人事労務担当者のキャリアを広げ、活躍の場を提供したい。認定資格「SmartHRマスター」立ち上げ裏話
2020年11月、クラウド人事労務ソフトSmartHRは提供開始から5年を迎えました。5年以上にわたり多くのお客様にSmartHRを使っていただく中で「SmartHRを使えること」を強みとしてキャリアアップにつなげてくださっている、といった話が聞こえるようになっていました。
SmartHRが人事労務の効率化という直接的なメリットだけでなく、人事労務担当者の方々のキャリアアップに貢献できるようになったのは、とても光栄なことです。これらの活動をSmartHRとしてもっと後押ししたいと考えたことに加えて、人事労務担当者がSmartHRを使いこなすことで「働きやすい会社が増えてほしい」という思いも重なり、認定資格制度のプロジェクトが立ち上がりました。
今回は、「SmartHRマスター」のプロジェクトを担当した4名に、プロジェクトの裏側を聞きました。
(写真左上から時計回りに)株式会社SmartHR
カスタマーサポートグループ 野崎勤
カスタマーサポートグループ 上田あずみ
マーケティンググループ 荒木彰
カスタマーサクセスグループ 河野由那
SmartHRらしい資格制度ってなんだろう?
プロジェクトの立ち上げから、どのように進めていったかを教えてください。
河野:
プロジェクトはマーケティング、カスタマーサポート、カスタマーサクセスの各グループからなる混成チームで進めました。
ブランディングの観点での位置付けやメッセージを考えること、正確で網羅的な試験問題を作成すること、それを構築して顧客に届けること、それぞれ考慮すると自然とこのメンバーになったのですが、社内でも珍しい座組みだったかもしれません。
立ち上げ時点でメンバーそれぞれの役割は明確に置きつつも、まずは「SmartHRらしい資格制度ってなんだろう?」というイメージを固めていく工程を、メンバー全員で丁寧にやっていきました。
荒木:
国内外にある「ソフトウェアの認定資格」がどういったものなのかをリサーチしながら、長期的に「SmartHRの認定資格」が目指したいのはどんな姿か、可能性や理想を広げつつ、そこに至るまでの現実的なステップを固めていきました。
河野:
そうなるまでに何年かかるだろうってくらい理想像すぎる理想像を掲げましたが、時間をかけてプロジェクトを進めていくなかで、複数の選択肢が出てきて判断に迷う場面が出てきます。
そういう場面で「最終的に目指したいゴールはどこか」があると判断がブレなくて済むので、意外と大事なことだったなと思います。
「SmartHRマスター」というネーミングの背景は?
荒木:
「持っていたくなる資格名」にすることを大事にしました。
資格制度をつくることではなく、ユーザーに受験してもらうことが目的なので、サイト上のメッセージなども入り口のハードルを下げることを意識しました。
「受験のハードルは低く、合格のハードルはそれなりに高い」を当初から方針としており、実際に蓋を開けてみたら試験の難易度がなかなか高かったので、入り口としてはいい塩梅になったかもしれません。
ネーミングを考える上で、はじめは認定資格制度としての権威性も考慮するポイントとして置いていましたが、最終的にはそこに寄せない名称としたことで「SmartHRらしさ」につなげられたかなと思います。
チャットサポートの豊富な経験と知見から問題を作成
「認定試験」となると問題の精度が重要になるかと思いますが、問題はどのように作成したのでしょう。
河野:
プロダクト全般にわたる知識が求められることに加え、ユーザー視点での機能理解の勘どころを押さえた問題にする必要があると思ったので、カスタマーサポートグループでチャットサポートを担当している上田さんと野崎さんに参加してもらいました。
試験骨子や出題範囲を私のほうで設計して、出題テーマの洗い出しや問題作成を2人に担当してもらい、最後に私が文言統一や全体のバランスを調整する進め方をとりました。
野崎:
業務の中で、チャットに寄せられる問い合わせを機能ごとなどに分類して目を通しています。ユーザーがよくつまずいているポイントを参考に、出題テーマを決めていきました。
問い合わせを通じて見える「この部分を理解できていないから、こういう問い合わせにつながっているのかも」というポイントを踏まえた問題も出題しています。
上田:
ユーザーから寄せられた機能要望にはすべて目を通すようにしているので、そこからユーザーがSmartHRでやりたいことの傾向をおさえた上で、チャットサポート担当としての所感とすり合わせましたね。
問題を作成する上で意識した点や難しかったポイントは?
野崎:
「ユーザーがプロダクトを利用する上で、理解していることが本当に役に立つことかどうか」を意識しました。
マニアックになりすぎないように、日頃からよくいただく問い合わせや、ユーザーがつまずきやすいポイントを参考にしましたね。
上田:
問題のレベル設定は難しかったです。チャットサポートのメンバーなら当然に分かることでも、ユーザーの立場に立ってみるとどうなんだろう?と悩むところがありました。ちょっと捻って作ってみたらマニアックな問題になってしまったり。
河野:
出題形式や事前の認識合わせはもちろんしたのですが、作ってみないと分からない部分はあると割り切って、まず各々で作成してから調整していくという工程を取りました。3人でチェックする機会を細かく設けたので、その過程で自ずとレベル感の調整ができた印象です。また、正式リリース前に社内にテスト公開した際、SmartHRを開発しているプロダクトマネージャー陣が問題へのフィードバックをしてくれたので、そこでも「本質的な機能理解」の観点での調整ができたかなと思います。
野崎:
ヘルプページに載っている情報で答えられる問題もありつつ、あえて難しくした応用的な問題も出題しています。答えが分からなかった問題でも、正解を探っていただく過程でSmartHRの理解が深まるはずなので、そこからいろいろな機能や仕様に興味を持っていただけたらうれしいです。
SmartHRマスターに、挑戦と活躍の機会を提供したい
リリース後の反響をどう受け止めているか、また今後の展望を聞かせてください。
野崎:
公開前にほかのチャットサポートのメンバーから「難しすぎませんか?」と言われていたこともあり、ユーザーがどう受け止めてくださるかが気になっていたので、たくさんの方が挑戦してくださっていて安心しました。
SNSでのコメントを見ていても、出題の狙いに気づいてくださっている方や、この資格制度の意義を見出してくださっている方もいてうれしかったです。
今後も発信し続けていきたいなと思っています。
上田:
最初は合格ラインをもっと高く設定したほうがいいのかとも考えていたのですが、社内外問わず挑戦してくださった方が手こずっているのを見て、ちょうどいい難易度を設定するのは難しいなと思いました。
でも、「難しいけど面白いですね」という声をいただけたり、実際の合格率も想定していた数字に近い割合になっているので、とりあえずはほっとしています。
また、何度も受験して合格してくださった方もいらっしゃるので、「SmartHRマスターになりたい」と思っていただけているのかなとうれしく見ています。
荒木:
今後は資格を取ってくださった方がどんな活躍をされていくかを見ていきたいですし、活躍していただくための場をSmartHRとしても提供していきたいですね。
ユーザーコミュニティの動きも本格化していくので、そちらとの連動などを考えています。
上田:
SmartHRマスターが増えたら「ユーザー同士で教え合う」環境が生まれたり、私たちチャットサポートの活動にも活かせそうな期待がありますね。
河野:
加えて、今後は興味を持ってくださった方がSmartHRの機能理解を深めて試験に合格できるよう、学習や挑戦の場を広げていきたいと考えています。
「SmartHRマスターになりたいけど、まだなれそうにないな」という方も、ぜひ目を離さずにチェックしていただけるとうれしいです。
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