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80代の著者さんもおられます。

創立100年を超える老舗地下足袋メーカー丸五の「変遷」と変わらぬ「想い」

著者: 株式会社丸五

株式会社丸五は2019年に創立100周年を迎えた老舗地下足袋メーカーです。またワークシューズ業界のパイオニアでもあります。

弊社のコーポレートメッセージである「make it new」すなわち、新たな価値の創造へ社員全員で取り組んでいます。«ひらめき»これは創業から受け継がれてきた丸五のDNAです。

創業当時の工場スケッチ画と丸五の商品




私たちの100年を超える歴史を知っていただいた上で、弊社の商品の魅力をより知っていただきたいと思い、今回創業エピソードと今に至るまでを、ウェルネス推進部、部長の波止がご紹介させていただきます。


現在丸五は、創業からこだわり続けている地下足袋はもちろん、働く人の足元を支える“ワークシューズ”や特殊な“自動車用ゴムホース”を製造・販売しております。近年では地下足袋の良さを現代のライフスタイルに落とし込んだ“足袋シューズ”の開発にも取り組んでいます。

今回このストーリーでは、創業当時からの生業である地下足袋分野のご紹介をします。時代のニーズに合わせて商品としての形を変えながらも、「伝統」や「地下足袋の心地いい履き心地」は残したい。世界中の人にこの「地下足袋の履き心地」を知ってほしいという『想い』。そこには様々な試練や紆余曲折、そしてひらめきがありました。


〇誕生の記~アイデアマンだった創業者・藤木伊太郎の≪ひらめき≫~

1917(大正6)年、都窪郡帯江村(現在の倉敷市)の庄屋だった藤木家は、綿織物を利用して座敷足袋の製造を行っていました。

現代のように靴は普及しておらず、草鞋(わらじ)が主流でした。草鞋(わらじ)では作業しにくく、足袋では傷みが激しい。草鞋(わらじ)や足袋よりいいものがないか。そこで藤木家の当主・藤木伊太郎は人力車に使われていたタイヤに着目し、足袋の底にゴムを張りつけることを思いついたのです。それこそが「縫い付け式地下足袋」の誕生でした。この時より誕生した地下足袋は元々作業用の履物として農業や建設業などで働く人の足を守るために作られたものでした。丈夫であることは勿論、履き心地のよさも追求しました。


創業者・藤木伊太郎と創業初期の万年縫い付け足袋


1919(大正8)年5月、丸五足袋株式会社を設立。これが現在の株式会社丸五の前身となります。都窪郡茶屋町に5,000坪の敷地を得て、地下足袋の一貫生産に乗り出しました。1910(明治43)年に、岡山と四国を結ぶ宇野線が敷設され、後の1913(大正2)年には下津井電鉄線が開通、一躍交通の要衝となった茶屋町は、花ござや織物など地場産業が盛隆を誇り、大いに賑わったのです。

1924(大正13)年にドイツ人技師を招聘(しょうへい)し、革靴の生産にも着手、翌年には運動靴の生産販売を開始しました。さらに従来の軍手よりも格段に丈夫で伸縮性に富んだゴム引き作業用「万年軍手」を開発。「万年足袋」「万年軍手」の2つのブランドは日本国内だけでなく、中国大陸や北米などにも盛んに輸出されました。


(左から)韋駄天・万年軍手・飛脚郵便広告


日本が国際社会にデビューし、ストックホルムオリンピック大会(1912年)にマラソンで初めて参加して以降、各地で長距離走が盛んに行われるようになりました。創業者藤木伊太郎はこれらの動きに乗るように地元新聞社とともに岡山~茶屋町マラソンを企画し、創業8年目の1927(昭和2)年秋に岡山、倉敷、天城を経て工場の所在地である茶屋町をゴールとする20マイル(約32キロ)マラソンを主催しました。これは当時では相当思い切ったチャレンジであったことが予想されます。ランナーの多くは地下足袋を改良した足袋シューズを着用しており、国民スポーツの興隆にも一役買った活動でした。


マラソン ゴールの瞬間

〇丸五の社名由来

第1次世界大戦が1918年に終了し、世界の大国が平和と協調を唱えているころに丸五は創立しました。

1920年には平和の祭典として、アントワープオリンピックが大きな期待の中再開されたことと思います。現在でも使われているオリンピックのシンボル、五輪旗は1914年に制定されており、1920年のアントワープオリンピック以降使用されています。

五輪マークは字の如く、5つの輪が重なり合ってできています。その理由は世界の五大陸(アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・アジア・オセアニア)を表しているからです。このオリンピックシンボルは世界の平和と協調を希求するシンボルとして、世界中の話題となっていたと考えられます。

そんな時代の中で1919年に創立した丸五足袋株式会社(のちの丸五)は、五大陸(世界)に雄飛するという思いを込めて「丸五(マルゴ)」と命名し、アラビア数字の5を使ったロゴマークを制定しました。上項で紹介した丸五主催の20マイルマラソンから見てもオリンピックを意識しており、オリンピックのシンボルマークが丸五の社名・ロゴマークのヒントになりました。


〇丸五を支える地下足袋派生事業

今日、地下足袋づくりで培った技術、そのノウハウをもとに様々な商品を開発しています。

その1つがプロスニーカーです。働く人の安全と安心を支える安全保護具メーカーとして「日本プロテクティブスニーカー協会(JSAA)」の設立に携わり、安全スニーカーの製品規格づくりとその普及に努めてきました。現在は、ワークシューズ業界のパイオニアとして全国のホームセンターやワークショップで弊社の商品を見かけないことが無いほどにまで成長しました。

また、弊社は『祭り足袋』市場の実に6割を超えるシェアがあると言われています。


〇現代のライフスタイルに落とし込んだ“足袋シューズ”開発秘話

働く人の安全・安心を足元からサポートする、ワークシューズ業界のパイオニアとして幅広く商品提供してきた丸五。


2000年当時、国内ではワーク用、祭り用として活躍していた地下足袋ですが、海外からの評価は少し違っていました。

地下足袋を知る外国の人からは『NINJA shoes』などとも呼ばれ、武道やコスプレ用アイテムとして受け入れられていたのです。

そんなある日、丸五は一人のフランス人学生と出会います。その出会いは丸五海外HPへの問い合わせメールでした。内容は、地下足袋のステッチの色を変更することはできないのか?というもの。地下足袋の機能に加えて「ファッション」としての役割を求めたのです。

これをキッカケに、白・黒・無地が基本であったデザインをカラフルなものへと大胆にアレンジした、丸五初のファッション足袋『ASSABOOTS』が誕生しました。

中国の自社工場にて生産し、2008年にはフランスのコレクションへも出品、大反響を呼んだものの、生産体制もノウハウもまだまだであったため課題も多く残りました。

伝統を継承するという意味でも、やはり日本で生産すべきだという意志のもと、2010年には国内生産を復活、4人ほどの職人で小さな工場でした。


日本での生産を始めた頃のASSABOOTS


「メイドイン倉敷」を復活させ、国内での販売も始めますが、その反応は全く異なるものでした。

海外ではクールジャパン、まるでブーツのように楽しんでもらえたものの、国内ではやはり地下足袋は地下足袋。泥臭い昔ながらの作業イメージがどうしても払拭できません。見た目のハードルも高く、いつ履いたらよいのか分からないなど、なかなか受け入れられませんでした。


「地下足袋のことをもっと知ってほしい」

100年経っても職人に愛され続ける地下足袋の良さ。

地下足袋が働く人のための履物としてここまで履かれ続けているのは、足裏から伝わる情報量・バランスのとりやすさなどといった機能が優れているから。

地下足袋の履き心地の良さを一般の人にも広めたい、日本伝統のものだからこそ履いてほしい、履いたことのない人にも、地下足袋ならではの履き心地を普段の生活に取り入れてほしい。


「どうしたら、地下足袋を普段履きにできるの?」


2014年、社内のデザイナーがあることを≪ひらめき≫ます。

ネックになっているのは大きく2点。1つはザ・地下足袋のビジュアル。もう1つは足首部分からふくらはぎにかけて付いている足袋特有の留め具「馳(はせ)」。この馳が6枚付いている地下足袋はもっともポピュラーなのですが、脱ぎ履きの際に毎回留めたり外したりするのはなかなか面倒。慣れも必要です。もっと気軽に脱ぎ履きができ、例えばリゾートシューズの「エスパドリーユ」のように気軽なデザインならば、普段の生活にも取り入れられるのではないか。

そこで思い切って、馳のついたアッパー部分を大胆にカットし、スリッポンタイプに。甲や踵を覆うアッパー生地には地元老舗帆布メーカーの丈夫で風合いの良い帆布を使用しました。これが、弊社の唯一無二の商品、「たびりら」の誕生でした。


2015年、本格的に発売を開始し、和雑貨店を中心に少しずつ販売がスタートしました。順調な滑り出しかと思われましたが、販売面でも開発面でもその後も苦労は続きました。

それでも少しずつ、一つ一つの課題と向き合いながら歩みを止めることなく進み続け、2016年には足袋型トレーニングシューズ「hitoe(ヒトエ)」、2020年には足袋パンプス「MARY(マリー)」を発売。様々なデザイナー様やショップ様とコラボするなど、足袋シューズが足元のおしゃれとして当たり前の世の中になることを目標に、今日も挑戦し、歩み続けています。


〇履物ファッション文化の「ニューヒーロー」に

丸五が生み出した新感覚の履物「たびりら」は斬新なデザイン性と抜群の履き心地、さまざまな製造手法を駆使しており、変化のあるスタイル提案において高い評価を得ています。

最近ではSDGs(持続的な開発目標)の一端として、サスティナブル素材を使用した商品の開発や、全国各地の「良いもの」を掛け合わせた商品開発等も行っており、大きな反響をいただいております。

革の履き心地のよさや見た目の美しさにも着目し革製品の開発にも力を入れております。


主なウェルネス商品ラインナップ


革製品ラインナップ(上段左ITARO-1101、右ITARO-1102、下段左たびりらレザー、 右Emma)



〇海外展開へ向けて丸五シンボルマークを新たに

さて、100周年を迎えた2019年、丸五は新しいロゴマークをつくりました。

創立当時から掲げてきた『⑤』のマークは丸五のシンボルとして定着しており、地元の方々にとっても、なじみのあるマークとなっておりました。それでもロゴマークを新たに定めたその最大の理由は、海外展開を視野に入れた際『⑤』だけでは世界の人たちにMARUGO(マルゴ)と読んでもらえないことです。そこで、最初の音である「MA」を図案化し、社名「MARUGO」とセットにした新たなマークを定めました。

新しいマークの意味としては、「MA」の山形で弊社のシンボルとなっている工場の“のこぎり屋根”を表しています。同時に三つの山形が重なり、上向きのベクトル、発展性を表現しています。また、Mの文字は足袋の形を表しており、Aは新規性、成長性を表している、とも読み取ることができます。英文字のMARUGO、さらにコーポレートメッセージの make it newと合わせて、新しいシンボルが当初の思い、「5大陸を雄飛すること」を願います。




〇直営店ご案内

2019年に初の直営店MARUGO TOKYOをオープンし、2021年には本社敷地内にファクトリーショップKOYAYA、そして2022年には倉敷美観地区にMARUGO KURASIKIをオープンいたしました。弊社の足袋型シューズラインナップを一挙に手に取ってご覧いただけますので、皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。


◇MARUGOTOKYO

住所:〒104-0031 東京都中央区京橋1-17-1 昭美京橋第2ビル 1階 (東京営業所内)

アクセス:東京駅八重洲中央口より徒歩10分

営業:11:00~19:00(定休日:日・月・祝日)

電話:03-3566-6105

●Facebook:https://www.facebook.com/marugo.tokyo

●Instagram:https://www.instagram.com/marugotokyo/


◇MARUGO KURASHIKI

住所:〒710-0046 岡山県倉敷市中央1丁目4-13 (倉敷美観地区 倉敷SOLA内)

アクセス:倉敷駅より徒歩20分

営業:10:00~18:00(定休日:火 ※火曜が祝日の場合は水曜が定休日となります)

電話:086-489-6948

●Facebook:https://www.facebook.com/Marugo-KURASHIKI

●Instagram:https://www.instagram.com/marugokurashiki


◇KOYAYA

住所:〒710-1101 岡山県倉敷市茶屋町1680-1 (本社前)

アクセス:JR西日本 瀬戸大橋線「茶屋町駅」西口より徒歩5分

営業:10:00~17:00(定休日:当社カレンダーによる ※変則的な営業日あり)

電話:086-428-0230(代表)

●Facebook:https://www.facebook.com/marugo.wellness

●Instagram:https://www.instagram.com/marugo_wellness/










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