30人弱で3億人のエンドユーザーを支えるクラウド技術者集団ができるまで
grasys(グラシス)は、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなどの技術を活用してクラウドインフラやデータ分析基盤など、ITシステムの見えない土台部分を設計・構築・運用するIT企業です。
2014年11月に代表の長谷川祐介が創業し、従業員数は現在40名で、そのうち30人弱がエンジニアです。少人数ながら、のべ3億人超のエンドユーザーのアクティビティを支えており、全世界で数百万人のプレーヤーが利用するオンラインゲーム基盤や、世界的人気メディア・ブランドの「VOGUE」のWebサイト基盤など、大規模なクラウドインフラを多数構築してきました。
また、近年DXが注目される中で需要が高まっているデータ分析の分野では、1日兆単位のデータを処理するデータ分析基盤を運用しています。
自身がエンジニアでもある代表の長谷川が、なぜ起業を決意し、どのように少人数で億単位のエンドユーザーを支える技術者集団を作り上げたのかをお話します。きっかけは技術者としてコミットしていた企業が買収されたことでした。
代表 長谷川祐介
企業は誰かの持ち物。買収からの気付きが起業の決断に。
20代の間に様々な企業でシステム開発の経験を積んだのち、私はソーシャルゲームの開発・運用を手がけるGMS(後のgloops)に10人目の社員として入社しました。
会社は急成長を遂げ、2012年には従業員数が700名以上に増え、私自身も本部長として350名の部下を持つことに。国内のモバイルトラフィックの1/8を瞬間的に1社で処理するほどに企業は成長して、私たちエンジニアは日々夢中で働いていました。ところが、2012年10月にgloopsはネクソンに買収されることになります。
そのときに気がついたことは、企業は誰かの持ち物だということです。誰かの意図で、一瞬で180度変わってしまうものだという現実を目の当たりにし、この頃から起業しようと考え始めました。
エンジニアは技術を追求するところがあるのですが、それは時にビジネスと相反することがあります。現場を指揮していた私は、会社の買収によって、傷ついたエンジニアの姿を目にしました。技術で貢献しようとするエンジニアの想いに応える環境を作りたい、エンジニアが安心して技術に夢中になれる会社を作ろう、と思うようになりました。
その後、日本でまさにGoogle Cloudのビジネスを立ち上げていた元Google Cloud Platform 日本事業統括 塩入賢治氏と出会い、Google Cloudを起点として起業することを決意しました。
「grasys」という社名は、スペイン語で感謝を意味する「gracias」と英語の「system」を掛け合わせて作られました。まだ実績がなかった当時、仕事を依頼してくださったお客様に対する感謝の気持ちを込め、名付けました。
今でも社内の全体会で毎回社員に、「活躍できる世界に感謝すること」と伝えています。システムを通じて社会貢献をするという想いは創業時から一貫しています。
grasysのオフィス入り口
システムの向こう側には人がいる。コンピューターに向き合いっぱなしだと忘れがちな当たり前。
「努力ではなく夢中であれ」という精神を大事にしているgrasysには、技術が好きなエンジニアが集まってきました。
コンピューターが好きで夢中になれる人がエンジニアとしてはやはり一番強いと思っており、ある分野に特化した高い能力を持つ、こだわりが強くエッジの効いたエンジニアが多く活躍しています。
grasysのポリシーとして、お客様のお客様(エンドユーザー)はgrasysのお客様でもあり、システムの向こう側には「人」がいるということを常に意識しています。そのユーザーに何らかの利便性や体験を安定して届けることが我々の使命です。
単なるITインフラの外注企業ではなく、顧客のビジネスを考え、顧客と一緒にシステムを作っているという強い想いがカルチャーとして強く根付いています。この想いのもと、grasysはビジネスパートナーとして、お客様と二人三脚で成長してきました。
2015年、創業から間もない時に出会った当時同じくベンチャーのCapy株式会社は、誰もが一度は使ったことがある、パズルのピースを絵にはめることでログイン認証をする不正ログイン対策ツール「パズルCAPTCHA」を開発・提供しています。
grasysはCapyさんのシステムのインフラをGoogle Cloudへ移行することで、コストを20%削減しつつ、システムのパフォーマンスを30倍にすることに貢献しました(2020年12月時点での計算)。
Capyさんとは今でもシステム運用を通して長くお付き合いしています。grasysは縁の下の力持ちとして、インフラ運用を通じてさまざまな企業を支えています。
Capy株式会社の「パズルCAPTCHA」
また、grasysが圧倒的な規模と密度のシステムを運用させていただけるようになった経緯として、私自身がゲーム業界出身で、今でも多くのゲーム業界のお客様を抱えているという特徴があります。
近年のゲーム業界は、スマホゲームやコンシューマーゲームなどのあらゆるジャンルにおいて、オンラインを介した遊び方が増えています。それに伴い、サーバやネットワーク構築の重要度はさらに増しており、大規模トラフィックが発生するオンラインゲームでは、ユーザーにストレスなくプレイしてもらうための的確なインフラ設計・構築・運用が欠かせません。
ゲームは1回1回が真剣勝負で、1秒の遅れがゲームの質に大きく影響するのでシステムの遅延は許されません。このようなシビアな条件が要求される業界で、グローバル展開されているモバイル・コンソール向けゲームの大規模かつ高負荷・高密度なインフラも多く作り上げてきました。
相手の立場に立つ想像力と課題解決という明確な存在意義
grasysが成長し続ける背景には、相手の立場に立って想像し、課題解決を提示するエンジニアの力があります。クライアントやその先のエンドユーザーの立場に立ち、システムの課題を抽出して解決策を示し、お客様がビジネスのコアとなる商品開発に集中できる環境を作り出すことが重要であると考えています。
また、grasysではKubernetesやTerraformなどオーケストレーションツールを多く活用し、システムの運用効率が最適化されるようにはじめから設計された「攻めのインフラ」を提供しています。一番期間が長く、その分コストもかかる運用フェーズを最適化する仕組みを初期の段階から設計に組み込むことで、お客様のコスト削減にも貢献しています。
grasysは課題解決のために存在し、逆に言えば、システムにおいて課題がない会社にとっては価値がない企業であると考えています。しかしながら、加速度的に企業のクラウド活用は拡大しているなかで、grasysが貢献できる領域は今後さらに増えていくと考えています。
これからも、皆様が抱える課題を一緒に考え、解決する技術者集団としてgrasysは存在し続けます。
■会社概要
社名:株式会社 grasys (グラシス)
設立:2014年11月13日
所在地:〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-3-10 ファイブアネックス4F
■STORYに関するお問い合わせ
Email: marketing@grasys.io (広報担当 石田)
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