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きっぷの電子化で売上3倍、煩雑だった集計作業は一瞬に!東急電鉄がKlookと開発する地域活性化の起爆剤

著者: Klook Travel Technology Limited

コロナ禍で打撃を受けた業界の代表例として、飲食、旅行、公共交通サービスなどが挙げられます。一方でデジタル技術を生かして感染対策や顧客の利便性を追求し、結果的に売上拡大やオペレーションの効率向上を実現している企業があることも事実です。

 

旅行・レジャー予約プラットフォームの「Klook(クルック」は、東急電鉄株式会社(以下、東急電鉄)と共同で電子乗車券「横濱中華街 旅グルメきっぷ」を開発し、2021年11月にKlook上で販売開始しました。発売後2ヶ月弱で磁気乗車券への引き換えが必要だった従来品と比較し、売上は約3倍、それまで手作業で行われていたレストランクーポンの集計作業はエクセルで瞬時に完了と大幅な工数削減を実現しました。

 

民間企業でありながら、人々の生活に欠かせない重要なインフラである公共交通サービス。社会への影響が大きいため、DXが叫ばれる時代にあっても現場のオペレーション変更は簡単ではありません。今回は、Klookを開発パートナーとして、東急電鉄で「横濱中華街 旅グルメきっぷ」のマーケティングを担当しているチームの皆様に、電子乗車券の導入背景や課題、導入後の効果についてインタビューしました。

東急電鉄株式会社 運輸計画部 沿線マーケティング課の皆様。右から田島 慎太郎様(課長補佐)、中村 竹広様(主事)、松永 優子様、末澤 慶文様(※撮影のためマスクを外しています)


「横濱中華街 旅グルメきっぷ(電子乗車券)」:東急線全線・みなとみらい線1日乗り放題の乗車券と横浜中華街・みなとみらいの対象店舗で使えるお食事券がセットになったお得な電子乗車券。Klook限定販売で、有人改札でKlookアプリ上の電子乗車券を見せるだけで乗車可能。

導入前の課題


ー「横濱中華街 旅グルメきっぷ」は磁気乗車券で長年販売されてきましたが、電子乗車券導入前にはどのような課題を感じられていましたか?

 

田島:当時は新型コロナがまん延しており、緊急事態宣言も出ていました。そんな中、駅での接触機会を減らして感染リスクを軽減するために何かできないか、色々と模索していました。特に、現金支払いと乗車券の引渡作業について、駅係員とお客様の感染リスク軽減を中心に検討していました。そこで乗車券をスマホへ表示させる仕組みにたどり着いたわけです。

(※撮影のためマスクを外しています)

 

ー電子乗車券の導入はすぐに決断されたのですか?社内的ハードルはあったのでしょうか?

 

中村:もちろん色々と調整は必要でした。電子乗車券と言っても自動改札機で通れるわけではない、つまり駅員に負荷のかかる案件ですから。最初は「電子乗車券って何?」という雰囲気でした(笑)。しかし接触機会を減らせるのであれば、ぜひ挑戦したいと思いました。

 

ーKlookを開発パートナーに選んだ理由

 

末澤:すでに海外で実績があったことが一番の理由ですね。KlookのQRコードで香港エアポートエクスプレスに乗車可能と聞いています。

 

KlookのQRコードを改札でかざして香港エアポートエクスプレスに乗車する様子

 

また、インバウンド旅行客が戻ってきた時のことを考えると、現在の国内旅行の需要をビジネスチャンスとして、沿線の価値向上にKlookと一緒に取り組むことがより魅力に感じられました。すでに多くのお客様に利用されているプラットフォームであるKlookでなら、新たな商品を販売する際に既存のユーザー層にアプローチできますし、またインバウンドが回復した際の多言語対応やヘルプセンターなどの手厚い対応は心強いですね。

 

交通系ICカードに企画乗車券を入れることなども検討段階では出たのですが、それには莫大な投資が必要です。そこでやはり電子乗車券となり、海外ですでに導入実績のあったKlookに行き着いたわけです。

 

Klookならスマホで購入可能、決済方法もクレジットカードやPayPay、Apple Payなど様々あり、また店舗は顧客の履歴を確認可能と、お客様にとっても店舗側にとってもメリットがあります。

開発から導入、運用定着までの過程 


ー開発期間はどのくらいかかりましたか?

 

松永:今振り返ると、電子乗車券の開発が決定してから販売開始まではかなりスピーディだったと感じています。純粋に開発にかかった時間は1ヶ月程度でしたね。開発はすべて海外で行われたにも関わらず、コミュニケーションは速かったですし、デザインの更新、確認作業など、大きなミスや問題なく進められました。

 

ー導入にあたっての苦労や工夫はありましたか?

 

末澤:食事券の店舗関係者との調整にはかなりの時間を要しました。また、電子乗車券の券面デザインの細かな調整、他社との意見調整は丁寧に行う必要がありました。関係者が多いため、すべての意見をまとめるのは時間がかかりますが、一つ一つ地道に解決していきました。また食事券が対象の飲食店での利用方法については、すでにKlookさんも慣れていることもあり、引き換え方法やマニュアルなどの説明について、とても助けられました。

 

中村:乗車券を取り扱う駅員の現場トレーニングも欠かせません。お客様の導線が変わりますし、改札口に立つ頻度が少なくなっている駅員の目視によるスマホ画面確認に関して、最初は懸念がありましたが、徐々に解消されました。東急線と接続している他鉄道会社様との調整や周知も、時間をかけて丁寧に行うことを心がけました。現時点でもトラブルはなく、ハレーションなく受け入れられたかと思っています。

導入の効果

 

ー電子乗車券を導入して解決した点やメリットを教えてください。

 

松永:元々の目的はコロナ禍での非接触・非対面ニーズに対応するためでしたが、それだけでなくオペレーションの効率化を実感しています。店舗側から郵送されてくるレストランクーポンの集計作業が週2〜3回あるのですが、これが非常に煩雑で、1回30分〜1時間ほどかかっていました。それが電子版ではエクセルで一発でできますからね。店舗側からも、レストランクーポンの郵送費がかからず嬉しい、もっと電子化してほしいという声が多数あります。磁気券は贈答ニーズもあるのですぐに無くしてしまうことは難しいのですが、やはり将来的には電子化の利便性に流れていくと思います。

(※撮影のためマスクを外しています)

 

ーお客様からの反応はどうですか?

 

田島:最初のキャンペーン効果もあり、販売枚数は2021年11月のローンチから12月末までの2ヶ月弱で紙チケットの3倍ほどとなりました。Webでいつでもどこでも予約ができることが、導入前と大きく異なり好評いただいています。また磁気券は改札窓口で現金のみの購入だったのですが、電子乗車券はクレジットカードやPayPayで決済可能なため、お客様の利便性も向上しました。使う時はスマホ画面を見せるだけ、また磁気券のような紛失の心配もないため、使い勝手が良いという声もいただいています。

 

今後の方向性

 

ー今後の課題や期待について教えてください。


末澤:まずは、沿線内の地域活性を最優先で考えたいですね。沿線が活性化されることで鉄道利用者も増えますから、その起爆剤となるような新たな商品造成を図っていきたいです。東急線沿線上の施設やグループ内での連携をより深めていきたいと思います。また、直通先の他鉄道会社様にもKlookの電子乗車券を導入してほしいとも思っています。同じKlookアプリでご利用いただいた方が、お客様にとっても便利ですよね。今後も、他鉄道会社様とのセット商品の造成も、引き続き実現していきたいと考えています。

「横濱中華街 旅グルメきっぷ」参画店舗の「横浜みなとみらい 万葉倶楽部」前にて

(※撮影のためマスクを外しています)

 

ー乗車券と施設のセット商品は業界としてのトレンドでもあるのでしょうか?

 

田島:そうですね。我々のような鉄道会社が主体となって人を移動させることは、本来あまりなかったことです。しかし移動する目的を提供し、その手段としてお客様が移動しやすい交通手段を提供することは可能ですし、これからはそうした取り組みが重要だと考えています。つまり企画乗車券を造成してお出かけの選択肢を提供し、それを拾ってもらうことで移動していただくというわけですね。

 

ー電子乗車券導入を検討されている他の鉄道会社様へ、Klookをおすすめしたい理由があれば教えてください。

 

□電子乗車券の話を聞いてみたいが、どの会社に話を聞けばよいかわからない

□自社販売サイトが無く、Web販売をどうすればよいかわからない

□旅マエ、旅ナカ、旅アトのアプローチのやり方がわからない

□自社のお客様センターでは多言語対応(日本語含む)をお任せしたい

 

松永:1つでもチェックが入った場合は、是非Klookさんにまずはご相談・お問合せいただければと思います。ちなみに、私たちはすべてチェックが入りました。

 

中村:Klookさんはお客様や駅係員の課題点・懸念点をよく聞いてくれて、それを解決するソリューションを提供してくれたのが心強かったですね。

 

ー最後にKlookにメッセージをお願いします!

 

田島:電子乗車券は自由度が高いので、これからやれることはたくさんあると思います。その高い自由度やKlookさんの強みであるスピード感で、今後も電子乗車券で新商品の造成を一緒にしていきたいと思っています。

 

ー Klookとしても地域活性化をテクノロジー面からぜひお手伝いさせていただければと思います!

 

 






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