心身のバランスを崩した私を救った「つくる」「ふれる」で世の中へ恩返し
Phantasmagoria(ファンタスマゴリア)合同会社は
創業3周年を迎える、
『“つくる”“ふれる”で暮らしをゆたかに』をコンセプトに
児童向け造形教室とソーイングFab.スペースを運営する会社です。
代表の上田睦(カミダムツミ)は
コマーシャル空間の設計を主にデザイナーとして15年間企業に勤務した後、
2018年phantasmagoria合同会社を設立し。
tema x hima をオープンさせ3周年を迎える。
数字に疎い雇われデザイナーが企業から飛び出し、
1からスモールビジネスを立ち上げ、日々四苦八苦しながら、
それでも「つくる」「ふれる」の価値を信じ創業するに至ったお話しをいたします。
「早い」「安い」「簡単」を求めてばかりの生活に
コロナ禍やSDGsなどを通じて、
何ができるのか?どんな未来を子供達に残せるのか?
疑問の湧いてきた皆さんに読んでいただけたら嬉しいです。
きっかけは未曾有の大災害
はじめは、東日本大震災がきっかけでした。
当時2才の保育園児だった長女の元に辿り着くまでに
勤務地から直線5キロ程度であるにもかかわらず、混乱の中で6時間もかかったのです。
その後、帰宅困難者対策条例が制定され、
都心に勤務する多くの方の場合、災害時はその場に留まりることが定められ、
私の気持ちは益々不安になり、子供のそばで働く道を模索し始めたのでした。
出産をきっかけに長く離れていたソーイングを再開して、子供の服や雑貨を作ることで、改めて自分の手で作ることがとても楽しくなっていた時期でもあり、
この気持ちを共有することで周りの方も幸せに出来ないか?
というほんの淡い気持ちでした。
ですが、リーマンショックの”産休切り“を乗り越えての復職だったこともあり、
先行きの見通せない独立は全く現実的ではありませんでした。
さらに社内のワーキングマザー事業に参画したり、業務の裁量が与えられる中で
会社員としてのやり甲斐にも目覚め、その想いはどんどん遠ざかっていきました。
2度目のきっかけはオーバーワーク
そんな中、二人目の子供を出産。そしてまた復職。
キャリアへの焦りもあり、一人目の時とは比べ物にならない程の
ハードワークをすることとなりました。
そしてついには心身のバランスを崩し、休職。
ピンと張っていた糸はプッツリと垂れ、
日常の家事さえままならない状態に。
そこから脱することができたのは、
「手づくり」のおかげだったのです。
買い溜めておいた、作り方の本や材料を引っ張り出し、
とにかくやってみる。下手だけど何かができる。
すると次の日も何かを作ってみたくなることを繰り返すうち
出来上がると満足感と充実感で幸せな気持ちがわき、
家族や友人に見せたくなったりすることで、外に出ていく意欲になりました。
「つくる」ことで癒され、心のしなやかさを取り戻したのです。
それが“レジリエンス”と呼ばれることを後になって知りました。
やっぱり「つくる」の力を伝えたい
そんな時、あの気持ちがまた蘇ってきたのでした。
ソーイングにかぎらず、「つくる」ことを伝えて周りの人を幸せにしたい。
そこには、子供たちの姿も含まれていました。
なぜなら、娘のトマト嫌いをなんとかしたいと
ベランダ菜園をすると毎日甲斐甲斐しく水をやり、
葉っぱが増えた、枝が伸びたと一緒に成長を見守ったことで、
実ったミニトマトを愛しそうにパクっと食べた姿が浮かんだからです。
どうやってできたのか、
どうやったら赤く美味しくなるのか。
ふれてみて分かったからこそ“好き”になれた瞬間でした。
子ども達にも伝えたい
大量生産された製品はツルツル、ピカピカで、
デコボコ、ザラザラした風合いのある手づくりの工芸品を
不完全で汚いと感じる子供は多いのです。
でも、自分で作ってみたら、
それはやっぱりデコボコで歪な形だけれど、
自分の手が触れたものは汚くもガラクタにも感じません。
そんな風にして、色んな物が何(素材)でどうやって(手法)出来ているのかを知ると、
その中から特に好きな物が見つかるかもしれません。
他のシーンでもその手法を試してみたくなるかもしれません。
それはきっとイノヴェーションを起こす力になります。
こう思う頃には、すっかりキャリアへのこだわりが無くなっていた私は退職し、
「つくる」「ふれる」の価値を伝えるために起業する道を選んだのです。
起業がさまざまなメリットに
第一の不安であった子供のそばで働きたいという願いも、
住まいの最寄りで開業することでかなえることができました。
ワーキングマザーとして、通勤と暮らしの利便性より住み着いたこの土地は
少子化が叫ばれる中でも、今後数十年、子育て世代と子供の増加が見込まれており、
私のターゲットにもピッタリでした。
会社を設立した私はどんどん湧き上がる事業計画の中から
第一歩として児童向け造形教室と
ソーイングFab.(ファブリケーション)と銘打った
ミシンなどのソーイング機器の時間貸しサービスを行うスペースをオープンさせました。
その名は、tema x hima テマヒマ。
児童造形教室では、テーマ=手法ごとにしっかり仕組みを体験して、
それを活かして自分らしい作品を完成させることを大事にしており、
子供達の仕組みに気づく瞬間の顔は何よりの励みになります。
ソーイングFab.では
5種のミシンと大型作業台、アイロン、スキャンカットマシンを備え、
好きな生地を持ち込み、時間単位で利用していただくことができます。
分からない点はコーチングを追加して習うことができ、
誰でも簡単にソーイングを楽しんでいただけるように
キットとレッスンがセットになったメニューもあります。
そのほか、
さまざまな手づくりワークショップを開催し、
テマヒマをかけた暮らしを充実させる雑貨を販売しています。
3周年を迎えようとする現在
造形教室は盛況をいただき、多くのクラスが定員となり、
今後は指導力とカリキュラムの充実を図りながらクラスの増設を行なっていきます。
ミシンの利用登録者も200人を超えコロナ終息後を見据え、
さらに多くの方にチャレンジしていただけるような
魅力的なメニューの開発を目指しています。
途中、新型コロナの流行とういう危機もありましたが、
手づくりマスクやパン作り、テレワークの増加で自宅のD I Yが流行するなど、
世界中で手づくりが見直されたことは、少なからず追い風となりました。
Phantasmagoriaのこれから
少しずつ実りだした「つくる」「ふれる」で暮らしをゆたかにする事業は、
お客様、生徒の皆さんにご利用いただいた料金の一部を
近隣地区のフードパントリー活動に寄付をしたり、
造形教室の生徒作品をウォークラリー形式で展示し地元の飲食店を応援したり、
ソーシャルグッドへと進化しようとしております。
Phantasmagori(ファンタスマゴリア)とは、「変幻自在」を意味します。
奇しくも私はピカソと同じ日に生まれました。
彼が思いのままたくさんのメッセージをこめて描いたように、
私も会社も求められるままにさまざまに姿を変えながら、
いつか、誰かが体験した「つくる」「ふれる」を
見えない誰かと分け合える仕組みを実現し、
誰でも自分の中のレジリエンスと、イノベーションにつながる力を育てられる企業へ成長させることを夢見ています。
【tema x hima 概要】
〒142-0064
東京都品川区旗の台3-14-5
tel/fax 03-6874-1036
mail : info@phantas.co
営業時間 11:00〜19:00
定休日 日曜、 水・土不定期営業
造形教室 tema x hima studio
毎週 火・木・金
15:30~/16:40~/17:50~
各回60分 定員4名(感染症対策のため削減しております)
※造形教室開催時はソーイングFab.はご利用いただけません。
”テマヒマステューディオのサマースクール”
7/26(月)〜8/19(木)
午前の部 9:30〜12:30
午後の部 14:00〜17:00
各定員4名 参加費¥5,000税込
※詳細、プログラム内容スケジュールはHPをご覧ください。
ご予約は
https://tol-app.jp/s/temaxhima
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ