女性を中心としたチームで開発した乾燥トラブル肌のための医薬品「ザーネメディカル」。ヘパリン類似物質配合のOTC医薬品初のスプレータイプが生まれた背景
1954年に誕生し、67周年を迎えた「ザーネ」ブランド。「日本女性の手荒れ・肌荒れを改善したい」との思いから、ビタミン研究のフロントランナーであった製薬会社エーザイが、「肌へのビタミン」をコンセプトとした医薬品の保湿クリームをブランド名「ザーネ」と名付けて発売したのが始まりです。以来、手荒れ・肌荒れの悩みに寄り添って来ました。
2020年8月には、より深刻な乾燥肌の悩みを持つ方に向けて、ヘパリン類似物質を配合した「ザーネメディカルスプレー」「ザーネメディカルクリーム」(いずれも第2類医薬品)を発売。最大の特徴は、ヘパリン類似物質を配合したOTC医薬品初(*1)のスプレータイプを採用し、背中や太ももの裏など手が届きづらい患部の乾燥トラブルケアにも使いやすい点です。
この「ザーネメディカル」シリーズを開発したのは、女性を中心とした開発チーム。「生活者の皆さまの悩みに深く寄り添いたい」との思いから生まれたチームでした。エーザイ ザーネブランドマネージャー前田春香が、開発の裏側を語ります。
*1 OTC医薬品とは、薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しで購入できる医薬品のこと。ヘパリン類似物質配合のOTC医薬品としては、スプレータイプは日本初の発売となります(2021年12月時点)。
生活者の皆さまとの会話から着目した、年齢に伴う「乾皮症」の悩み
――67年の歴史を持つ「ザーネ」ブランドから、「ザーネメディカル」シリーズが生まれた背景を教えてください。
開発のきっかけは、女性の多くが、年齢に伴う「乾燥による肌の悩み」を抱えていたことでした。弊社では、「就業時間の1%を患者さまや生活者の皆さまと共に過ごして、思いに寄り添う」ことを推奨しています。
その一環として、年に2日ほど患者さま、あるいは生活者の皆さまと一緒に過ごして、会話をする機会をつくっているのですが、そこで気づいたのが、「30代後半ごろ〜50代にかけて肌質が変わるタイミングがある」ということ。「年齢が進むにつれて肌のバリア機能が低下すること」が変化の原因となっているようでした。
弊社が40~50代の女性1,000名を対象に実施した調査では、全体の約3人に2人(65.6%)が、5年前に比べて「肌の乾燥度合いが強まった、あるいは乾燥の気になる範囲が広がった」と回答。
聞き取りでも「肌着が擦れるだけでも気になってしまう」、「粉をふいた皮膚が脱いだ服の内側についてしまう」といった切実な声があり、これらの症状は、年齢に伴う「乾皮症」の初期段階に入っている可能性がありました。
この年代の女性が抱える肌悩みの本質にある、年齢に伴って深まる乾燥トラブル「乾皮症」の対策として使える「医薬品」の製品を開発しようと新規プロジェクトが立ち上がりました。これまでに発売されている「ザーネクリーム」は医薬部外品であり、より深刻な肌の乾燥悩みを持つ方には、医薬品の保湿力で解決策を提示したいと考えたのです。
ターゲットに近い年代の女性中心のチームで開発
――「ザーネメディカル」は、女性中心のチームで開発したそうですね。
できるだけ生活者の方々に寄り添った製品を作りたいという思いから、ターゲットに近い年代の女性を中心とした開発チームを2019年6月に結成。なかには、乾燥の悩みを持ち、ヘパリン類似物質を配合した製品を実際に使用しているメンバーもいました。
5名の少人数チーム、かつ年齢も近いということで、大人数の前では言いづらいリアルな肌の悩みを打ち明けやすい雰囲気がありました。通常の製品開発では、なかなかない開発スタイルでしたが、生活者の方々の要望を汲んだ製品をつくるにあたり、このチームがうまく機能したように思います。
――どのようなプロセスで、製品開発を進めましたか?
チーム内のディスカッションと社内の承認会議を繰り返しながら開発を進めました。ディスカッションは週に1〜2回、長いときは5時間も会議室にこもって話し続けていました。
ディスカッションでは、「下着が当たる部分がかゆくなりやすい」「肌の調子が悪いとアクセサリーも身に付けられず、気持ちが落ちる」など、本音ベースでの悩みを徹底的に抽出しました。
――開発プロセスでは、どんな課題がありましたか?
一番の課題は、「他社製品との違いをどのように訴求するか」でした。「ザーネメディカル」の開発では、「ザーネ」ブランドがこれまで貢献できなていなかった肌悩みにもお応えできる医薬品の製品を出したいという思いが背景にありました。
とはいえ、ヘパリン類似物質配合のクリームやローションは、すでに市販に出回っていて、目新しいものではありません。どうしたらオリジナルの魅力を出せるかと考えていたときにヒントになったのが、ある女性の声でした。
その女性は、市販されているヘパリン類似物質配合のローションを空のスプレーボトルに詰め替えて使っていたのです。「背中など広範囲のパーツは、通常のローションやクリームだと使いづらいから」という理由でした。
実際、ヘパリン類似物質配合でスプレータイプの製品は見当たらず、ポジションが空いていました。「これなら利便性が高く差異化できる」と考え、スプレータイプをメインに、クリームタイプとの2種類をラインナップしました。
――パッケージデザインにも、生活者の方々の声が反映されているんですよね。
はい、当初はメディカル感のある青や緑をメインにしたいと考えていましたが、女性を対象にしたパッケージ調査では、「ピンク」と「英字のデザイン」に人気が集まりました。その背景には、「医薬品を使っていると周囲に思われたくない」といった心理があったため、医薬品の表記ルールはしっかり守りながら、女性の気持ちに寄り添ったピンク色、かつオシャレ感のある英字のデザインとしました。
また、中身がスプレーであることがひと目でわかるよう、外装は透明なパウチ(袋)にしました。パッケージデザインは、社内の全員が賛成したわけではありませんでしたが、「生活者の方々の声を反映している」ことが決め手となり、最終的に承認が降りました。
OTC医薬品初(*2)の「スプレータイプ」で手が届きにくい背中のケアにも使いやすい
*2 ヘパリン類似物質配合のOCT医薬品としては、スプレータイプは日本初の発売(2021年12月時点)。
――「ザーネメディカルスプレー」「ザーネメディカルクリーム」の製品特徴を教えてください。
「ザーネメディカル」は、30代後半ごろから気になってくる肌の乾燥トラブル(乾皮症)のケアするために生まれた「ヘパリン類似物質」が配合された医薬品シリーズです。
「ザーネメディカルスプレー」は、ヘパリン類似物質配合のOTC医薬品としては、日本初のスプレータイプを採用していて、1プッシュで細かいミスト状のローションが患部に広がり、手早く塗布することができます。逆さにしても噴霧できるので、背中や太ももなど、直接手が届きづらい患部もストレスなくケアが可能です。(*3)
「ザーネメディカルクリーム」は、ポイント使いに便利。容量25gと小さめのチューブで持ち歩きやすいので、携帯用にもおすすめです。(*4)
*3 ザーネメディカルスプレー:1 日 1~数回、適量を患部に噴霧する。顔には適量を手にとり塗布する。
*4 ザーネメディカルクリーム:1 日 1~数回、適量を患部にすりこむか、またはガーゼなどにのばして貼ってください。
――ヘパリン類似物質には、どのような特徴がありますか?
ヘパリン類似物質は、年齢にともなう乾皮症に効果があるとされる成分の一つで、特徴は乾燥トラブル肌への「トリプルケア」です。「保湿」はもちろん、肌の血行を促進し、炎症をおさえる効果が相まって、乾燥によるトラブル肌を本来の肌に導いていきます。※
※出典:
「薬理と治療」木戸裕子ら,2000 年 ,28 巻 8 号 723-732 、
土肥孝彰ら ,2001 年 ,29 巻 2 号 ,127-134;
「基礎と臨床」木戸裕子ら,1996 年 30 巻 3 号 ,463-469 より
ヘパリン類似物質は肌への刺激が低く、年齢とともに失われていく肌のバリア機能を回復させる特徴も。乾皮症によって敏感になった肌にも使いやすいといわれています。また、お子様の乾燥した肌にも使用できます。
「使いやすい」とお客様からも好反応
――「ザーネメディカル」シリーズの販売にあたり、どんなコミュニケーション施策を行いましたか?
肌の乾燥トラブルに悩む方にしっかり届けたいとの思いから、テレビとユーチューブでCMを流しました。
「大人の全身乾燥トラブル肌」をコンセプトに、3体のマネキンが「乾燥肌会議」を繰り広げるという内容で、悩みのリアルな演出にこだわりました。「どの部位が、どのように乾燥するか」を生活者の皆さまに調査し、乾燥しやすいという声が多かった「わき腹」「すね」「背中」の3部位の乾燥課題をピックアップ。乾燥が進むと肌がひび割れることもあるとの声を受け、ひび割れの演出も入れました。「これは自分のための製品だ」と思っていただけるよう、細かな演出にもこだわりました。
発売後、特にスプレータイプに反響がありましたね。スプレーの便利さに共感いただくことも多く、使いやすさへの要望が強いことを再認識しました。
――今後の目標を聞かせてください。
発売から2年目、まだまだ必要な方に届けきれていないと感じています。常にベースにあるのは、患者さま、生活者の皆さまの悩みに寄り添いたいという思い。引き続き、生活者の方々お一人おひとりとコミュニケーションを取りながら、より深刻な乾燥肌悩みの対策として「ザーネメディカル」シリーズを広く認知いただけるよう、発信を続けていきます。
⇒年齢に伴う女性の肌の変化、乾皮症、ヘパリン類似物質の働きについては、エーザイ『ザーネメディカル』サイト参照ください。
https://www.eisai.jp/lp/sahne/sahne_medical
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ