谷浩之が振り返ります。
Q会社について教えてください。
弊社(新和金属株式会社)は今年で創業62年を迎えるスタッフ90名ほどの広島の中小企業で自動車関連部品等へのめっきを主な仕事としてやっております。
Q会社を変えようと思ったきっかけはあったのですか
弊社は祖父が創業した会社で父親が2代目として順調に売上を伸ばしてきましたが、自分が入社した2008年ごろの会社の雰囲気は暗く、製品の不良がでては得意先に怒られる日々が続き、休みが取れず疲弊している人が多くみられる状態でした。また営業で得意先を回っていても仕事は生活のためにするもので楽しいものではないのが当たり前という声が多く、やりがいを持って仕事をしている人に出会う機会は多くありませんでした。
2012年に29歳で社長になりましたが、トラブルは多く、大きな問題から片づけていくような日々でした。
そんな中、2019年の創業60周年までに見せられる工場にしようと2017年に3ケ年計画を立て、イメージに合う会社を探していました。そこから紆余曲折あり、2018年の西日本豪雨災害での不思議な縁から協力してくれる業者と出会い、60周年記念パーティーに向けて会社をブランディングしていく中で、会社の歴史を調べ、スローガンを決めることになったのがきっかけになりました。
Qスローガンはどのように決まったのでしょうか
会社の歴史を調べていくと、新和金属の名前の由来は新谷の新とスタッフ同士仲良くやってほしいの〝和〟で新和となった話や、若くして亡くなった創業者の奥さんが、性別や年齢、障害の有無や立場に関係なく同じように接する人で誰からも慕われており、現場含め様々な面で会社を支えていたという話を聞くことができました。そして自分自身も自己肯定感の低い子供であったことや身近な人を社会の偏見もあり亡くしてしまった経験があり、偏見のない人材登用をしようと決めていました。
そこから〝FACTORYからWACTORYへ〟というスローガンができました。
WACTORYのWAには3つの意味があります。
①創業者の思いであったスタッフ同士仲良くという「和」
②自分の価値観や、創業者の奥さんが大事にしていた、性別や年齢、障害有無等関係なく同じように接し短所を見ずに得意を生かすという「枠取り」
③仕事は楽しいものではないという業界の当たり前を変えたいという「ワクワク」。
この3つの思いを込めています。
Q現在・今後の取り組みについて教えてください
2020年本社事務所1Fを全面改装し地域の人にも利用してもらえるようにとWACTORYコミュニティスペースを作ったり、ラボスペースを見ることができる設計にしました。
また人事評価制度を大きく見直しWACTORYの考え方を実践することを評価するようにしており、採用は障害や特性のある人や地域の人からの紹介といったことも増えてきました。
今後はコミュニティスペースを利用して新たな価値創造やスタッフ含めWACTORYの考え方に共感してくれる人のなりたい状態へつながるマッチングに力を入れていく予定です。
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