指1本でタイピングしていた 「ど素人」が、世界的人気Webメディアのクラウドインフラを支えるエンジニアになるまでの挑戦
株式会社grasys(グラシス)は、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなどの技術を活用してクラウドインフラやデータ分析基盤など、ITシステムの見えない土台部分を設計・開発・構築・運用するIT企業です。
grasysのCloud Infrastructure Divisionで活躍するインフラエンジニアの角田は、入社当時は人差し指1本でタイピングしていたパソコン初心者でしたが、独学でシステムやクラウドインフラについて学び、今ではGoogle Cloud Certified Professional Cloud Architectの資格を持つ、第一線で活躍するエンジニアです。
角田は現在、『VOGUE』や『GQ』などの世界的メディアを展開する合同会社コンデナスト・ジャパン様のシステムインフラのAWSへの移行・運用プロジェクトを担当しています。元「ど素人」の角田が、どのようにして大型案件を任されるインフラエンジニアになれたのか、またその過程でどのようなシステムインフラを担当してきたのか、話を聞きました。
インフラエンジニア 角田
クラウドインフラをゼロから独学し、3年で世界的Webメディアのインフラ運用担当に
2016年2月に、エンジニアではなく、クラウドシステムの監視要員としてgrasysに入社しました。当時は人差し指1本でタイピングしているようなIT初心者でしたが、クラウドシステムの監視要員として働きながら、周りのエンジニアがシステム開発をしている様子を見ているうちに、エンジニア職に興味を持ち始めました。そこで、参考書からサーバやネットワークなどの基礎的な知識を学び、単語帳作って暗記しながら、1年ほど独学でシステムについて学びました。苦手だったタイピングは、「寿司打」というフリーのタイピングゲームなどで練習を重ねて克服しました。grasysは社長をはじめ社員の大半がエンジニアの技術者集団なのですが、独学でエンジニアを目指す私を応援してくれて、クラウドインフラの設計・構築・運用を担うCloud Infrastructure Divisionのインフラ運用チームに参画する機会をいただけました。かくして私は、Linuxコマンドを2~3個だけ持って、エンジニアの世界に飛び込んだのです。
このインフラ運用チームの業務ではじめてGoogle Cloudに触れるようになるものの、最初はドキュメントを読んでもよく分かりません。そこで、今度はサーバやネットワークなどの基礎知識を身につけるために単語帳を作って勉強しました。私が実際に読んで、とても勉強になった書籍を参考までにご紹介します。
読んだ本を一部抜粋:
・イラスト図解式 この一冊で全部わかるサーバーの基本(きはら まさひろ氏 著)
・イラスト図解式 この一冊で全部わかるネットワークの基本(福永 勇二氏 著)
・新しいLinuxの教科書(三宅 英明氏, 大角 祐介氏 著)
・Google Cloud Platformエンタープライズ設計ガイド(遠山 陽介氏/深津 康行氏/中庄谷 哲平氏/小島 仁志氏 著)
基礎知識の書籍ばかりですが、知識が無かった当時の私にとっては救世主のような存在でした。また日々の業務では、周りのエンジニアの会話を聞きながら、分からない単語が出る度にメモをして、その日の終わりにメモした単語を全て自分で調べていました。
そのようなことを繰り返し、独学での勉強を続けながら2~3年仕事をするなかで、ようやくGoogle Cloudが分かるようになり、3年目にはGoogle Cloudのインフラ運用のメイン担当を任されました。その後、4年目にはGoogle Cloud Certified Professional Cloud Architectの資格も取得することができました。
快適なユーザー体験のため、実績の少なかったAWSでも一切妥協せず「攻めのインフラ」を実現
その後は、Google Cloud以外のクラウドの開発・運用スキルも身に付けていきました。grasysはGoogle Cloudを中心としたシステムを手がけていましたが、昨今の企業のマルチクラウドのニーズに応えるためにAWSやAzureの開発・運用も行うようになり、私自身も現在はAWSを活用したクライアントのインフラ運用に携わっています。
担当しているクライアント企業のうちの一社が、合同会社コンデナスト・ジャパン様(以下、コンデナスト社)です。コンデナスト社は、世界中で人気のある『VOGUE』、『VOGUE GIRL』、『GQ』、『WIRED』、『VOGUE Wedding』を展開するグローバルメディア企業です。弊社とコンデナスト社とは長年のお付き合いがあり、もともとオンプレミスからGoogle Cloudへ移行し、運用を担っていたのですが、グローバルでクラウドをAWSに統一するという決断をされたため、すべてのWebメディアのシステムをAWSへ移行しました。
Google Cloudを中心にシステムの設計・構築、運用保守を手掛けてきたgrasysでは、当時AWSの実績がまだ少なかったこともあり、慎重を期してまずは自社内のテスト環境でAWSのプロダクトを検証し、最適なシステム構成を検討しました。入念な社内検証を経て、実際のシステム内にテスト環境を構築し、それから本番環境に実装しました。
200〜300倍ものアクセス集中時でも安定稼働するクラウドインフラを提供
普段皆さんが利用しているオンラインサービスの裏にはシステムインフラが存在し、その安定稼働のためシステムインフラを設計、構築、24時間365日運用保守するエンジニアがいます。インフラを最適な状態にチューニングをすることは、ユーザー体験の質を担保する上で非常に重要です。なぜなら、急激なアクセス増加によってサーバがダウンし、オンラインサービスにアクセスできないなどの問題が生じてしまうと、ユーザーが快適にサービスを利用することができないからです。
コンデナスト社のようなグローバルメディアでは、アクセス集中時にいかにアクセス負荷を効率よく捌けるかが重要です。例えば、『VOGUE GIRL』の人気コンテンツのひとつに「しいたけ占い」がありますが、テレビ番組などで紹介があると通常時の200〜300倍もの巨大なトラフィックが一気に集中することもあります。
そういったスパイクするような高負荷にも耐えられるように、キャッシュ(サイト情報を一時的に保存する技術)やロードバランサー(アクセスを振り分ける技術)を使ってアクセス負荷を分散する工夫をしています。
また、事前にコンデナスト社からテレビへの露出日など負荷の増加が予測されるスケジュールをお伺いして、そのタイミングに合わせてキャッシュを長く保持するなど、負荷がかからないように調整しています。
コンデナスト社のコンテンツは世界的に有名なので、その分サイバー攻撃のリスクもあります。今回の移行では、 AWSのWAF (Web Application Firewall)を使って攻撃を素早くブロックできる構成をとっているので、セキュリティの観点でもサーバを安定稼働できています。
目指すのは常に最適なインフラを提案できるインフラエンジニア
かくして応援してくれる仲間の支えや、仕事での経験の蓄積を通じて、入社当時はタイピングすら覚束なかった私も、一人前のインフラエンジニアとして活躍の場をいただけるようになりました。
変化の激しいIT業界の中でも、特にクラウド技術の発展は目まぐるしく、新しいプロダクトや機能アップデートをキャッチアップするだけでも大変です。これからも初心を忘れずに技術を勉強し続けながら、お客様に常に最適なシステムインフラを提供できるエンジニアを目指したいと考えています。
■会社概要
社名:株式会社 grasys (グラシス)
設立:2014年11月13日
所在地:〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西1-3-10 ファイブアネックス4F
■STORYに関するお問い合わせ
Email: marketing@grasys.io
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