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ファンケル 女性管理職比率50%達成目前!女性活躍を加速させる「ロールモデル提示」と「偏見の排除」とは?

著者: 株式会社ファンケル

女性活躍の推進は、健やかな企業経営のためだけではなく、従業員の満足度や企業価値の向上に欠かせません。

ファンケルでも、ダイバーシティ&インクルージョンの重点分野として、「女性活躍推進」に取り組んでいます。

日本でもトップクラスの女性管理職比率を誇るファンケル。さらなる女性活躍推進を目指し、「ロールモデルの不足」と「無意識の偏見」という課題の解決に向けた取り組みを紹介します。

日本の女性管理職比率は14.9%。先進諸国に比べて低い

総務省が発表している「労働力調査」(上図)を見ても、日本は先進諸国と比較して、女性管理職の比率が低いことが分かります。世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数でも、2022 年の日本の総合スコアは146カ国中116位と、先進7カ国(G7)、東アジアのいずれでも最下位という結果になりました。日本の国際競争力を高めていくためにも、女性の活躍は必要不可欠です。


数字で見る、ファンケルの女性活躍

ファンケルの女性管理職比率は、日本平均と比較しても高い水準です。それは、女性従業員が多いことに加え、「女性が役職者になって当たり前」という社内の雰囲気があることが一因です。実際に女性管理職は結婚・子ども・家族などさまざまな異なるバックグラウンドを持った従業員がいます。上司も部下も、お互いにバックグラウンドを認め合い尊重しながら働くことができているのがファンケルの特長です。一例として、産休に入る社員には、「行ってらっしゃい!」と会社全体で送り出すのが恒例となっています。実際に育休復帰後の定着率も5 年連続で100%です。ただ次長職以上の上級管理職になると、まだ女性比率が低いのが現状。人事部などの担当部門のヒアリングによって、原因が大きく2 つ見えてきました。一つは、上級管理職になるイメージができないということ。女性従業員の中には「子育てと今の仕事で手一杯のため、上級管理職になるイメージができない」「上の役職になるとワークライフバランスを保つことが難しそう」などという声もあります。

そしてもう一つは、周囲の行き過ぎた配慮により、チャンスを逃している可能性があるという点です。女性が多い会社だからこそ、男性を含めてサポート体制は手厚い。だからこそ、女性に関する配慮が「行き届きすぎて」、本人にとっては必要以上に業務量などへの制限がかかっている可能性が出てきました。

上記二つの原因に対する対策として、企業内教育機関「ファンケル大学」は、「女性リーダーシッププログラム」と「アンコンシャスバイアス研修」を企画しました。その背景や狙いについてファンケル大学 学長の田中に話を聞きました。


ファンケル大学 学長 田中淑子が語る研修実施の背景

上のポジションを目指すことは“ 考えにくい” が50%

―――「 女性リーダーシッププログラム」 実施の背景は?

「女性の上級管理職比率が低いことです。女性社員が多いファンケルでは、フレックスタイム勤務制度や在宅勤務制度など、他社と比較しても働きやすい環境が整っています。しかし、管理職の女性たちにヒアリングしたところ、さらに上のポジションを目指していると答えた人は50%、考えにくいと答えた人は50%でした。ただし、『目指したくない』という発言は聞かれませんでした。

考えにくいと回答した人に理由を尋ねると、『上の役職に求められる役割がよく分からず、イメージが湧きにくい』『子どもがいて日々の仕事にいっぱいいっぱい』などの自分が上級管理職として活躍している姿を思い描けないという声が多く聞こえてきました。このような悩みを払しょくして、より一人ひとりが自身にとって良いキャリアを選択していくためには、多様なロールモデルを提示し、自分らしく働くことができる可能性を伝える必要があると考えたことがきっかけです。

2022 年8 月から開始する女性リーダーシッププログラムでは、外部の有識者に加え、ファンケル新卒入社、中途入社、結婚の有無、子どもの有無などさまざまな背景を持つファンケルの現役女性役員が登壇します。『自分らしい頑張り方でいい』とエールを送ることで、次のポジションを前向きに目指せたり、日々の業務においてもリーダーシップを発揮したりといった変化につながることを期待しています」


――― 女性活躍推進の目標はありますか?

「現在、部長職以上の上級管理職における女性の割合は約25%ですが、2023 年には30%に引き上げる目標を掲げています。さまざまなロールモデルを勘案したうえで、自分らしく働く選択肢の一つとして次のポジションを位置付けてもらえたらと思います」

自分の無意識の偏見に気付き改善することが、他者の働きやすさにもつながる

―――「 アンコンシャスバイアス研修」実施の背景は?

「イメージしたロールモデルに近づくためには、周囲のサポートも必要です。多様な価値観を認め合うためにも、まずは自分自身の偏見に気付く必要があります。『アンコンシャスバイアス研修』では、研修を通じて、無意識の偏見に気付く機会を設けています。例えば『男性は機械に詳しそう』や『一家の大黒柱は男性』などもそうです。すでに、『トップマネジメント研修』の一貫として、役員を含めた役職者がアンコンシャスバイアス研修に参加しています。外部講師による講演や、セルフチェックを通して気付きを得られたのではないかと思います」自分の無意識の偏見に気付き改善することが、他者の働きやすさにもつながる


――― 女性活躍推進の目標はありますか?

「現在、部長職以上の上級管理職における女性の割合は約25%ですが、2023 年には30%に引き上げる目標を掲げています。さまざまなロールモデルを勘案したうえで、自分らしく働く選択肢の一つとして次のポジションを位置付けてもらえたらと思います」


――― 2021年に、一部の役職者向けに実施されたそうですが、実際に研修を受けた、参加者の声は?

「『そもそも女性リーダーが増えない理由の一つに“ 女性も頑張ればいい=男性と同じように働く” という前提があるように思う。』などの意見も聞かれ、今後従業員のキャリアをサポートしていくうえで貴重な声をたくさん聞くことができました」


――― 今後の展望を教えてください。

「女性のリーダーシッププログラムでは、誰かと同じ道を歩む必要はなく、自分らしい考えを持って仕事をすることや、社員一人ひとりの自己実現につながればと考えています。上級管理職比率も一つの指標となり得るでしょう。『アンコンシャスバイアス研修』は、多様な価値観を受け入れることで、新しい発想が生まれ、チームワークの向上に貢献できるのではないかと思います。当たり前になるまでには時間がかかるかもしれませんが、ダイバーシティ&インクルージョンにおいて、どちらも不可欠な教育として継続していく予定です」





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