対面できなくても子どもたちに自発的勉強を促す「学研教室」の先生と会員、そして保護者の絆
小学生から高校生までだけでなく、保護者の協力も不可欠な0・1・2歳、年少から年長にまで、幅広い子どもたちに“学び方”を教え、“自分で考える力”を育てる「学研教室」。これまで、対面指導前提だった教室は、コロナ禍で従来通りの活動を続けることができなくなった。しかし、「学研教室」は子どもたちの学びを止めない。そのために一体どんな取り組みをしたのか。学研エデュケーショナル 教室事業推進室 室長 角谷美紀が語った。
手探りだった一斉臨時休校・緊急事態宣言下での教室
「全国一斉臨時休校、最初の緊急事態宣言下では、子どもたちが外出を控えなくてはならなくなり、教室も対面での学習を諦めざるを得なくなりました。全国1万5000教室の先生が対応しきれるかもわからない状態。ですが、学年末、そして学年の初めというのは子どもにとって学習の総点検を行い、次の学年への橋渡しをする大切な時期。
そのようなときに学校が休校、さらに塾にも行けないとなり、学ぶ手段がなくなってしまうのはよくないと、まずは家庭学習用に教材を各ご家庭に配布し、必要に応じて電話やビデオ通話で相談に乗るという形での対応をスタートさせました。
先生方がご家庭に直接宿題を届けたり、保護者の方に教室まで取りに来ていただいたりする形でしたね」
直接会うことは叶わなくても、教材の採点をして、そのやりとりでコミュニケーションを取ったり、わからない部分の相談に電話で乗ったりということは、オンライン環境が整わない状態でも積極的に行っていった。
「もともと学研教室は、1から10までお子さんにつきっきりで教えるわけではありません。子どもたちがひとりで取り組むことを前提に、先生方が一人ひとりの学力に沿った課題を選んでいく。ですから、コロナ禍以前から学研教室に通っていたお子さんは、すでにひとりでも学習ができる状態でした」
その後、Zoomなどを使用したオンラインでの教室も少しずつ開かれるようになった。
「Zoomですと複数のお子さんとのやりとりも可能なので、教室に近い形での学習ができるようになりました。開始時間と終了時間を決めることで、どうしてもだらけてしまいがちな自宅学習も集中して行える。他のお子さんが頑張っている姿を見られることもあり、モチベーションの維持にも役立ちました。
保護者の皆さまからは、『先生が見てくれることで安心できた』『家でだらだらせずにメリハリのついた生活ができた』と喜びの声もいただけました。早起きを促すために朝に時間を設けたり、保護者の方がいないと機器が使えないご家庭のために夜に教室時間を設けたりと、子どもたちやご家庭に寄り添い、柔軟な対応をすすんでしてくださった先生方には、大変感謝しています」
また、特例として教室に入っていない兄弟・姉妹向けのサポートも用意した。
「学習が止まって困っているのは教室に通っているお子さんだけではない。例えば、きょうだいのうちのひとりしか通っていないご家庭に、弊社の判断できょうだいの方にも教材を提供したんです。もちろん、そこから無理に入会を勧める、などはしていません。
そうすることで、保護者の方との信頼関係もより一層積み上がっていきました。また、普段、保護者の方は直接教室学習をしているところを見る機会がないので、家でオンライン学習をしている様子を見たことで我々を非常に信頼してくださり、強い関係もできあがっていきました」
先生が時間を子どもたち・ご家庭の事情に合わせられることは、0・1・2歳児や幼児に対しても抜群の効果を得た。
「幼児は機器が使えませんから、保護者の方のサポートが絶対に必要になる。コロナ禍で生活習慣に変化があった保護者の方も多かったですから、そこに柔軟に対応できたのも大きかったですね」
複合的学習から鉛筆の持ち方まで、学校以外でも役立つ学びを
2020年10~11月には「学研の学力診断2020秋」も実施し、コロナ禍での学習に変化があったかどうかも総合的に判断した。
「学研教室は、算数と国語の同時学習を促しており、結果的に通ってくださっているお子さんたちは学力が高い傾向が出ました」
同時学習をすることで、複合的な読解力が増す。低学年時に計算問題は得意だったが、高学年になり文章題が出るようになって成績が伸び悩んでしまったお子さんの中には、学研教室でみっちり復習し、成績アップができた子もいるそうだ。
また、学研教室は学習指導だけでなく、子どもたちに鉛筆の持ち方から教えている。鉛筆の持ち方ひとつで、成績はもちろん、集中力が大幅にアップしたお子さんもいるそうだ。
「算数は計算力が大事だと思われがちですが、何を問われているのかを理解する力も必要です。自分が何を求められているのかを理解したり、それを相手に伝えたりする力というのは、勉強だけでなく、将来社会に出てからも必要なことです。
また、計算は大得意だけど、ずっと握り持ちでしか鉛筆が持てない……とお悩みの保護者の方が、体験にいらした日に正しく持てるようになった! と喜ばれることも多いです。鉛筆は、正しく持てるようになると姿勢がよくなり、長時間鉛筆を握っても疲れなくなります。そうすることで、長く学習に集中できる。
解答が正解であればいいのではなく、正しい姿勢や自ら取り組む意欲など、“学びに向き合う姿勢”を学んでほしいというのは、学研教室が大前提としている考え方です。学校の勉強ができるだけではなく、社会に出てからも通じる学びを得てほしい。そんな気持ちで先生方はお子さんたちと向き合ってくれています」
その後、2回目、3回目の緊急事態宣言が発令された。
「学研教室はご自宅を教室にしている先生も多く、どうしても教室を開く、となるとお子さんは密になってしまう。弊社でガイドラインを設け、教室に入れる人数を半分にする、時間をずらすなどの対応をしていただいていますが、現時点では入りきれない場合もあり、教室を行う曜日を増やすなどで対応していただいています。
また、保護者の方の要望もあり、現在はオンラインと対面の両方で教室を開く形で進めています。教室で直接お子さんと向き合っている先生方からは、オンラインでの学びに役立つ様々な提案をいただき、それを他の先生に共有したりして、対面に劣らない教室になるように心がけています」
今後も、対面とオンラインを両立させていく予定だ。
「将来的には、以前のように対面指導が行えることが最良と考えています。それは、対面でないと感じ取れないこと、対面で集まるからこそ、子どもたちが学べることがあるからです。学研教室は同じ学年の子たちだけでの学習ではなく、様々な学年の子どもたちが机を並べて学習します。そこで培われる、他者の姿から学ぶ力や、他者への思いやりなどは、オンラインのみではなかなか難しい。
今回、オンラインでも指導を行うことができたのは、先生方が対面で培った経験があり、お子さんのくせや得意なもの、苦手なものをわかっていたから。どうしたらお子さん一人ひとりが頑張って学習できるかを理解していたからこそなんです。
学校がお休みの間に遅れていた分を取り戻し、予習までできるようになったというお声もいただきました。それは、学校がお休みになってからも、自ら学ぶ姿勢を大切にする学研教室だからこそだったと感じています」
子どもたちの自発的な学びを促し、やる気を引き出す。きめ細やかで温かいサービスを、これからも続けていく。そして将来、大人になったときにも役立つ学習を提供する。それが学研教室なのだ。
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ